薔薇の葬列（電子復刻版）

勝目梓

ルポライターの滝野恭平は、ある日、マンションから男が墜落するのを目撃した。その数日後、妻の令子が出産したが、赤ん坊は黒い肌をしていた！ そして、妻と子は何者かに拉致されてしまったのだ。傷心の日をすごす滝野に、やがて得体の知れぬメッセージが送られてきた。一体、これらの不条理な事件は何を意味するのだ？ 俺が何をしたというのだ？現代の戦慄を描きつづける著者の代表作。

• カテゴリ: 小説・文芸
• ジャンル: 小説 / 国内小説
• 出版社: 徳間書店
• 掲載誌・レーベル: 徳間文庫
• ページ数: 349ページ
• 電子版発売日: 2011年01月31日
• コンテンツ形式: XMDF
• サイズ(目安): 1MB

[ブクログ · ★★★☆☆]

ルポ・ライターの滝野恭平は、妻の令子が生んだ子どもが黒人とのハーフであったことを知り、ショックを受けます。新婚旅行の最中に、令子は黒人の男に襲われていたのです。滝野は世間体を慮ってこのことをかくそうとしますが、何者かが事実を突き止め、滝野を脅迫します。

滝野は、ビルから落ちて死んだ小野田幸二という男の最期を目撃していました。小野田は、死の間際になにごとかを話そうとしますが、警察は自殺として処理していました。脅迫者は、そのことを黙っているように滝野に命じたのです。一方、自分の生んだ子どもを手放したくない令子は、滝野のもとから去っていきますが、彼女の身柄が何者かによって拉致されてしまいます。

太平洋物産に務める花田剛の妻の登紀子は、佐川という男と不倫関係にありました。二人が運転する車の前に黒人の男の身体が投げ出され、登紀子は不倫の発覚を恐れてひき逃げしてしまいます。しかし彼女もまた、土橋という男に脅迫されます。土橋は、登紀子の夫がかかわっている仕事の情報をわたすように、彼女にせまったのです。

令子のゆくえを追っていた滝野は、自分のかかわっている事件と、登紀子の身に起こった出来事が関係していることを突き止め、事件に深入りしていくことになります。

この著者らしい、エロスとヴァイオレンスの横溢したストーリーとなっています。