ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
5pt
旧態依然のイメージで語られ続ける霞が関官僚の職業実態を示し,職業としての官僚が国民や政治に対し担うべき役割,現状をあるべき官僚像に近づける方途を,政官関係の歴史的変遷,各国比較などを交えながら考える.メディアでのバッシングや政治主導の掛け声だけに満足せず,我が事として官僚を見つめる必要を説く.
ブラウザ試し読み
アプリ試し読みはこちら
Posted by ブクログ
人事院出身の研究者が、自身の経験を交えながら、「官僚」のこれまで・いま・これからのあるべき姿を論じている。諸外国の官僚事情を知る機会はなかなかないので興味深いし、筆者が天職として官僚を選んでもらうにはどうしたらいいか、について熱く考えているのが窺えるのも面白い。 これからの官僚制のあり方についての...続きを読む提言めいたものも提示されており、すごく雑に要約すると以下のようになる。すなわち、民間労働市場との関係も考えた際に、霞ヶ関の人材リソースに全ての押し付けるの無理であり、何を官僚に任せ/何を任せないのか、を整理する必要がある、そして国民の側は自らにもその整理のための責務の一端があることを認識し、それを意識した政治選択をすべき、とのこと。 元官僚だから官僚に対して甘いのか、と一瞬思うが、必ずしもそういうわけではなく、たとえば、ウェーバーを引いて、官僚に「感情の排除」を求めるが「思考停止」はするな(つまり、自分の感情で物事を決めちゃいけないけど、だからといって道義にもとる判断を見過ごすようなこと等はするな)と忠告している。 官僚の人生を導くデーモン、として紹介されている現役幹部官僚の声はひたすら熱い。毎日じゃなくていいけど、現場の官僚とこういう話ができるといいね。
人事院勤務の後、京大公共政策大学院教授に転じた著者が、官僚という職業をめぐる実像、理念とその達成への道筋を示す。人事制度を中心とした官僚の実態の過去と現在の比較、欧米諸国との比較、官僚論の変遷など、バランスよく官僚について考えるための材料を提供している。 より良い官僚制の実現に向けた具体的示唆として...続きを読む挙げられている、①政官関係・労働市場双方への目配り、②「自分と同じ生身の人間」への視点、③政治丸投げに代わる日常的関与、④限られた資源の直視という4点は、いずれも宜なるかなと感じた。
とかく批判されがちな日本の官僚ではあるが、各国の状況を見渡すと官僚機構そのものの持つ構造的な難しさが存在することが分かった。 経済合理性、市場原理だけではうまく機能しない、国への忠誠、政治家との関係など。 一方で日本の官僚特有の問題でも浮かび上がってくる。これは官僚に限らず日本の組織全般に当てはま...続きを読むる 問題と感じた。 業務分掌が曖昧なことによる業務量と人的リソースのアンバランス、報酬体系やインセンティブ構造を無視した責任追求など。 これからどんどんと下り坂に向かっていく日本という国家。これを何とか維持してターンアラウンドさせるためにも官僚の力は不可欠に思う。ただの政治家の人気取りに終わることのない意味のある改革が続けられるよう、一国民として建設的な姿勢で応援したい。
いかにも人事院の官僚らしい書きっぷり。読者のほとんどは人事院に務める人と関わったことないだろうから、私は稀有な経験を多くしているなあとこれまでの職業人生を振り返る。
国会公務員の概観、制度と実態、改革により起きた変化を功罪含めて比較的ニュートラルに分析。 後段は政官の役割、より良い制度への考察をするが一朝一夕でない結論。
京大を卒業後、霞ヶ関の裏方・「人事院」に33年間勤め、母校の京大教授に転じた著者による日本の官僚論。「官僚という職業」の紹介ではないので、「官僚がどんな風に仕事しているのか」を経験から教えてくれるような内容では全くありません。官僚の姿を俯瞰的に眺めてあるべき姿を探る学術書的な一冊です。 近代官僚とい...続きを読むう仕組みの歴史を主要各国の状況も参考にしつつ、バブル崩壊後の平成30年を通した日本の「公務員改革」の結果などをまとめてくれています。 新書とは言え決して読みやすいとは言えないので、各章の「小括」と、最後の「結び」だけ読んでも良いかと思う。終盤の官僚を臨床医に喩えた部分などは分かりやすかった。
過去や海外と比較しても、政治と密接にリンクされた責任だけ強化されて身分保障が剥がされていっているイメージ。。日本の官僚これでいいのか?
総合職試験では、合格者総数が採用予定数の約3倍。採用されないほうが多い。婚活に近い。合格すれば3年間有効。 かつては、省庁内での長期選抜制度、任期付き任用や官民交流、経験者採用はない。超過勤務手当予算はモラルハザードになるという理由で引き上げられなかったため、サービス残業があたりまえとなった。10...続きを読む0時間以上残業しても手当は22時間分。朝はルーズ、昼も長めにとる。超勤手当を払っていないので時間管理はルーズだった。50代前半までには事務次官候補を残して退職する。天下り。上級職以外は定年まで勤めることが普通。 2031年には、定年65歳となる。民主党政権下で事務次官会見がなくなり、受身になる状況が生じた。橋本行革から、権限の分捕り合戦から、相手に仕事を押し付ける消極的権限争いに代わった。政策立案に携われるのは課長級から。以前は課長補佐あたりから。残業代は100%子宮になった。採用の決め手は、試験席次よりも、今後の使命感があるか、バランス感覚の良さ。採用後の働きで本省課長にならないⅠ種総合職採用も増えている。 公務員改革は、橋本政権の行政改革から。小泉政権、第一次安倍内閣、民主党政権、第二次安倍内閣へと続く。 幹部人事一元管理の導入。内閣人事局ができたことで仕事ぶりが変わった。上にモノいわないほうが有利。最近は、価値判断は政治、粛々と実施すること、と割り切った世代が多い。 フランスは大戦直後にENAが創設された。今は特権的な制度として解体が進んでいる。 ドイツでは官僚は司会的評価は高く、魅力的と受け止められている。 アメリカは政治任用との差が大きく、官僚は学生の人気はない。良質な公務員制度とはいえないのではないか。 アメリカは、開放型で政治任用が多い。 ドイツ、フランスは内部育成型、政治任用はフランスは多め。 イギリスは、開放型へ変化。政治任用は少ない。 日本は、内部育成、政治任用なし。 フランスドイツは、入り口で幹部候補が決まっている。日本は採用後の実績で逆転もあり得る。 フランスはENA、ポリテク入学段階から給料が支払われる。最近改革が進んでいる。フランスは官僚身分を持ちつつ政界や企業に移り、また復帰、などが頻繁。 アメリカは、政策立案は政治任用者が行う。職業官吏制を嫌った。下位ポストは成績主義。公募に応募する必要がある。 日本の幹部の多くは専門性がない。特定分野への精通は昇進の妨げになる。 日本では官僚への過剰な期待がある。小さな政府=個々人の職分が明確でないため人数を増やす根拠がない。人事権者への過度の忖度。幹部人事一元管理により、2014年からは忖度する相手は総理と内閣官房長官に行こうした。 誰もが官僚制を非難するくせに、自分が必要とするすべてを求める。18世紀半ばから続いている。 ウェーバーの官僚制研究 規則による権限分配、階層性、私生活からの分離、専門教育を前提とする職務活動、専業と契約労働、規則に基づく職務追行、 政治の背後には正当な暴力(強制力)という特殊な手段が控えている。 官僚制はみんしゅしゅぎのごうりてききけつだが、感情による攻撃も伴うもの。 クレーバーの『官僚制のユートピア』官僚制に代わる至上主義、経営主義の強調は、新たな規則化につながる。
レビューをもっと見る
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
新刊やセール情報をお知らせします。
職業としての官僚
新刊情報をお知らせします。
嶋田博子
フォロー機能について
「岩波新書」の最新刊一覧へ
「社会・政治」無料一覧へ
「社会・政治」ランキングの一覧へ
官僚の没落
「嶋田博子」のこれもおすすめ一覧へ
▲職業としての官僚 ページトップヘ