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野沢雅子、小原乃梨子、田中真弓、緒方恵美、高山みなみ……。アニメの少年を女性の声優が演じることに、違和感はまったく感じない。しかしこれは、ディズニーアニメで少年を子どもが演じるのとは対照的な、日本アニメの特徴だ。こうした配役はどのようにして生まれ、アニメ文化に何をもたらしてきたのだろうか。
少年を演じる女性声優を軸にアニメと声優の歴史をたどり、日本が独自に育んできたアニメと声の文化を描き出す。子役起用が難しいという制約から始まった少年に女性声優をあてる配役は、魔法少女もの、アイドルアニメ、萌えアニメ、BLなどのアニメの変遷とともに実に多様な広がりを見せている。性も年齢も超えて恋愛対象としての「イケボ」の青年まで演じる女性声優は、外見とキャラクターとの差異やジェンダーのズレから、視聴者に独特の欲望を喚起している。
みんなに愛される少年から女性が恋する青年までの女性声優を切り口に、アニメと声優のメディア史を考察する。
Posted by ブクログ 2021年05月08日
緒方恵美さんのご自伝を読んでから、こちらも気になって読んだ。
硬いっちゃ硬い本で、緒方さんに直接関連する部分は思ったより少なかったけれど、声優の長い歴史のなかで緒方さんが果たした役割が掴めたような気がする。やっぱりすごい方だ。
永井一郎さんが声優に対する偏見と闘ってきたこと、舞台もアニメも演じるこ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年03月15日
女性声優が少年役を演じるという現象は占領期のラジオドラマにまでさかのぼることができた。
当初の理由は子役を扱うにおいての経済的倫理的理由が大であったが、時を経るに従い、女性声優は単に少年にとどまらず、青年・成人男性をも演じるようになり、アニメにおいてキャラクターのデータベース化が進むと、両性具...続きを読む
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