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草創期の脆弱な鎌倉幕府をまとめ上げていたのは、“情に厚い”親分肌の源頼朝の個性だった! 従来の頼朝像を一変させる刺激的な論考。さらに2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の主人公・北条義時についても頼朝の後継者として詳しく言及している。
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Posted by ブクログ
やー、おもしろいわぁ。これはいい。わかりやすい。現代の私たちに置き換えて説明してくれるから、頭での理解はもちろん、感覚としてわかる。遠い鎌倉時代の武士たちが、実際に生きた人間としてすごく身近に感じられる。『吾妻鏡』などの史書に書かれているセリフも、〈直訳だと雰囲気が伝わらないので〉と、現代の言葉づ...続きを読むかいに意訳されているので、笑えるし、リアル。 鎌倉幕府に関する本は、1180(治承四)年の源頼朝の挙兵あたりから始まることが多いようだけど、本書は、頼朝の出自、ひいては源氏のルーツから書かれており、さらに貴族の説明にいたっては710年の大宝律令までさかのぼるので、物事の根本から知ることができます。 そして、この朝日新書版には「付編 頼朝の後・後の頼朝」が128ページにわたって書き下ろされていて、これがものすごく良かった。ついこの間まで仲間としていっしょに戦っていた御家人たちが頼朝の死後に繰り広げる抗争と、承久の乱の経過記録は、臨場感と緊張感で手に汗握ったし、何度も涙ぐんでしまった。 いい本を読みました。頼朝と鎌倉時代について知りたい人には、本書をまずおすすめしたい。執権北条氏、また北条政子のイメージが、だいぶ変わりました。政子、かなり好きになりました。 歴史を知るって、ほんっっとに楽しい!
いやぁ〜、面白かった。 なんと言っても文体が面白かった! かなり砕けた文体で、分かりやすく書いてくれています。たとえば頼朝が伊豆に配流されたあたりのところでは、 >頼朝は四月生まれなので(『武家年代記』治承四年条)、この時、数え年では十四歳だが、満年齢なら十三歳になる直前、もうすぐ卒業式を控え...続きを読むた小学六年生である。 「頼朝の武士団」より このように、初心者でも非常に分かりやすく書かれています。 他にも、面白くて分かりやすくたとえたり、「ちびまる子ちゃん」のナレーションのようなツッコミが入っていたりと、とても楽しく読み進められました。 特に、史料に残っている頼朝や政子などが話したことの”意訳”が面白いんです。承久の乱においての政子の演説の”意訳”は、 >「みんな。心を一つにして、きいて。あたしの最後の言葉よ。あたしの佐殿(頼朝)が、悪いヤツらを全部やっつけて、この関東(鎌倉幕府)を作ってくれてから、官位(官職と位階)でも、シノギ(収入)でも、佐殿が、みんなにしてくれたことの恩は、山よりも高くて海よりも深いでしょ?(後略)」 「頼朝の武士団」より このような感じです。 初心者でも本当に読みやすいので、鎌倉時代が苦手で「鎌倉殿の13人」の予習をしたいけど…という方はぜひぜひ公式サイトの人物相関図を見ながら、この「頼朝の武士団」を読んでみて下さい。
源頼朝は鎌倉幕府を開いた。これは日本初の本格的な武家政権であり、日本の歴史上、画期的な出来事である。しかし、征夷大将軍就任で鎌倉幕府を開くという視点は古い歴史観になっている。頼朝は鎌倉殿としての私的権威を拠り所にしていた。 鎌倉幕府の成立をいつとするかは諸説ある。主な説は以下である。 ・治承四年(...続きを読む一一八〇年)の鎌倉殿誕生 ・寿永二年(一一八三年)の十月宣旨 ・元暦元年(一一八四年)の公文所と問注所設置 ・文治元年(一一八五年)の文治勅許による守護・地頭の設置 ・建久元年(一一九〇年)の近衛大将就任 ・建久元年(一一九〇年)の日本国総追捕使の地位確認 ・建久三年(一一九二年)の征夷大将軍就任 これらのいずれかが唯一の真実というものではない。ある日突然、鎌倉幕府が成立したというものではないためである。 源頼朝は治承四年(一一八〇年)に鎌倉に入り、ここを本拠地と定めた。邸宅(大倉御所)を建設し、一二月一二日に完成して入った。この時のことを吾妻鏡は「しかりしより以降、東国皆その有道を見て、推して鎌倉主となす」と書く。この時から東国の武士達は頼朝を鎌倉主(鎌倉殿)と推戴したする。 これを鎌倉幕府の始まりとする説が有力になっている。これは鎌倉幕府自身の歴史観になる。「『吾妻鏡』が右の一文を記していることは、鎌倉幕府自身がこの頼朝の大倉邸入りをもって、鎌倉幕府の正式なスタートであったと考えていたことを示している」(細川重男『頼朝の武士団 鎌倉殿・御家人たちと本拠地「鎌倉」』朝日新書、2021年、155頁以下)。 鎌倉殿誕生を幕府の開始と見る立場は、朝廷から何かを認められたことが重要ではなく、東国武士団が朝廷とは無関係に頼朝を自分達の主と認めたことが重要とする。一方で、この時点では南関東を勢力圏とする地方政権であり、日本史上の制度としての幕府の始まりとしては弱い。 その後の出来事は鎌倉幕府の発展過程となる。故に2022年のNHK大河ドラマのタイトルは『征夷大将軍の13人』ではなく、『鎌倉殿の13人』となる。
「鎌倉殿の13人」がきっかけで読みました。 メインは源頼朝と御家人の話。 文章も読みやすく、史実をペースに書かれているので、大河と比較してみるのもいいかも。
大河「鎌倉殿の13人」と並行して読み進めていたが、途中から一気に最後まで読んだ。史実と著者の視点による解釈が比較ができて面白かった。
教科書の中では抜け落ちる、人間らしさを前面に出した歴史書。小説とは違うが、歴史漫画にちょっと近付いている。 ただ、内容は、それほど軽くは無い。鎌倉幕府に参じた御家人達は、決して一枚岩ではなく、抗争の連続であったことを再認識。 今年の大河は、この本をドラマ化したのではないかと思ってしまう。
大河ドラマの予習に。 著者言うところのこの時代の「物騒とゆるさ」「残虐とほのぼの」感、初心者にもわかりやすく面白かった。 くだけた現代語訳や文章の調子は、好き嫌いわかれるかも(自分は途中から大泉洋の声で再生された。笑) 付編もボリュームあります。
鎌倉殿の13人&アニメ平家物語視聴にあたっての副読本として。この時代、自分はいまいち体系的な理解が出来ていなかったので学び直しができて良かった。1年間の大河市長の間、ちまちま読み返す!
頼朝時代の鎌倉幕府の実態と御家人との関係性を、様々なエピソードを元に描き出そうとする一冊。再刊にあたって加筆修正と、頼朝後を扱った付編が追加されている。かなりフランクな意訳が特徴的で、併記されている読み下し文と比べると面白い。
<目次> プロローグ 物騒な主従漫才 第1章 流人の生活 第2章 ドキュメント・鎌倉入り 第3章 「オレたちの町」鎌倉 第4章 御家人たちの「溜まり場」鎌倉幕府 第5章 御家人たちのハートを掴んだ頼朝 第6章 故郷としての都市鎌倉 付編 頼朝の後、後の頼...続きを読む朝 第1章 頼朝の後 第2章 後の頼朝 <内容> 2021年刊の洋泉社歴史新書y(今は出版社ごと消滅)の再編集、付編を合わせた”完全版”。この本の魅力は、当時の史料の訳が「超訳」なのこと。「チョー!ムカつくんだよ!」とか「~聞いてくだせエ」とか。そこが歴史書としての傷であり、読み物としての美点である。また著者は、大学教授などになれなかった人なのだが、ほんの1ページにだが、その屈折した思いが吐露されている(探してください)。今年の大河ドラマとリンクした内容であり、類書より大河ドラマと「合致」している。
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頼朝の武士団 鎌倉殿・御家人たちと本拠地「鎌倉」
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細川重男
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