ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
HSP(敏感すぎる人)という言葉は,人々の生きづらさを巧みに表したことで共感をよび,広く使われている.だが,本来は心理的特性を表す考え方が独り歩きし,医療やカウンセリング,資格ビジネスやマルチ商法まで,問題のある理解や取り上げ方も多い.気鋭の心理学者が「HSPブーム」の実態を明らかにする.
ブラウザ試し読み
アプリ試し読みはこちら
Posted by ブクログ
中立の立場で、優しい口調で、わかりやすい。 1つの心理学概念が、どのように社会に受け入れられ浸透していくのか、その時に注意することは何か。 といったことが書かれている本。 HSP自認の方も、そうであって欲しい方も、あまり良いイメージがない方も、どなたでも読めると思う。 それぞれの立場に示唆のある良...続きを読む書。 受け取り方は人それぞれだけれど、個人的には大いに賛同する。 知識と知恵って本当に大事だなと思わされる。
最近この本の中にも出てきた「繊細ヤクザ」の存在が目に付き気になるようになりました。 HSPを特別なものだと礼賛するかのような取り上げ方のものを目にすることが多かった中で、この挑戦的なタイトルが衝撃的で引かれて手に取りました。 岩波ブックレットを手に取るのは初めてなのですが、こんな本があるんですね。 ...続きを読む 期待していたけれど期待以上に良かったです。 冷静沈着に現状のHSPブームを捉えて学術的な視点から指摘しているのがとてもよかったです。 先述した「繊細ヤクザ」のワードや、自分としても懐疑的であった木下優樹菜さんの脳波の検査でADHDと診断を受けたといったような世の中の出来事を取り上げているところが好感持てました。HSPに関する広い情報に耳を澄ませているからこそだろうな、と。 現代の人の中には、怠ける理由が欲しい人が一定数いるように思えます。 大義名分にしてしまう。 ある考えや、立ち位置が認められるにいたるまで苦労した人たちの真意とは違う、自分を甘やかすための。 結婚しなくても良い、というのも選択としてあるべきだし社会全体で強制する空気を出したり、結婚していないと欠陥人間とみなすなどは看過できないので結婚しない選択も歓迎される世の中というのは好ましく思います。 でも、自立せず、自分の成長とつながる他者とのつながりから逃げ、ルッキズム批判を盾にして不潔な見た目のまま…でも偉そうに結婚しないのも自由だから、というのはどこか違う気がしています。 HSPも、嫌なことから逃げる正当な理由が欲しくて、それによりかかるために利用しているように思える人がいます。 「良くも悪くも影響を受ける」ということは知りませんでした。 ポジティブな面も広く認知されるといいな。 怠ける理由とかうまくいかないことの盾にするためそういった性質を利用している人は、お金稼ぎのエセ医学やアクセス数稼ぎの情報の信頼性の低いメディアに利用されているだけかもしれないなと思いました。利用のループ。 バーナム効果も興味深いです。 遊びとわかっていて楽しむ程度は良いと思いますが簡単にアクセスできる占いの内容を信じすぎるのは不思議です(本当に力のある人というのは世界に存在するとは思うので完全に否定はできないです)。 個人的には厄年というのも疑問です。人間長く生きていれば、体にガタが来たり何かしらの大きな出来事があるのにおおざっぱに厄年だから、とするのは問題から逃げていないか、と思えてしまいます。 自分でできる限りの努力、体調不良があるなら食事改善、運動するなど行動できるのに厄払いしてないからだ!と言っていた人を見たときはえぇ…となってしまいました。 人事を尽くして天命を待つ、 人の力でできる努力はしようよ、と何事にも思います。
こういう本こそ多くの人に読まれるべきと思いますが、「繊細さんの本」ほどは売れないんでしょうね・・・。 自分もHSPかなと思って「繊細さんの本」を含め何冊か買って読みましたが、ブームになったので買うのをやめました。自分もHSPっぽいところはありますが、障害ではないようですし、自分の中でなんとか折り合...続きを読むい付けて生きられそうなので、これ以上「HSPだから」と深掘りする必要はないと思うようになりました。 なかなか難しいのですが、「HSPだから生きづらかったのか」と納得するのはいいのですが、そこで終わってしまっては、生きづらさの根本的解決にはならないと思うのです。決定的に人間関係が苦手、という方もいらっしゃるかとは思うのでそこは無理しないでいただきたいと思いつつ、結局、相手の話も聴きつつ、自分の思いも伝える、ということをするしか、生きづらさの解消はできないような気がします。もっとも、「生きづらさ」もゼロにはならないと思いますが、少しでも減らす努力をすることはできるのではないかと。 生きづらさを抱える人たちが、なんとか一歩を踏み出せますように。
100ページに満たない薄さだったが、HSPの書籍の中では非常にまともな内容であった。ここでいう「まとも」は、自分がHSPに対して抱いていたモヤっとした感じが非常にクリアになったという意味であり、HSPと自称する人たちの言う生きづらさが理解できて、そのことを全肯定するわけではない。 そうした特性を持...続きを読むつ人が一定数おり、HSPと自称することである種の安心感が得られることは認めるが、それを「繊細さん」と「非繊細さん」に分けることには意味がない。むしろ「繊細さん」が正規分布で見たときに端に偏っている人という考えは納得のいくものであった。 ビッグファイブが挙げられていたが、そうした特性の一つくらいに見ておいた方がよいだろう。それでも治療が必要というのであれば、悪徳な医療機関でなければ、HSPはまともに対応されないため、HSPカウンセラーでも何でも好きなところに行ったらいいのではないだろうか。
HSP(Highly Sensitive Person)気質のことを心理学概念としては感覚処理感受性と称するのだが、所謂「繊細さん」というような安易な言い換えで、妙に興味を持つ人が増えたことに対応して、本書で専門家が正しい知識を教えてくれる.心理学では人の性格を理解するのに「ビッグファイブ」という枠...続きを読む組みを使用する由.これらは、外向性、神経症傾向(情緒不安定)、勤勉性、開放性、協調性の5つで、HSP気質はこれらには含まれない.HSP気質を診断する手立てはまだないにもかかわらず、それらしく診断して「何か説明した気になれる」ことで、暴利を貪っている輩もいる.心理カウンセラー資格は、臨床心理士と公認心理士の2つだけで簡単に取得できるものではないことも紹介されている.騙される人が多いのだと感じた.
初めてHSPという言葉を知ったときの安堵感ははっきりと覚えている。これはまさに私の話だ! と思った。こんなふうに生きづらさを感じているのは私だけじゃないし、大多数の人たちにこの生きづらさが理解されないのは仕方がないことなんだ。そして繊細であること、敏感であることはある部分においてはメリットにもなりう...続きを読むる。そう知ってうれしくなった。HSPを自認していると楽だった。些細なことに傷ついても、私はHSPだから仕方ないと思えた。HSPを悪く言う人たちは「繊細」じゃないから、この生きづらさがわからないんだ、わかりあえないのは仕方がないことなんだ。そう思っていた。 それはもしかすると認知の歪みなのかもしれない、と気づいたときに出会ったのがこの本だ。 HSPそのものが嘘だとは思わないし、この本の著者も嘘だとは言っていない。でも、いま世間でいわれているHSPの話は学術的に間違っている部分があったり、誇張されていたり、個人の経験にしか基づかない情報だったり、ときには搾取しようとする思惑まで混ざっていたりする。そういう側面をしっかり理解したうえで、あくまでも「正規分布のうち、相対的に見て片方の傾向が強い」というだけの位置に自分はいるんだということを認識していたいと思った。 なるほどなあと思ったのは、特別視の部分。HSPは5人に1人といわれているけど、5分の1って確かに絶妙な数字だ。私だけじゃない、でも多数派とは違う、という感覚って確かに「私は特別な存在なのかも」と思い込ませたり、ひとつの考え方に傾倒したり、無意識のうちに偏見を生んだりする要因になりかねないと思う。 自分を誰かにラベリングしてもらうのは楽だ。でも、HSPは特別な能力じゃないし、非HSPとまったく異なる性質を持った人間でもない。メリットもあればデメリットもある! というところをフラットに捉えて、HSPを言いわけにしすぎず、情報を歪みなく受け取れるようになりたいなあ。「自分はHSPの当事者だ!」と強く思っている人にほどおすすめしたい一冊。 【読んだ目的・理由】HSPについて正しく理解したいと思ったから 【入手経路】買った 【詳細評価】☆4.0 【一番好きな表現】必ずではないでしょうが、「HSPは特別、才能」といった考え方には、「HSPではない人は特別ではない」という無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)が隠されている場合もあるかもしれません。(本文から引用)
私はHSPについて懐疑的な見方をしていたんだけど、良い側面と悪い側面、またHSPブームによって巻き起こっている様々な「罪」について知れて良かった。 SNS上ではどうしてもHSPを特殊な能力と解釈している人や、繊細な自分に過剰に配慮を求めるような人ばかりが目立ち、その結果HSPを自認している人とそうで...続きを読むない人とで対立してしまっている印象だった。もちろんそれも実際に起きている問題ではあるが、一方で間違った情報を発信し目立っている当事者のせいで余計な生きづらさを感じたり、肩身の狭い思いをしている当事者も居ると思う。また、このブームに乗っかった資格ビジネスや根拠のない診断・治療を謳うクリニックの存在。はたまたカルト団体やマルチ宗教にまで目をつけられているとは驚きだった。 何にせよ、当事者もそうでない人もHSPについて正しく理解し知識を付けることで差別や対立、怪しいビジネスなどの被害に遭うことも防げると思うから、正しい情報が広まってほしい。 「繊細さん」の本より売れて欲しいよ!!
HSPブーム自体よりも、ループ効果によってある特性を表すラベルが社会的に受容・変容していく様の一例として興味深く読んだ
HSPが急速にブームになり、その後、炎上とまではいかないまでも「敬遠」の動きが見られ始めたことに疑問を感じ、この本を手に取りました。 ・HSP(繊細さん)の医学的定義と実際の広められ方の差による問題 ・HSPを呼び水にした詐欺や新しいビジネス ・教育現場にHSC(HSPの子ども版)が広まることで起...続きを読むこる弊害 ・HSPを定義したことによる分断 ・治療を謳うクリニックの危険性 など、「そういうことか」と腑に落ちる形で、客観的に記載されています。 HSPという場所に“所属”する一員になることで安心したり、メリットがデメリットを上回る人はいるのだろうと思いますが、ふわっとした定義で「血液型占いのよう」と言われるとなるほどそうだな、と思います。 本書では、いろいろな問題が挙げられているのですが、私が特に問題だなと思ったのが、HSPがいわゆる繊細な人を助けるだけで終われるならよいのに、それだけにとどまらず、「HSPが非HSPを見下したり、分断を生む」というところです。 以前読んだHSP関連本で私が感じていた違和感の正体はここにありました。 理解してもらおうとするその形が、「あなたたちとは違うから」という成分をふんだんに纏っていると、それは分断を生むしかなくなってくるし、それは間違った方法でしかありません。 これはHSPの診断基準とか悪質なクリニックが、という問題とは一味違ったものではありますが、どんな分断にも共通点がありそうで、個人的には一番気になりました。 岩波ブックレットというシリーズでページ数は少ないながら、コンパクトに分かりやすくまとめられているので、気になる方は読んでみてください。
概ね想定通りの内容。 正直なところブームと呼べるほどのものとなっているのかと思ったが、ブームだったらしい。アドラー心理学、愛着障害と並んで、正当な学術的研究ではないらしい。どちらかというとそれらも正当でないブームとされたことの方に驚かされた。 新たな概念が生まれ、アンチテーゼが発生し、初めて新奇な概...続きを読む念は磨かれる。やがてHSPも真摯に捉えられ、深化していくのだろう。
レビューをもっと見る
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
新刊やセール情報をお知らせします。
HSPブームの功罪を問う
新刊情報をお知らせします。
飯村周平
フォロー機能について
「岩波ブックレット」の最新刊一覧へ
「雑学・エンタメ」無料一覧へ
「雑学・エンタメ」ランキングの一覧へ
HSPの心理学
高校進学でつまずいたら ――「高1クライシス」をのりこえる
「飯村周平」のこれもおすすめ一覧へ
▲HSPブームの功罪を問う ページトップヘ