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会社を辞めた季実は、本郷で下宿を営む祖母の家に転がり込んだ。無気力状態の季実に、「出張料理」の手伝いを頼んできたのは、同居人の桃子さん。鶏肉の旨味を吸い込んだ馬鈴薯のスープ、口の中でほろっと崩れる鮭と大葉のおむすび、甘い空豆のフリット。依頼人達の疲れた心とお腹を満たすうち季実にも変化が訪れて... ...。人情溢れる料理小説。
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Posted by ブクログ
社会人となったものの、会社を辞めて静岡の自宅に籠りきりの主人公は24歳の季実。或る日、両親から東京の本郷に独りで下宿屋を営んでいる祖母のもとへ一緒に暮らさないかとの提案を受けて上京します。しかし祖母の家には4歳年上の皆月桃子が同居していました。桃子は出張料理人で、季実は彼女が作る料理が自分の身体にじ...続きを読むわじわと伝わるのを感じます。桃子は少しずつ料理の下拵え等をさせながら、季実を出張料理のアシスタントにしていきます。色々な依頼人の自宅等で料理を作っていくのですが、この中で季実が料理を『生きるための前向きな行為だ。気力・体力がないとできない行為でもある』と捉えているのが一判印象に残りました。暫く時間が経ったら読返したい小説でした。
最初の章を読んで、よくあるパターンかなと思ってしまったが、次章から「料理をするという事」がテーマだとわかり楽しく読んだ。また桃子さんの話が読みたい。
心も体も疲れ切った人が、ていねいな料理で元気になる、という設定は珍しくないけれど、この人の描く世界は、とても心地が良い。 お料理の彩りもクリアで新鮮、人の描き方もとてもやさしい。 本郷の下宿屋さん、というのがまた良いじゃないですか! 本郷・・・文豪の匂いがする。 レトロな洋館風、ステンドグラスのは...続きを読むまった窓。 昭和だ! 季実(きみ)は、ブラックな会社に疲れ果て、無職無気力な生活を送り、自己嫌悪に陥っていた。 見かねた母が、東京のすみれおばあちゃんのところへ行かないか、と勧める。 そこで、出張料理人をしている、皆月桃子(みなづき ももこ)と出会う。 おばあちゃんの下宿屋さんの、ただ一人の下宿人である。 ろくでなし親父、母親蒸発、二十三歳でバツイチになったという彼女だが、清潔でツヤツヤしていて、そんな不幸を感じさせない、小柄なのに不思議な存在感。 ・如月 始まりのおむすび 心と体を癒すやさしい味が喉を滑り落ちる ・弥生 情熱のポモドーロ 頑張りすぎて料理を嫌いにならないで ・卯月 夢のランチボックス 自分で作ってみれば、愛情のありかは何処にあるか分かります ・皐月 別れの食卓 傘をありがとう。料理を教えてくれてありがとう。 季実が主人公なのかと思ったら、意外と桃子? ハンサム、からの関西弁の元夫も悪い人ではなさそうで・・・ さつきさんは切なかったです。 「さつき」の次は「みなづき」だけど、その次は「ふみづき」じゃなくて「きみ」なのかなあ・・・
「食べる」って大事なんだなぁと改めて実感。 作ることって生産性があって、ちゃんとしてるっていう実感確かにわくかも。 話の筋とはずれるけど、この作者さんの料理本出ないかなぁ。この人の描く料理ってどれも丁寧で美味しそうなんだよね。
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