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冬子は29歳の妊婦。なぜか十月十日を過ぎても生まれる気配はまったく、ない。1年目、2年目と順調に膨らみ続けたお腹は、まるで小山のよう。夫は「元カレに宇宙人とかいないよね?」と疑いの目を向け、マスコミや医学界はツチノコ級の珍獣扱いをし始め、奔放な妹は姉を助けようとしてますます騒動を巻き起こす…。冬子のお腹は、そして胎内の赤ちゃんは一体どうなってしまうの!? 女優であり本作の映画化で監督デビューを果たした著者の、キュートでパンクな処女小説!
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三年身籠もった冬子と彼女の妹である緑子の話。
SFでもファンタジーでもないし、伊達や酔狂でもない説得力をこの三年身籠る小説から感じるのは、冬子のとる行動の突飛さ、そのわからなさ加減が、僕が女性に対してわからないと感じるときのイメージと重なるから。
Posted by ブクログ
まごうことなき妊婦の冬子。しかし腹の子は十月十日を過ぎても出てくる気配はない。
不倫夫だった徹。冬子の妹のパンク娘・緑子。そして緑子の恋人で医学生の海くん。に、巻き起こるひとつの物語。
私のいちばん身近な子持ちは姉で、ここ数年友人でも数人出産した人がいて思うのは、妊娠して出産するまでにたくさん心構えをしたつもりでいても、実際産まれてみなきゃ分からないことの方が多くて、悩んで辛い思いをして果てはノイローゼになりかけたりもして、少しずつ母親になっていくのだろうということ。
私だってもう子どもの一人や二人いてもおかしくない年齢だけど、もし今妊娠したとして、手放しで喜べる自信はない。
この物語に出てくる夫婦も、年齢的にはとっくに大人だけど大人になりきれていなくて、お腹に子が宿っても心の準備がしきれていなくて、周りも何だかがちゃがちゃしていて、そんな中お腹の子が空気を読んで(?)お腹にとどまってしまっているという、ファンタジーなんだけど現実めいた不思議なお話だった。
著者の唯野さんは女優さんだそうで、検索してみたら「あ!観たことある!」と思った。キラリと光る脇役的な女優さん。
女性特有の感覚で綴られた物語かもしれないけれど、からりと乾いていて女臭くはなかった。それがとてもよかった。
何より妹の緑子がキュートだった。
今で言うと…自分の置かれた状況とかは別にして、政治的な意味合いで、新しく子どもを産んでいいものかどうか悩んでしまう世の中になってしまったと思う。
最初から色んなことが不安なのに、さらに不安要素が増えてしまっていることが悲しい。
自分のなかの不安だけと闘える状況は、本当はとても幸せなのかも、と思った。
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小説・文芸
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