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ある夏、ある少女の「1か月」。 いつかどこかに存在したあらゆる一瞬の堆積が、鮮やかに立ち上がる。 第58回群像新人文学賞受賞作。期待の書き手のデビュー作がついに文庫化。
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Posted by ブクログ
そういえば、私も少女だった!いまもなお、ふとした時にあらわれて、平凡なおばさんになった私を苦しめます(笑)読んでいて気持ち良すぎてびっくりした。とてもすき。ありがとう。
1行で終わるところを3、4行かけて描写する。そして匂わせるばかりではっきり描かない所はこの手の作品を読みなれない人には何を読まされてるのか?となるかも。好きな人にはたまらない。
「ミック・エイバリーのアンダーパンツ」で果てしのない饒舌さに挫折し、「皆のあらしばり」を会話の応酬の末のストーリを堪能し、なんだか知らないうちに気になる作家No.1になってしまった乗代雄介。次なるターゲットは「旅する練習」と決めていましたが、文庫でデビュー作を見つけ、途中下車読書しました。第58回群...続きを読む像新人文学賞受賞の作品ということです。デビュー作には、その作家の特質がすべて込められている、と誰かが言っていたような、言っていなかったような…しかし、この「十七八より」には乗代雄介の作家としての文学観が決意表明として表されているような気がしました。(すいません、読み始めたばっかりなのに、すべてを知っているような言い方、まずいですね…)感じたのは「ミック・エイボリーのアンダーパンツ」と「皆のあらしぼり」の真ん中に位置する小説であるということ。世の中での自分の置き方を持て余している若者と、独特な自分を社会の中で飼いならして来た年長者とのスペシャルな関係。答えの用意されていない溢れ変える感情。そして、その感情の入れ物になったり、物差しになったりする文学作品。これ、今のところの乗代フォーマット。たぶん、作者はこうやって文学や文章と付合って来たのかもしれません。「あの少女」は作者です、きっと。
ブログの方のミック・エイヴォリーのアンダーパンツの方を過去に時折読んでおり、素っ頓狂な発想と文章に感心していた。 その著者の小説デビュー作が文庫になったので読んでみたのだが、これまた内容よりも文章主体の一風変わった作品。巻末の評にある通り衒学的でもってまわった表現、ともすれば読みにくい翻訳小説の如き...続きを読む文体で彩られている。やたらめったら描写の細かい挿入エピソードや作中作などは先のブログから引っ張ってきたかのよう。 小説に結末を期待する人には受け入れにくいかもしれないが、文体を愉しむという点では申し分なし。「あの少女」の振舞を自らに当て嵌めたり、考察したりなど野暮なことはするまい。
評価の難しい本。小難しい表現を折り重ねていて、決して読みやすい文章ではない。それでいてそんな表現の向こうに17、8歳の少女の微妙に揺れ動く心情が垣間見える。そんな小説です。
一言でいえばすごく難しい。 言葉遊びにずっと付き合わされているようですごく難解。 しかし、意味など理解するのではなく真っ正面から思春期の女子の揺れに付き合うべきなのかとも思った。(著者は男性だが…) 揺れ、危うさ、幼さゆえの冒険… すべてが十七八というタイトルに込められているようにも思う。 しか...続きを読むしやはり難解である。
なんでしょうねぇ、この表紙の写真 岡上淑子 「ダンス」1951年 1950年からわずか6年間のみ美術界に姿を現し、幻の作家とも言われている彼女のコラージュ作品 最初に叔母の亡くなる時の話がある。 主人公は女子高生。過激な事をわざと口走ってしまったりし、学校で嫌な事が起こると帰りに寄る、叔母のいる...続きを読む眼科の受付 叔母は相談に乗るようで、解決してるのかどうか私にはわからない。 叔母との関係は「口に放り込んで味わいかける瞬間のあめ玉のように気を逸らす役割を担っていた」らしい 文学に詳しく、相談した時の返事も文学から。 古文教師の朗読会での教師と生徒の関係、そしてそこにいる男子1名。この男子が、自分は邪魔だから…といったあとに言うセリフが好きです。 その他家族のシーン、病院のシーンなど色々細かい描写が良かったです。 どちらにしてもどの話にも結論はなく、それが文学っちゃあ文学なんですが、もやもやは残るかも この主人公家族は、この後の作品、『最高の任務』にまた出てきます。 このおばさんとちょっと喋ってみたい。
第58回群像新人文学賞受賞作。デビュー作。 芥川賞候補『旅する練習』は既読、『皆のあらばしり』は冒頭10頁既読、で本作にいざ挑戦! あれ?これは乗代さん?文体が既読の作品と全然違って翻訳の直訳文のような文章…という戸惑いを隠せないまま読み進める。 文学好きのある少女(阿佐美景子)の、叔母とのや...続きを読むり取りを軸に置いた他愛のない日常。「少女」は、弟の「姉」であり、叔母の「姪」であり、主語が場面によって変わる上に、文章自体もなかなか独特かつ難解。 家族の前では茶目っ気もあり、教師とのやり取りでは時に大人びていたり、病院の待合では不可解な大人に怯えたり…。少女の日常はありふれた事が次々に起こって時間が過ぎていく。 太宰の『女生徒』を思い出しました。いつの時代も女子の頭の中ではくるくると言葉が生まれるんですね。 高橋源一郎さん、多和田葉子さん、辻原登さんの選評が掲載されています。特に辻原さんの 「この中身のない小説を受賞作として強く推した」というのはとても理解できます。一文読むたびに「才能の塊や…」と感じるんですが、その塊が延々と置いてあってそれを拾っているうちに道に迷わされている読書体験でした。読む人を選ぶ作品ではあると思いますが、面白かったです。 #十七八より #NetGalleyJP
わざと書き落とされている内容が所々あった。読みにくいと思ったが焼肉屋の場面と病院の場面のやり取りは引き込まれるものがあった。
十七八って、青春謳歌って言うけれど、実際はもっとおどろおどろしくて、混沌としていたことを思い出させる。 彼女?少女?姉?みたいな文学少女は、こういう方向なんだろうけれど、方向や志向が違ってもきっとこういうことなんだという雰囲気は感じられた。 正直、ずっと頭が晴れる感じはなかったが、やめられない文...続きを読む章だった。
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