星々の舟

星々の舟

702円 (税込)

3pt

家族だからさびしい。他人だからせつない──禁断の恋に悩む兄妹、他人の男ばかり好きになる末っ子、居場所を探す団塊世代の長兄と、いじめの過去から脱却できないその娘。厳格な父は戦争の傷痕を抱いて──平凡な家庭像を保ちながらも、突然訪れる残酷な破綻。性別、世代、価値観のちがう人間同士が、夜空の星々のようにそれぞれ瞬き、輝きながら「家」というひとつの舟に乗り、時の海を渡っていく。愛とは、家族とはなにか。03年直木賞受賞の、心ふるえる感動の物語。

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星々の舟 のユーザーレビュー

あなたにとっての家族とは何か?
「おいしいコーヒーの入れ方」シリーズの村山由佳さんが、とある家族を描く短編集です。「おいしい~」シリーズのようなさわやかな恋愛とは異なり、描かれる話は、近親相姦、レイプ、不倫、いじめ、戦争体験と、どれも重く、苦しい。短編は家族の一人を主人公としていて、それぞれリンクしており、全体として一つの物語という構成です。
特に長女・沙恵の視点で描かれる「ひとりしずか」では、忘れられない人(長男のことだが)との、甘く切なく苦しい恋模様は、過去の村山作品を想起させます。内容は重いですが…。
家族という一番身近にいるのに、どこまでいっても孤独なのだと、それでも前に進むしかないのだと、家族を乗せた小さな舟に例えています。読む年代によって捉え方が異なると思います。きっとこの先も読み返すだろう一冊です。第129回直木賞受賞作。

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年01月16日

    叶わない恋、叶わなかった恋、人の倫から外れた恋…と、恋愛小説がメインテーマのアンソロジーでありつつ、最終話、父・重之の戦争の話が出てきたところで思わず涙してしまった。
    恋愛模様だけではなく、家族愛や母親の無償の愛がそこかしこに感じられて、そしてどのストーリーにもさりげなく出てくる花々の描写が美しくて...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年09月06日

    水島という家族、それぞれ6人の視点から描かれた連作。重いし辛い、最後まで読めるかなと。
    内々のことは、なかなか他の人には伝わらないものだが、ある事情を除けばよくありがちな家族だと思う。ゆっくりと年月を隔て、父、母、息子たち、娘たち、息子の娘が内に抱え込んでいる悩み苦しみを主人公をかえながら綴られてい...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年03月29日

    雪虫
    子どもの神様
    ひとりしずか
    青葉闇
    雲の澪
    名の木散る

    の6章立て。
    家族6人それぞれのお話になってます。

    「幸福とは呼べぬ幸せも、あるのかもしれない。」
    両想いなのに決して報われぬ恋もある。
    人から見たら、幸福ではないかもしれない、不毛な恋かもしれない。
    その恋で自分は、苦しんで苦しんで...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年05月02日

    『普通って、なんだろう? 幸せって、なんだろう?』

    直木賞受賞作品。複雑な生い立ちを持つ家族を主人公にした連作短編集。近親相姦、不倫、性暴力、いじめ、戦争。暗闇の中から、自分らしい幸せを探し求め、苦しみながらも歩み続ける家族を描く。

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    Posted by ブクログ 2021年12月08日

    久しぶりに どっしりと心に響いた。

    「星々の舟」の響きと表紙から恋愛ものかと思ったの全然違った。4人兄妹と先妻、後妻、孫娘、父親。各々精一杯生きたんだなと思う。
    家族に大きな影響を与えた重之は戦争の傷痕を抱えていて、最終章、そうだったのかと納得しつつ、振り返れば、重之がこんな感じでなかったら4人兄...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年06月23日

    フォローしているshintak5555さんが
    教えてくれたので、読んでみました。
    最初は、私自身が「恋愛小説かぁー」と思いながら
    ダラダラ読んでいたけど、だんだんと
    「あれ?なにこれ?ヤバイ…泣ける」ってなっちゃったー。

    雪虫 (妹の沙恵が好きな暁)
    子どもの神様 (末っ子の美希は、不倫中)
    ...続きを読む

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    購入済み

    今から

    2018年02月18日

    今から読みます。

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    Posted by ブクログ 2024年03月23日

    主人公が変わっていくスタイル。
    毎主人公に感情移入してしまい、まだまだ続きが読みたくなるくらい濃い。
    でも終わり方が絶妙で、それぞれの幸せへの指針を見つけた終わり方。色々考える。
    毎回そこ?っていう語り手になってくけど終盤にはそんな気持ちがひっくり返されていることが面白かった。

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    Posted by ブクログ 2024年03月17日

    これは凄い!
    家族ひとりひとりが抱える何かしらの不幸、問題、しがらみ、トラウマ、わだかまりの中に見つけたほんのささやかな幸せ。
    それを村山さんは、なぜこんなにすんなりと読ませる?
    今のところ、村山さんのいちばん。

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    Posted by ブクログ 2023年06月25日

    兄妹は禁じられた恋にはまり、末の妹は不倫にはまり、初登場の時は常識人と思っていた長兄も実は不倫にはまり、そんな兄弟達の父は妻がいるのにお手伝いさんとの不倫にはまり。

    家族として成立しそうもない状況なのに、家族であることを取り繕っているように思えて、正直不快な作品だと思っていました。

    しかし、最終...続きを読む

    0

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