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金沢を舞台に旧制四高生・片口安吉の青春の光と影を描く「歌のわかれ」、敗戦直後、天皇感情を問うた「五勺の酒」。この二篇のほか、「村の家」「萩のもんかきや」など著者の代表的な短篇七篇を収める。詩篇「歌」、自作をめぐる随筆を併録。文庫オリジナル。
〈巻末エッセイ〉石井桃子・安岡章太郎・北杜夫・野坂昭如
■目次
歌(詩)
【Ⅰ】
歌のわかれ/春さきの風/村の家/広重/米配給所は残るか/第三班長と木島一等兵/軍楽/五勺の酒/萩のもんかきや
【Ⅱ】
「春さきの風」「五勺の酒」の線/「春さきの風」のとき/「第三班長と木島一等兵」おぼえがき/五十年まえと三十年まえ
【中野重治をめぐって】
ある機縁(石井桃子)/我慢と律義と剽軽と(安岡章太郎)/「茂吉ノート」など(北杜夫)/青春の書(野坂昭如)
Posted by ブクログ 2022年07月11日
「歌」
リアリズムこそが文学の至上目的であり
その実現のためには
センチメンタルやメランコリーを排除しなければならないという
若き作者の決意表明をしたためたポエム
「おまえは歌うな」という衝撃的な出だしが印象に残る
まあイキってますね
堀辰雄も参加していた「驢馬」という同人誌に発表されたもの
「歌...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年06月20日
1945年敗戦後、共産党から参議院選に立候補している頃の短篇作品
天皇と戦争責任についてなどを発表していた著者だが、この作品を読むと、天皇に対してひとりの人間としての切なさや辛さを背負い込ませる、日本国民としての憐憫の情が伝わってくる
なぜ、ひとりの人間が 私は神ではない などと言わせられなき...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年02月10日
「民主と愛国」に中野重治が大分出て来たのでそこから。
戦前の作品は発禁や伏せ字にならなかったのかな、と。
「五勺の酒」は戦後すぐの共産党員でもそういう感情になるのか、と。
ただ一番面白かったのは野坂昭如の巻末エッセイの一節、野坂の本を友人に託して中野に渡した後の友人とのやり取り。
友人:御本人...続きを読む
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