物価とは何か

物価とは何か

2,090円 (税込)

10pt

あのバブル絶頂時、そしてその崩壊、いずれのときも意外なほどに物価は動かなかった。それはなぜか?
お菓子がどんどん小さくなっている……なぜ企業は値上げを避けるのか?
インフレもデフレも気分次第!?
物価は「作る」ものだった?

経済というものの核心に迫るための最重要キーである、物価という概念。
国内第一人者が初歩の初歩から徹底的にわかりやすく説き起こし、社会にくらす私たち全員にとって、本当に知るべき経済学のエッセンスを教える、画期的入門書の登場!

ハイパーインフレやデフレと闘う中央銀行や政府の実務家(ポリシーメーカー)たちは、何を考え何をしているのか。
それらの成果と教訓を研究者たちはどのように学び、理論を発展させてきたか。
私たちの生活そのものと直結する、生きた学問としての経済学が立ち上がっていく様を生き生きと描く!
学問としてのマクロ経済学を希求する、真摯な社会科学探究。

インフレもデフレもない安定した社会は、実現できるのか。
その大きな問いにこたえようとする、エキサイティングな一冊!

【本書より】
個々の商品の価格が、売り手や買い手の個別の事情を適切に反映して動くのは、自然なことです。そして、個々の価格は忙しく動きまわるけれど全体としてみると安定している、というのが健全な姿です。ただ、同じ「全体が動かない」場合でも、個々の価格がまったく動かず、その当然の帰結として全体も動かないということもあり得ます。しかしそれは病的だと言えるでしょう。(中略)売り手や買い手の事情で価格が上がり下がりするという、経済の健全な動きが止まっていたら、それは異変とみるべきです。後で詳しく述べますが、今の日本経済はこれに近い状態だと私はみています。

【主な内容】
はじめに
第1章 物価から何がわかるのか
第2章 何が物価を動かすのか
第3章 物価は制御できるのか――進化する理論、変化する政策
第4章 なぜデフレから抜け出せないのか――動かぬ物価の謎
第5章 物価理論はどうなっていくのか――インフレもデフレもない社会を目指して
おわりに

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物価とは何か のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    日銀から東京大学教授を経験された著者が物価とは何か?を数式なしで分かりやすくまとめてくれている本著。マクロとミクロで考える思考が非常に参考になった。

    0
    2024年01月04日

    Posted by ブクログ

    ゆる言語学ラジオでおすすめされていたので購入。物価について、経済学の研究者である著者が一般向けに書いています。価格の硬直性、デフレの原因など、過去に実際に起きた現象、とくに直近の日本のデフレをテーマにその原理となる仮説がわかりやすかったです。人々の予想によって物価が決まっていて、それに働きかけること

    0
    2023年12月10日

    Posted by ブクログ

    個人的に今まで読んだ学術書の中で1位。

    歴史、経済、金融、心理学など興味あるものはかじってきた人ですが、物価という身近すぎて気にしたことがなかったのですごく面白かったです。

    今日本に住んでいて、デフレと言われてはいるものの、個人の体感としては物価は上がっていると感じていました。
    じゃあそのデフレ

    0
    2023年11月22日

    Posted by ブクログ

    ◯巨額の債務があるにもかかわらず、貨幣の魅力が決済サービスのみに由来するという伝統的な考え方に固執しているという点で、日本とブラジルは同じ間違いを犯している(34p)

    ◯Xが低すぎる場合には、臨界点を超えると対応不能であり、その予想を潰せません。この意味で、中央銀行が物価をコントロールする能力は、

    0
    2023年05月07日

    Posted by ブクログ

    名著。筆者は研究者であるが物価理論という雲を掴むような理論を素人にも分かりやすくアウトプットする能力に著しく長けている。ページを読み進めるごとに目から鱗が落ちる感覚を味わった。また、コロナでインフレが起こることを予言する先見の明からも分かる通り研究者としての知見見識も目を見張るものがある。
    堅苦しい

    0
    2023年05月05日

    Posted by ブクログ

    経済学の学説と学説のつながり、歴史、関連する事項などが、頭の中でピタッとはまる感覚。
    ページをめくる度に目から鱗が落ちてきた。
    素晴らしい名著。

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    2023年04月12日

    Posted by ブクログ

    出版直後に入手していたものの一字一句理解しようと読んでは戻り読んでは戻りしてようやく読み終わった。
    これまで読んだ経済関連の本で一番と言っても良いのではないだろうか。経済学は社会科学の女王と称されるだけあって研究者も高尚で高貴というのが否めないが、筆者は研究のレベルの高さとは逆な意味での庶民視点が感

    0
    2023年03月26日

    Posted by ブクログ

    日本はデフレ脱却を目指し苦しんでいた。昨今は物価が上がりインフレ基調にある。デフレに慣れてしまき価格硬直性のため反発が大きいが、長い目で見るとこのインフレは必然なのかもしれない。今のところ急激といえるほどのインフレではないけど、日銀や政府は対策を迫られている。これも今までのデフレの影響が大きいのかも

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    2023年02月26日

    Posted by ブクログ

    経済について勉強したいと思い、経済の本を読もうと挑戦してきたが、何度も挫折しできた。しかしこの本は最後まで読むことができた。

    物価について、蚊柱に例えて説明していたのが大変わかりやすかった。(著者のアイデアではないそうだが)一匹一匹の蚊が個々の値段を表しており、それぞれの上下運動が価格の変動だ。個

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    2023年01月16日

    Posted by ブクログ

    2021年の本なのでコロナ禍を踏まえた比較的新しい現状についての記述されているか、2022年に始まったインフレについての記述はない。エネルギー問題、コロナによるサプライチェーン縮小、需要増大が原因とされているが著者の見解を聞きたい。
    本の内容は、物価を決めるのは人々の予想であり、人々の予想をどうコン

    0
    2023年01月15日

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