この部屋から東京タワーは永遠に見えない

この部屋から東京タワーは永遠に見えない

1,386円 (税込)

6pt

東京に来なかったほうが幸せだった?
Twitterで凄まじい反響を呼んだ、虚無と諦念のショートストーリー集。

「3年4組のみんな、高校卒業おめでとう。最後に先生から話をします。大型チェーン店と閉塞感のほかに何もない国道沿いのこの街を捨てて東京に出て、早稲田大学の教育学部からメーカーに入って、僻地の工場勤務でうつになって、かつて唾を吐きかけたこの街に逃げるように戻ってきた先生の、あまりに惨めな人生の話をします。」(「3年4組のみんなへ」より)

「『30までお互い独身だったら結婚しよw』。三田のさくら水産での何てことのない飲み会で彼が言ったその言葉は、勢いで入れたタトゥーみたいに、恥ずかしいことに今でも私の心にへばりついています。今日は、彼と、彼の奥さんと、二人の3歳の娘の新居である流山おおたかの森に向かっています。」(「30まで独身だったら結婚しよ」より)

「私、カッパ見たことあるんですよ。それも二回。本当ですよ。桃を持って橋を渡ると出るんです。地元で一回、あと麻布十番で。本当ですよ。川面から、顔をニュッと目のところまで突き出して、その目で、東京にしがみつくために嘘をつき、人を騙す私を、何も言わず、でも責めるようにじっと見るんですよ。」(「カッパを見たことがあるんです」より)

14万イイネに達したツイートの改題「3年4組のみんなへ」をはじめ、書き下ろしを含む20の「Twitter文学」を収録。

【推薦コメント】
面白すぎて嫉妬した。俺には絶対に書けない。
――新庄耕さん(作家,『狭小邸宅』『地面師たち』)

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この部屋から東京タワーは永遠に見えない のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2023年11月19日

    漫画で知ったけど本も面白かった。東京で青春時代を過ごした人なら必ず刺さるに違いない。港区女子とかtinderとか田舎からの早慶とかなんかワードがリアルなのよね。本当に現実にいそうな人ばかりで著者の才能がすごいわ。

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    Posted by ブクログ 2023年09月01日

    この本が「わかって」しまう人よりわからない人の方が人生楽しいんだろうな(私は前者)
    私は田舎の貧乏な家から東大を目指すも諦めて地方旧帝大に進学しましたが、同級生の地頭のよさに勝てないと悟り、将来有望そうな男の子と付き合うことで自尊心を埋めることにしました。
    就活は面接での演技力のおかげで人に自慢でき...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年05月29日

    面白いのは面白い。
    でも、なんだろ。まだ共感はできない

    地方から出てきた身として理解はできる。
    もしかしたらこれからぶつかる壁なのがしれない、
    でも私は見下す人にはなりたくない

    見下しているのか?客観視しているのか?
    これを面白いという人もなんなんだろう

    0
    購入済み

    うん

    2023年04月18日

    私がどうすることも出来ない行き詰まった時に読みました。
    もっと心がしんどくなりました。
    小説を書いてみたくなりました。

    #切ない

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    Posted by ブクログ 2024年04月30日

    WEBのゴシップ的な文章という先入観があったが、小説として成立していた。ストーリー性は無いが、各登場人物の思考というか、令和の東京を漂う様が高解像度で描かれていて面白かった。
    「人にはそれぞれの地獄がある」とコメントして炎上したアナウンサーがいたが、本書で語られる人生たちはまさに「それぞれの地獄」で...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年04月15日

    語り口調の軽い文体でサクサク読める。口にするのが憚られる気持ちを上手く言語化して、いわゆるイタイ人達のあるあるを読者に共有して共感を得てもらう事が筆者の狙いと理解した。誰しも抱えている承認欲求やルサンチマンに対し、皮肉りながらも、それを受け入れて生きていく事が人生なのだ、と自分の中で腹落ちした。特に...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年04月01日

    ずっと欲しいと思ってた1冊。期待通りでした。
    当たり前ですがいわゆるエリート層、金持ち層の人達にも葛藤や敗北体験があって、本作の良いところはとにかく解像度が高いところ。
    こういう人、本当に居るな、、という率が高い。そこが良いポイントです。

    構成は短編が10個ぐらい詰め込まれているもので、基本的にそ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年03月24日

    自らに鞭打って競り勝ったレースで切ったゴールテープの先の物語。

    若者の話、のように見えて、「標準化」され「量産」されてきた世代にこそ言葉の澱が残る作品だと思う。

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    Posted by ブクログ 2024年03月09日

    最初の方は面白いけど似たような話ばっかりで途中からもう読みたくなくなる
    学歴、出身地、育ち、容姿などにとにかくコンプレックスを持っていて東京にきても不幸な人たちの話

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    Posted by ブクログ 2023年12月24日

    夢を抱いて上京した地方出身者の挫折を、それこそ薄っぺらい会話で書き散らした感。ただ、著者の温かな眼差しとテンポ良い不思議と落ち着く「ヒロシです…ことし30になります」的な語りに引き込まれる。泉麻人さんを思い出した。

    0

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