ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
なんの前ぶれもなく、永いねむりについてしまった美しい姫と、腹違いのひとりの童子――中世の京の都を舞台に繰り広げられる男と女の不可思議な生涯を物語る表題作のほか、実母の生んだ牝狐を愛して命を奪われてしまう男の物語「狐媚記」、夢が男女の出会いを予告する「ぼろんじ」など、あやかしの物語六篇。
ブラウザ試し読み
アプリ試し読みはこちら
Posted by ブクログ
2008年10月8日~9日。 面白い。 そして凄く切ない。 無償の思いの美しさと残酷さに心が震えます。
しばしのインターバルを経てTasso再読祭再開。 様々な典籍に材を取った幻想時代劇、全6編。 何度読んでも味わい深く、しみじみ面白い。 眠りに落ちたまま年を取らなくなった珠名姫と 異母兄つむじ丸の物語「ねむり姫」や、 望楼に幽閉された万奈子姫の悲恋「夢ちがえ」が 殊の外、切ないが、 もう一人の姫こ...続きを読むと「きらら姫」が 遂に正体不詳で終わるところにニヤリとさせられる。 以下、多少の余談なぞ。 「ぼろんじ」(虚無僧の意)において、 主人公の兄を振武軍に導き入れたとされる 澁澤成一郎(1838-1912)は 明治以降、幼名に復して澁沢喜作と名乗った実業家で、 日本資本主義の父と呼ばれる澁澤栄一の従兄であり、 作者の親類にも当たる。 「夢ちがえ」の「箱の蓋を持ちあげてみると」の条(p.178)では、 つい、泉鏡花「天守物語」 朱の盤の登場シーン(これは汁が出ました)を連想。 「画美人」の、 ガラス鉢の金魚に情事を見られている気がする……云々は、 作者の初期短編「撲滅の賦」のヴァリアントだろうか。 江戸の大工の倅・音吉が 鎌倉時代へ時間旅行する「きらら姫」。 彼は地震で倒壊した日蓮上人の草庵を建て直すのだが、 日蓮の弟子・日興が「伯耆房」の名を賜り、 日蓮と共に身延山に入った経歴が、 鳥取の地名である「伯耆」を苗字として名乗る人々が 山梨県の身延町に存在するという謎に迫る鍵ではないか…… と愚考する。
澁澤龍彦にはめずらしく(?)、ぼんやりできる午後などに拾い読みできる本。晩年の短篇集(ロマネスク)。ねむり姫になりたいのになあ、そしたら王子さまがキスしたって、絶対眠りから醒めないのに。というのは、表題作とは何の関係もありません。最近、寝不足気味。
水面を、覗き穴を通してスライドのように交錯する姫や少年達の運命。するりするりと読める香りの佳い文章です。
お伽噺、というものは、そもそもちょっと怪しげなものなのだけれど、「あやし」の境界線をのぞき込むのではなくうろつける感じになると、大人用ってことなのだな、と個人的には思うのです。というわけで、これは大人用のお伽噺。読んで損なし。 単行本の装丁について付け加えると、「ショッキングピンクとルミナスっぽいグ...続きを読むリーン」という、目がおかしくなりそうなデザインで、忘れたくても忘れられない、壮絶なインパクトのあるものでした。ちょっと普通では思いつかないような色遣いが、あやしさを確かに増していたけれど、この本についてはこの文庫版の装丁のほうが、感じいい、というか良い感じであると思います。 *追記*なんとなく確認したら、本人自装、ということで、ご自分のイメージによるものらしいです。今もわたくしの本棚で、目立ちまくっています。
『うつろ舟』などにならんで、晩年の『高丘親王航海記』への過渡作品とも言える、秀逸な短篇集です。『思考の紋章学』や『ドラコニア奇譚集』などに顕著なエッセイらしさが少なくなり、物語性に重きが置かれています。『高丘親王〜』よりはまだ文章/文体は固いかもしれませんが、ちゃんと分かるしちゃんと面白いです。 澁...続きを読む澤さんの模索過程が垣間見えるようで楽しいですね。『画美人』の金魚のくだりは初期の短編を彷彿とさせますし、文章の難渋さ自体は丸くなったものの、古語や漢語で飾られた豊麗な文章は典雅で気品があり、硬質な印象も受けます。どの作品のどの部分を見回してみても、洗練され高く築き挙げられているかのよう。この象牙の塔は、澁澤龍彦という匠にしか建てられぬものでしょう。 個人的お気に入りは、やっぱり『狐媚記』ですね。
『ねむり姫』リーダビリティはよい。ポニーで田舎者を馬鹿にするのがなんか 『狐媚記』狐の好物ってさうなのね。(原典読んで「澁澤作品の方が」と言へるレヴェルの筈) 『ぼろんじ』澁澤先生みとこーもんくらゐは見てたってどっかに書いてあった筈 『夢ちがえ』 琵琶湖の畔の話なのね。(田楽を舞ふ異形のなんぞが鎌倉...続きを読むでどうたら話があるさうなのだが先生の地元シリーズに入らない) 『画美人』へそー 『きらら姫』おさるスーツと、欲望に弱いキャラがそれを叶へて「あぁ、俺がナニしたあれが」と言ふのであったと言ふのが、衝撃。しかもタイムトラベルをするではないか。で先生の地元シリーズの壱。
現実から、ひょいっとはみ出してとける。不思議と現実のはざまを語る。そんな短篇集だと思う。上るのではなく潜るのに近いけれど、手引きがあるので溺れずに済む。ただ、その手引きがどんなもので、どこへぼくたちを連れて行くのかを考えはじめるとすこし怖くなる。グロテスクが道中にあるような、白骨を横目に潜っていく...続きを読むような、感覚。初期短篇選や唐草物語より、語り口が軽妙な気が、なんとなく。 2017.8.不明.
中世日本のあやかしの短編集。 何と言っても面白かったのは表題作のねむり姫。 夢と現の間にとらわれるねむり姫とつむじ丸の想いの交差は何とも言えない
裏表紙に“あやかしの物語”と書かれていたけれど、不可思議というひと言では片付けられない世界だった。この作品を読んでいる最中、二度ほど憑き物的な夢を見た上、金縛りにもあった。脳が独特の魔術にかかってしまったのかもしれない。 淫靡でもあり、エッシャーの騙し絵のような怖さもある。洒落に富む上質でリズミカル...続きを読むな文章がなんとも小気味よかった。 澁澤龍彦、怖いもの見たさ的興味で、その扉の奥をもう少しだけ覗いてみたい気がする。
レビューをもっと見る
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
新刊やセール情報をお知らせします。
ねむり姫
新刊情報をお知らせします。
澁澤龍彦
フォロー機能について
「河出文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
高丘親王航海記
O嬢の物語
悪徳の栄え 上
試し読み
悪魔の中世
石川淳随筆集
うつろ舟
黄金時代
女のエピソード
「澁澤龍彦」のこれもおすすめ一覧へ
▲ねむり姫 ページトップヘ