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本郷に住むフリーライターの野本泰史は、近所の洋食屋「琥珀亭」に足繁く通っている。独身の泰史は、最近店の手伝いをはじめた弓恵というはかなげな女性に、次第に惹かれていく。だがそれを感じた琥珀亭主人夫婦に、あの女性はあなたにふさわしくない、と忠告される……。純粋で美しい「愛」が、恐ろしい「憎しみ」へと堕ちていくとき、あなたは?──傑作長編サスペンス『ひとごろし』を改題、装いも新たに登場。あなたの全身は総毛立ち、心は凍り付く!
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Posted by ブクログ
新刊だと思って読んだのですが、2009年にひとごろしという平仮名の題名で発行されていたもののリニューアル版だったのですね。愛情や家族愛を肯定的に書くのを得意としている作家のイメージがありますが、逆の作品でした。世の中の人間は、皆、見方によっては狂ってるのかな、なんて一瞬思わされました。
弓恵も妹も愛にくるってる。。。 ただやすしが結局1番くるってるかも。 やすしが主人公なのにまったく感情移入できなくて、みんなくるってる話でした。 人殺しはダメょ。
各章のタイトルが気になって購入。 家族、恋人、知人の愛情を避けようとする、煩わしい、面倒だと思う泰史。 避け続けたものが、弓恵と出会ってから、少しずつ歯車が狂い、一気に押し寄せる、がんじがらめになってゆく。 弓恵は、「愛しているから」「そばにいたいから」が、すべてのような女性。 自分の勘違い...続きを読むから、近くにいる女性とは違う女性、母に近い女性だと思って興味を持ってしまうが、義理の母よりも、妹よりも愛情の強い、執着の強い女性、一番そばにいてほしくないタイプの女性だとわかった時には遅く、彼女の束縛、執着に苦しんでゆく。彼女に怯える日々。 「愛しているから」が、怖い。 何でも許されるかのような台詞だと思う弓恵の言葉。 「家族だから」という、妹の言葉も泰史には、憎しみの対象になる。 何でも、◯◯すぎることは、怖い対象でしかない。 一定の距離、知らなくてもいいこと、聞かなくてもいいことは、大事。
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