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バイオエシックス(生命倫理学)とは、1970年代以降、生命科学のめざましい発達に伴って生まれた新しい学問である。医療技術について、その安全性や許容基準を判断することを目的に、欧米圏を中心にして成立した。 従来のバイオエシックスの原則は、「成人で判断能力のある者は、自分の身体と生命の質について、他人に危害を加えないかぎり、自己決定の権利を持つ」ということであった。
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Posted by ブクログ
タイトルになっている脳死・クローン・遺伝子治療について、生命倫理学の基本的な考え方を解説している本です。 具体的な問題から倫理学的な原則がどのように抽出されるのかを手際よく説明しており、「バイオエシックスの練習問題」というサブタイトルが示すように、読者にとって啓発的な内容になっているように思います...続きを読む。 脳死・クローン・遺伝子治療といったテーマは、いずれも非常に具体的で私たちの実感に訴えかけてくるような問題であるだけに、小松美彦や森岡正博らのラディカルな生命倫理学批判の議論に感心させられてしまうことが多いように思います。本書には、それらの論者のような派手さはないものの、生命倫理学の基本的な考え方がどのような枠組みに基づいているのかということを一つひとつていねいに確かめていくことのできる良書だと思います。
うろ覚えのレビュー。 臓器移植・遺伝子治療・クローンが医療技術の進歩により可能になりつつある中で、それぞれの医療行為が倫理的に許容されうるか議論している内容。 これらの医療行為の問題点として挙げられるのが ・医療を受ける決定を行うのが患者本人で無いことがある(障害を持つと診断された胎児 etc....続きを読む) ・遺伝子疾患は患者数が少ない物も多く医療費、研究費配分が不平等になり得る(数人しか患者のいない疾患は研究費が集められないetc.) ということ。 この本の中で何かしらの「結論」を述べているわけではなく、多様な視点から実際に起きた事例を挙げつつ問題を考察している。
倫理的な議論をするときに、個人の好悪なのか、倫理的な観点なのか、法律的な観点から話をしているのかきちんと区別をしておかないと議論がまとまらないことがわかった.特に脳死の話.
11/07/14。 バイオエシックスは、自由主義思想の延長にある。しかしそれでも問題を抱えている。さてどう解決すべきか?という問題。
フォトリーディング& 高速リーディング。性転換についての意見に納得。実に論理的かつ聖書的。速読しないなら積ん読になっていた本。医療を倫理面から論じた書。
タイトルのとおり、脳死とクローンについてコンパクトに書かれてあっていい本です。遺伝子治療は独立した章ではなく、脳死との関連で書かれているのが中心だと思います。特に、クローンについて反対意見が簡潔にまとめてあって勉強になりました。根拠をもってクローンに反対するのは至難の業です。
生命倫理学の基礎として、医学者以外の立場で整理したものとして貴重である。 医療については、医者が専門家なのだから、医者が決めるという傾向が強かった。 自己決定権の大切さを提起している。患者の権利の章もある。 本書は、一つの立場であるので、医者、看護婦の医療従事者の視点での情報も合わせて読むとよ...続きを読むい。
[ 内容 ] 「成人で判断能力のある者は、自分の身体と生命の質について、他人に危険を加えないかぎり、自己決定の権利を持つ」というのが、従来のバイオエシックス(生命倫理学)の原則であった。 しかし、私の遺体についての決定権を持つのは私なのか家族なのか? クローン人間の製造はなぜ規制されなければならない...続きを読むのか? 等々、最新技術が提起する様々な課題は、もはや、従来の自由主義・個人主義では判断ができない。 本書では、これらの問題の複雑な論点を整理し、バイオエシックスの新たな枠組みを提示する。 [ 目次 ] 序章 バイオエシックスとは何か 第1章 脳死と臓器移植 第2章 性と生殖の倫理 第3章 クローン人間の練習問題 第4章 患者の権利 第5章 遺伝子治療と人類の未来 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
生命倫理学におけるひと通りの議論は網羅できた。主張内容そのものに同意できるというのではなく、議論の叩き台として適切だったように思う。 最終的には自然主義的帰結になり、またそこに至る過程も腑に落ちない流れであったように思う。
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脳死・クローン・遺伝子治療
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