通天閣

通天閣

550円 (税込)

2pt

『さくら』で彗星のように華やかなデビューを飾った西加奈子の第4作にあたる長編小説。冬の大阪ミナミの町を舞台にして、若々しく勢いのある文体で、人情の機微がていねいに描かれていく。天性の物語作者ならではの語り口に、最初から最後までグイグイと引き込まれるように読み進み、クライマックスでは深い感動が訪れる。このしょーもない世の中に、救いようのない人生に、ささやかだけど暖かい灯をともす絶望と再生の物語。この作品で第24回織田作之助賞を受賞している。

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通天閣 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    登場人物2人とも、自分のことを棚に上げて文句ばっかり言ってました。笑 だけど、ぶつぶつ言いながらも側から見ると実は素直で、少しだけ人に優しくて、何より精一杯生きていて、とても愛らしい2人です。通天閣の周りにはこんな些細な人情劇がほんとに溢れてそうです。作者のリアルな書き振りに感心しました。

    0
    2024年05月05日

    Posted by ブクログ

    愛されるためには愛すること。
    遠くにいる他人を幸せにするんじゃなく
    身近にいる人を大切にすること。

    現実はドラマみたいに派手じゃないし
    突然奇跡が起こって何もかも変わる!
    なんてことはないけど
    毎日コツコツ生きていくことも悪くないなあと
    そんな私の毎日を肯定してくれる小説でした

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    2024年02月23日

    Posted by ブクログ

    大好きな西加奈子さんの本の中で、一番声に出して笑った本。シュールなのだけど、笑うしかないといったような本だった。こんなのが書けるってすごいと思う。

    0
    2019年12月10日

    Posted by ブクログ

    何度読んでもじわっとくる通天閣
    通天閣には2回しか行ったことがないけれど、あの雰囲気、わかるわかる。

    よし、なんでもいいや、とりあえずまた今日も頑張ろう、と思える

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    2024年02月26日

    Posted by ブクログ

    複数視点の物語としては最小の二人という設定。その人生が微妙に交錯するのかしないのか、というところに物語の肝があるのだが、個人的には夢の描写が、心模様を微妙に反映していて、上手いなあと思った。

    0
    2023年07月23日

    Posted by ブクログ

    2人の登場人物の視点から、交互に物語が展開していく。最近の小説に多用されているパターン。
    40歳台独身で工場勤務の男性と、20歳代で恋人と遠距離恋愛をする女性。
    自分が大阪で生まれ育ったので、登場する大阪弁が親しみを産み、楽しく読み進めることができた。
    自分のことで精いっぱいで、思い通りにいかず、満

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    2022年12月16日

    Posted by ブクログ

    どうしようもない人達だなと穿った見方をしそうになるが、それぞれの人生であり他人がどうこうつけ入る必要なんてないなと思わされた。特にジジイの存在が良いなと思った。

    通天閣にしか醸し出せないあのチープさというか生々しさがあいまってよかった。

    0
    2022年12月12日

    Posted by ブクログ

    薄汚れた街で惰性で一日を過ごす二人の主人公。この手のストーリーは読むスピードが遅くなったり読むのをやめてしまうこともあるが、気がつけば主人公の目線になって薄汚れた街に立っている錯覚に陥る自分がいる。西加奈子さんの独特な表現力にぐいぐいと引き込まれてしまうのだろう。「今、窓から見る夕暮れは、だらりとだ

    0
    2022年08月09日

    Posted by ブクログ

    スナックのチーフをしている若い女と「ライト兄弟」という100均の商品を作る工場勤めの男の話が交互に描かれる。若い女は同棲していた彼氏がニューヨークへ行き、「私たちは別れたわけではない」と日々呪文のように唱えながら、彼氏に哀れんでもらうために、クソのようなスナックで、泥のように生きている。
    男は、若い

    0
    2022年03月14日

    Posted by ブクログ

    あなたは「通天閣」を知っているでしょうか?

    1956年に竣工し、年間に100万人以上もの人々が訪れる大阪のシンボルとも言えるその建物。バベルの塔に象徴されるように、人は天に向かって高く伸びていく建物に心動かされるものがあります。私たちは、そんな建物を見上げます。しかし、建物から見れば、足元の街の

    0
    2021年12月18日

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