ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
4pt
探偵小説を愛読して半世紀。ミステリーの楽しみを自在に語る待望のオリジナル文庫。ミステリー批評の名作として名高い『深夜の散歩』から最新の書評まで。ポー、ドイル、チェスタトンからクリスティー、フレミング、チャンドラーまで、そして、グリーン、バルガス=リョサ、エーコまで、さらには、松本清張から大岡昇平、大沢在昌まで、あっと驚く斬新華麗な名篇揃い。
アプリ試し読みはこちら
Posted by ブクログ 2013年03月22日
帯に「追悼」の二文字が入った、これも文庫オリジナル編集の「追悼」本。早川書房の「エラリー・クィーンズ・ミステリ・マガジン」をはじめ各社の雑誌等に寄稿したミステリ関係の書評・評論を時代、内容ごとに改めて編集したものである。その多才さは知っていたものの、こうして集められたものを読むと、ミステリー愛好家と...続きを読むしての丸谷才一の一面が、他の顔にも増して強く浮かび上がってくる。 冒頭に「ハヤカワ・ポケット・ミステリ」シリーズを語った鼎談を収める。これも今は亡き瀬戸川猛資と向井敏を相手に、趣味を同じくする者同士が座談に興じる様子が伝わってくる好い企画である。 鼎談を別にすると、他は五つの章に分かれる。初期の書評を集めたⅡ「深夜の散歩」とⅤ「ミステリー書評29選」が書評、Ⅲ「女のミステリー」、Ⅳ「ミステリーの愉しみ」、Ⅵ「文学、そしてミステリー」が評論ということになろうか。 書評は英米のミステリーが中心になるが、評論においては日本の推理小説界の動向にも批評、提言を惜しまない。タイトルに「ミステリー」とついているが、エリック・アンブラーやイアン・フレミングといったスパイ小説作家にも扉は開かれている。もともとミステリーと純文学、大衆小説、中間小説といった類のジャンル上の垣根は丸谷にとって、どうでもいい区別であった。 好きな作家については重複をいとわないのが、大作家であってもファン心理というのは変わらないことがうかがえて微笑ましい。特にチャンドラーについては何度も触れ、「これが文学でなくて何が文学か」と、その文学の魅力を称揚し、村上春樹を筆頭とする日本の作家への影響力の強さを語る姿には力が入っている。 丸谷がミステリーを愛するのは、読んでいて愉しいからであって、そもそも読んでいて面白くないものは文学としての価値がない。鹿爪らしい顔をして、つまらない文士の日常の瑣末な身辺雑事をみじめったらしい筆使いで書き綴った「私小説」が、日本の文学を生きる上での色あいや潤いの乏しい、狭量な世界に閉じ込めてしまったことに対する不満が、この人にはある。 それに比べ、食事や酒、社交の席上での会話、音楽等々、人をして人生を愉しませてくれる種々の薀蓄を存分に語ることのできるミステリーは、何をおいても外すことのできない文学ジャンルである。ハヤカワ・ポケット・ミステリが、アメリカについて知る上での最も手軽な参考書であった時代を語り、日本推理小説界の大御所である松本清張と横溝正史を分けるのが、ハヤカワ・ポケミスに代表されるアメリカもののミステリ受容の有無であることを論じてみせる弁舌の爽やかさは、酒杯片手の上機嫌さにだけよるのではない。 この本、タイトルにつられて、ミステリ小説の解説本と思ってしまうと、ちょっともったいない。特に最終章「文学、そしてミステリー」は、グリーン、チェスタトンあたりはミステリーに分類されるだろうが、エーコ、清張、大岡昇平に至ると、いわゆる文学というものを読み解く作業に、「ミステリー」という「解読格子(グリッド)」を用いたとき、どんな読みが可能になるかという、その実例を奔放華麗に見せてくれる。松本清張をかつて人気を呼んだ社会派推理小説の重鎮などと括って済ませているのが、いかにつまらないことかを教えてくれる「父と子」など、ミステリ嫌い、純文学好きの読者必読といえよう。
Posted by ブクログ 2022年12月05日
ミステリーへの造詣が深いことは、毎日新聞の書評で確認していたが、軽快な語り口が重なると、余計に熱が高くなってくる。 「丸谷ワールド」リターン。 ミステリー(探偵小説)をがっつり読める余裕(時間と心理面)が欲しいです。
Posted by ブクログ 2015年01月31日
一冊のミステリ本をここまで深く読み解いたガイドブックはない。一般読者とは読書量も知識もレベルが違う。
Posted by ブクログ 2013年10月05日
全般的に紹介されている本がちょっと古い感じかな? 中途半端に読んだことのある時代の作品なので、ある程度内容のわかる本が多いんだけれど、なにせ、文語体なのでもっとクラシカルな本を紹介されてるのでは、と勘違いしそうな。(^^; 読書案内的にはちょっと入手が難しそうな本が多いのが難点ですかね。
レビューをもっと見る
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
新刊やセール情報をお知らせします。
快楽としてのミステリー
新刊情報をお知らせします。
丸谷才一
フォロー機能について
「ちくま文庫」の最新刊一覧へ
「エッセイ・紀行」無料一覧へ
「エッセイ・紀行」ランキングの一覧へ
石川淳/辻邦生/丸谷才一
犬だつて散歩する
女ざかり
輝く日の宮
闊歩する漱石
恋と日本文学と本居宣長・女の救はれ
口訳万葉集/百人一首/新々百人一首
後鳥羽院 第二版
「丸谷才一」のこれもおすすめ一覧へ
▲快楽としてのミステリー ページトップヘ