我々はどこから来て、今どこにいるのか? 下 民主主義の野蛮な起源

我々はどこから来て、今どこにいるのか? 下 民主主義の野蛮な起源

2,400円 (税込)

12pt

3.8

ホモ・サピエンス誕生からトランプ登場までの全人類史を「家族」という視点から書き換える革命の書!

人類は、「産業革命」よりも「新石器革命」に匹敵する「人類学的な革命」の時代を生きている。「通常の人類学」は、「途上国」を対象とするが、「トッド人類学」は「先進国」を対象としている。世界史の趨勢を決定づけているのは、米国、欧州、日本という「トリアード(三極)」であり、「現在の世界的危機」と「我々の生きづらさ」の正体は、政治学、経済学ではなく、人類学によってこそ捉えられるからだ。

下巻では、「民主制」が元来、「野蛮」で「排外的」なものであることが明らかにされ、「家族」から主要国の現状とありうる未来が分析される。

「核家族」――高学歴エリートの「左派」が「体制順応派」となり、先進国の社会は分断されているが、英国のEU離脱、米国のトランプ政権誕生のように、「民主主義」の失地回復は、学歴社会から取り残された「右派」において生じている。
「共同体家族」――西側諸国は自らの利害から中国経済を過大評価し、ロシア経済を過小評価しているが、人口学的に見れば、少子高齢化が急速に進む中国の未来は暗く、ロシアの未来は明るい。
「直系家族」――「経済」を優先して「人口」を犠牲にしている日本とドイツ。東欧から人口を吸収し、国力増強を図かるドイツに対し、少子化を放置して移民も拒む日本は、国力の維持を諦め、世界から引きこもろうとしている。

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我々はどこから来て、今どこにいるのか? 下 民主主義の野蛮な起源 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    文化人類学から世界経済や社会の動向を捉えようとする意欲作。ところどころ、論理が飛躍しすぎているようにも思ったが、著者の広範な知識には驚嘆させられた。ところどころノーベル経済学賞に批判的なところが面白い。著者がフランス人の視点から記述していることが本書の魅力の一つと思う。とにかく読むのに時間がかかった

    0
    2024年04月11日

    Posted by ブクログ

    下意識、無意識を分析することから、なぜ今日の世界が形作られたかを読み解き、その洞察は難解だがとても惹きつけられるものであった。
    日本は父系社会であり、女性の地位が低いことや内向きの習俗に囚われているかぎり、衰退の末路を辿るという筆者の主張には、近年の政治・経済・教育の劣化を見る限り納得がいく。
    日本

    0
    2023年02月04日

    Posted by ブクログ

    上巻はだいぶ体力の要る読書だったが、そのおかげで下巻はすんなりと理解できた。
    アメリカ、フランス、イギリス、中国、ドイツ、ロシア、日本など、異なる家族形態や宗教、教育がたどってきた歴史をもとに、現在を読み解いている。

    個人的に興味深かったのは、教育、特に高等教育が不平等主義を後押ししているという現

    0
    2022年12月30日

    Posted by ブクログ

    いやー難しいけど面白い!
    伝統的な家族形態,初等教育,高等教育が政治システムや国の在り方までの起源となり,様々な「敵」をなぜ作るのか,なぜ必要悪なのか?
    こんなにも説明ができるものなのかと感嘆.
    最終的にどんな国家のシステムも否定しない,かつ変化の途上とするのは,読後の満足感にはつながらないけど,世

    0
    2023年04月06日

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