ビジネスを思い通りに操る ズルい行動経済学

平野敦士カール

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原価を圧縮する努力をしているのにお客さんの入店が増えない、客単価が上がらない、契約がなかなか取れない……そんなビジネスの場面でよくあるさまざまな困った状況に対し、行動経済学の知見に基づく「どう解決するべきか？」をクイズ形式で出題。豊富なまんがで一見難しそうな話も分かりやすくストーリー仕立てで解決。行動経済学の知識に触れながら、「流されないコツ」あるいは逆に「人を動かすコツ」「自分を動かすコツ」が学べます。

• カテゴリ: ビジネス・実用
• ジャンル: ビジネス・経済 / ビジネス教養
• 出版社: 宝島社
• ページ数: 176ページ
• 電子版発売日: 2023年01月26日
• コンテンツ形式: EPUB
• サイズ(目安): 67MB

[ブクログ · ★★★★★]

従来の経済学は人間を合理的存在と捉えているが，不合理な部分が多いのが現実の人間で，不思議な行動のどれにも名前がついている～１ちょっと高めのメニューを定番商品にして売上を伸ばすには？→同じカテゴリーで安いメニューを用意する（極端の排除）２売上を伸ばすために，値付けで工夫できることといえば？→値下げによって元々の価格より下がったように値札を書き換える（アンカーリング効果）３顧客に新サービスへの移行を促すアプローチ？→大手企業はほとんど乗り換えていますよ・旧サービスのサポートは値上げになりました・旧サービスでは対応できないリスクがこれだけあります（現状維持バイアスの破壊）４お客さんが洋服店に複数の商品を買いに来たら，どの順序で販売する？→もっとも高い商品から購入をすすめていく（コントラスト効果）５イベント会場で売れ残りそうなグッズを売り切ってしまうには？→本イベント限定！（希少性の原理）６契約に不安を感じる顧客にもう一押しするには？→過去のセミナー参加者によかったことを話してもらう（少数の法則：サンプルが少なくても信じてしまう）（代表的ヒューリスティック）７顧客への謝罪！許してもらうために注意するべきポイントは？→最初に深々と頭を下げて謝る（初頭効果）・最後に突如深々と頭を下げて謝る（ピークエンドの法則）８セール品の売れ行きがイマイチ。値付けを見直すとしたら？→下３桁を９８０円にする（端数価格）「５０％引き」を「５割引」に変更（情緒によるヒューリスティック）「１つ買ったらもう１つ」のキャンペーンに変更する（無料の魔力）９技術にお金を出し渋る顧客からうまく支払いを引き出すには？→結果よりも時間に対して課金する（時間と価値）１０新たに始めるスポーツジムで会員を一気に増やして継続してもらうためには？→初回月額料を無料にする・会員には専用のロッカーをオプションで提供する・解約手続きを複雑にする（無料の力）１１リモートワークでもメンバーがサボらないようにするには？→実力の近い２人をペアにして仕事を与える（ピアpeer効果）１２教育係として新人と絆を深め，仕事へのコミットメントを引き出すには？→先輩として，仕事以外でも小さな親切を繰り返す（返報性・好意・敵意・譲歩・自己開示）１３チームの和を乱すメンバーから協調性を引き出すには？→仕事に対して普段思っていることを聞き合う時間を設ける・業績の目標を個人でなく全員で達成する目標にする（社会的選好）１４仕事で組ませたコンビの不和を改変するには？→もう１人メンバーを投入して３人チームにする（ナッシュ効果・三角関係の緊張）１５オフィスの整理整頓をしたいが，皆が見て見ぬ振り。どうすれば？→名指しで一人ひとりに声をかけ，褒める（傍観者効果の打破・集団への呼びかけは効果なし）１６仕事のミスに言い訳ばかり。どのように付き合う？→事前に仕事のプランをストーリーで宣言させる（回想バイアス（正当化・仕方ない））（一貫性の原理）１７新人に仕事の達成感を味わわせて，会社と仕事に愛着を持ってもらうためには？→重要だが簡単な作業を新人に任せる（イケア効果・大きなプロジェクトに参加したと思わせる）１８マネープランや投資活動で結果を出すのが難しいのはなぜ？→利益は確実に得たいが，損失は最大限に回避したい性質（プロスペクト理論・損失の悲しみは利得の喜びの２倍・損失会費制・確実性効果）１９損をしているとわかっているのにやめられないのはなぜ？→過去に費やした労力や投資が無駄になるように感じるから（サンクコスト効果・埋没費用）２０情報収集はしっかりしているはずなのに，ちっともよい銘柄に出会えないのはなぜ？→自分の都合が良い情報を重視しているから（確証バイアス）・過去の失敗を忘れて自分の計画を楽観視しているから（計画錯誤）２１感情任せの判断で，失敗しやすい人はどうするとよい？→情報収集と実際のバイバイのタイミングを分ける（真夜中のラブレター）２２値上がり中の株を見つけると，つい買いたくなるクセをやめるには？→人の意見を参考にするのを一度やめてみる・地震がある時は，自分の判断を信じる・ＳＮＳでの情報収集からいったん離れる（バンドワゴン効果・同調効果・ハーディング効果herd群れ）２３投資先の企業を見つけるときに，働きやすいバイアスとは？→自分も使っている商品を作っている会社だから・身近な人が勤めている会社だから・ＣＭでよく見る会社だから（熟知性の原理・単純接触効果またはザイアンス効果）２４「家賃を払うくらいなら住宅ローンを」は信じていいの？→終の住まいとするなら，正しいとはいえない・売却を視野に入れるなら，時と場合による（時間選好）（現在バイアス）現在の利益は事実の一部でしかない２５ダイエットを維持するために，やっておきたい準備とは？→減量に成功した事によるメリットを具体的に書き出す（現在バイアス・現状維持バイアスに対してビア効果・同調効果を使う）２６ピアノのレッスンをやめたい子どもをうまく引き留めるには？→兆優しいレベルまで戻り，短い極を中心に練習させる（エンダウド・プログレス効果：丁寧にお膳立てされた進捗がもたらす効果）２７英会話のレッスンですすめられたオンラインサロンへの入会は必要？→不安を利用したセールストーク。流されてにゅうかいすべきでない・内容をよく確認して，活用できる気持ちがあるなら入会してもよい（ハーディング効果・バンドワゴン効果）：少数派になることを恐れる不安心理２８なかなか片付かない人にモノを捨てるように促すには？→自分のモノは価値が高いと感じる感じる心理的作用があるから（保有効果・サンクコスト効果）：いま，これ持っていたいとして買いたい？２９「東大教授が認めた」とあるサプリメント。これは買い？→「東京大学の○○教授が絶賛！」有名タレントが笑顔で「私も使っています」とある商品（ハロー効果）：それが利いたら（プラシーボ効果）「５人に４人が効果を実感」とある商品（フレーミング効果）３０「５人に４人が効果を実感！」このサプリメントは，さすがに買い？→サンプルが本当に５人かも知れない！（フレーミング効果：物事のとらえ方の枠組み（フレーム）を変えて印象を違ってみせる）「有効成分が１０倍に！」：もともと少ないだろ「通販サイトでサプリメント部門１位を獲得！」：社員に一斉に買わせただろ３１無駄遣いが直らなくて困っている友人の相談に乗るとしたら？→電子マネーだけを使うようにする：出費の痛みが少ないから逆効果・お金の使い道をあらかじめ分けておく：そもそもメンタルアカウンティング（心の会計）が利いている・仕事での苦労話を話してもらう（ハウスマネー（あぶく銭）効果を抑えられる）３２子どもを読書好きに育てるためには，どのように接するといよい？→「この本は読んじゃダメ」と難しい本を読むことを禁止する（心理的リアクタンス（反抗・反発）を利用する）３３勉強に興味をもち始めた子どものやる気をされあに引き出すには？→「学校の勉強を１時間したら１００円」のようにおこづかいのルールを設ける・他の科目の勉強をしたら「すごいね！」「えらい！」とたくさん褒める（アンダーマイニング効果（土台壊し）にならないよう，外発的動機が「好きで勉強する」という内発的動機に変わるように報酬を与え続けるエンハンシング効果）【ナッジ理論】①Easy(簡単)さりげなく簡単な選択に誘導する②Attractuve(魅力的)楽しいとおトク③Social(社会性)人の選択に同調性で導きを与える④Timely(タイムリー)いまというタイミングを逃すなと伝える～面白いなぁ