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女優・岸田今日子のはじめてのエッセイ集。劇作家・岸田国士の次女として生まれた著者が、新劇女優の世界に入り、結婚、長女誕生、離婚という道程のなかで、折々に感じたことを綴る珠玉のエッセイ。
●女優のくせにお客様の入った初日より、その前の舞台稽古の日が好きだ。大道具が組み立てられ、照明器具が吊るされ、場面ごとのあかり合わせがはじまる。もうすぐ現実とは次元のちがうあかりの中に呼び出されて、自分ではない人物を生きなければならない。それを待つ間のあの不安定な、しかも魅力的なひとときを、なんといおう。 けれどもしかしたら、俳優とは限らず、わたしたちの生活は、いつ舞台に呼び出されるかわからない、舞台稽古の日の楽屋なのだろうか。あかり合わせは、もうはじまっているのだろうか。 (著者あとがきより)
Posted by ブクログ 2017年08月25日
岸田今日子 著「あかり合わせがはじまる」、1984(S59)年11月発行、母のこと、父のこと、姉のこと、娘のこと、友達のことなどを綴ったエッセイです。著者の誕生日は天長節で、「今日のよき日は大君の~♪」から今日子となったそうですw。母親はたった一人の聞き手(娘)にとっては最高の語り手ではあるけれど、...続きを読む
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