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約二千年前、古代ローマの博物学者プリニウスが、世界最大級の自然誌事典『博物誌』全三十七巻を著した。古今東西の文献や当時の思想を総動員して編まれたこの『博物誌』は、天文地理から動植物、鉱物、薬物、人間文化に及ぶ一大奇書であった。この大著に魅せられて渉猟する澁澤龍彦は、プリニウス独特の奇想天外な想像力を楽しみつつ、怪物や迷宮や畸形など幻想と想像の異世界へと読者を誘う。
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Posted by ブクログ
本家プリニウスの本が価格的に手に入れにくいので、プリニウスについて書かれた本を読んでみることにしたのですが、ますます本家が読んでみたくなり困ってしまいました。
プリニウス愛に溢れる澁澤さんの痛快なエッセイ集。『博物誌』を書いたプリニウスというひとは、いろんなひとの書物を引っ張ってきて、古今東西の生き物や、それらの不可思議な生態やらなんやらについて記述しているらしい。 澁澤さんのエッセイや小説も、いろいろな人が書いた様々な書物に依拠するものが多い。原典があ...続きを読むるならば、それはパクリではないか?と思う方もおられるかもしれないが、澁澤さんは自分の文章で何かを引用したり元にしたりした場合、必ずその典拠を示すし、たとえ批評していたとしても原作へのリスペクトを忘れない。そしてそれは澁澤さんの知識の豊かさを裏付けることにもなっている。 そういう点でも両者は大いに通じるところがあるし、澁澤さんはプリニウスのことを「めちゃくちゃだ」と言いながら彼のことを心底面白がっていて、そこに愛を感じる。そんな澁澤さんの文章を、私もまた楽しんで読んだ。
プリニウスは紀元1世紀頃の古代ローマの軍人で博物学者。スペイン総督、艦隊司令官を歴任するエリート。最後はポンペイを壊滅させた噴火の調査に乗り込んで火山性ガスで死んだとのこと。 本書は、プリニウスが書いた「博物誌」37巻を澁澤氏が面白いと思ったテーマをテキトーにピックアップしてゆるいコメントをつけて...続きを読むます。「なにいいかげんなこと書いてるんだ、このおっさん(笑)」的な感じです。博物誌そのものを読むより面白いです。 最近ヤマザキマリととりみきの合作コミックで「プリニウス」が発売(連載)されてます。これが面白くてプリニウス関連の本を捜してて見つけました。
澁澤さんがプリニウスの「博物誌」を紹介していく本。澁澤さんの文章は飽きが来なくてよい。やっぱりプリニウスは通読するよりも、ぺらぺらと頁をめくって目が留まったところを読むのが一番いいんだな。ここら辺は澁澤さんに賛成。 最後の象の章の、象が塩分を含んだ土を喰うという習慣を澁澤さんは知らなかったらしい。 ...続きを読むどうでもいいことだが、私はプリニウスの英語からの重訳を所蔵している。高かった・・・。
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