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西部イングランドの名家バスカヴィル家の当主が、突然変死をとげた。恐怖に顔をゆがめた遺体のそばで見つかったのは、ものすごく巨大な犬の足跡!じつはバスカヴィル家には、犬にまつわる因縁が存在した。18世紀のなかば、当時の当主が悪逆非道のはてに、巨大な魔犬に咽喉笛を食いちぎられて死んだというのである。伝説の再来か、はたまた何かの秘密が隠されているのか。闇にきらめく灯火。火を吐く魔犬の跳梁!荒涼たるイングランドの寒村を舞台に、ホームズとワトスンは恐怖と怪異に満ちた謎に挑戦する。
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Posted by ブクログ
小学校4年のときだったか、学校の図書室で見つけた本。この出逢いは大きかった。シャーロック・ホームズそしてDr.ワトスンとの出逢いだった。 ロンドンが舞台でなく、ノーフォークの荒野である。未だ観ぬ(今も観ていないが)英国の風景に思いを馳せた。ワトスンの活躍と。それを見守るホームズの心遣い。そして真犯人...続きを読むの異常さ。この本に最初に出逢えたことはシャーロッッキアンとして幸運に思う。
この前読んだドン・ウインズロウの『ストリートキッズ』にイギリスのムーアが出てきて読みたくなったのだがホームズの長編で一番好きなのがこのバスカヴィルだ。創元の深町版を読んだあとだったし、新潮のも本棚に入っているけど実は延原訳はあんまり得意じゃないので今回は阿部版で。深町版は次回がこのバスカヴィルらしい...続きを読むんだけど来年には出るのかな? 早くでないかなぁ。 さて、バスカヴィルだ。これは昔NHKでやってたドラマがすごく良かった印象がある。原作にはないけどたしかワトスンがホームズを犬から助けるシーンがあってそのときのワトスンのあまりのかっこよさにかなりほだされた記憶が…。あれを見たあと読み返してそんなシーンないじゃんと思ったような気がするが今回もやっぱりない。ドラマ上の演出か、やっぱり。今度機会があったらドラマをまた見てみたいな。 て、これじゃあ本の感想じゃなくドラマの感想だが、バスカヴィルは面白い。ミステリとしてもいくつも伏線が張られてたり騙し打ちがあったりかなりまともだし、ドラマがあるし、二部構成じゃないし。それにかなりワトスンが活躍するし、ホームズに誉めてもらえるし!← やっぱり長編ならバスカヴィル!
非常に有名なホームズですが、読んだのは初めて(のはず)。 今の小説だと、犬に見せかけて実際は人がやっていた!とかなりそうですが、実行犯はホントに犬でした。まあ、コントロールしていたのは人ですが。 最近こういったミステリとか読めてなかったような気がするので新鮮な気持ちで楽しめました。
「21世紀版奇想天外」の有栖川有栖を読むに至り、記憶が朧になってたのでご本家を再読。 ホームズは児童版やら映画化やらオマージュだったり、パロディだったり色々出てる分だけ、記憶がごっちゃになってる…(-_-;)
シャーロックホームズのお話は多分いつだったかどこかで読んだり観たりしているはずなのですが改めてきちんと読んでも面白い。これはやっぱりホームズと言うキャラクターと読者の視点に近いワトソン博士のコンビが上手くかみ合ってるからなんだろうなあ〜なんて思いながら読みました。面白かったです。
古典ミステリの傑作。 イギリスの片田舎の寒村を舞台に、忌まわしい伝説を背景に起こる殺人事件。荒れ地に大沼、うっそうと茂る森の中の古い館… おどろおどろしい自然描写に、血も凍りそう。 ホームズの自信たっぷりさが鼻につく。 一緒には働きたくないタイプだ…笑
推理小説ではあるけれども、その謎解きの部分以上にさらに、舞台の設定や情景に際立った特徴がある小説だった。 とにかく、翻訳の文章が上手い。ダートムーアの荒野のおどろおどろしい雰囲気がとてもリアルに伝わってくる。そして、その舞台の空気にふさわしい登場人物たちと、次々と起こる奇妙な事件。日本でいうと横溝正...続きを読む史の小説のような、土着の伝説をベースにした、見事な構成になっている。 同時進行的に色々な出来事が起こりながら、それを解決するホームズのほうも、まったく別の事件も含めて同時並行であらゆる手段で推理を進めていき、最後にそれらが一気に解決に向けて収斂していく面白さがあった。 ところで、これはぼくの得意な道楽であって、ちがいは明白です。あなたの、ニグロとエスキモーとの頭蓋骨のちがいと同じように、ぼくの目には、タイムズの間隔のあいた五号活字の紙面と安物夕刊紙のお粗末な印刷とは大ちがいなのです。活字の判別ということは、犯罪専門家にとって、もっとも初歩的な知識の一部門です。もっとも、ぼくも若いころに一度リーズ・マーキュリー紙とウェスタン・モーニング・ニューズ紙とを混同したことがありますがね。(p.51) 「ワトスン」準男爵がいった。「犬が吠えたのだ」 彼の声がふっととぎれ、彼がにわかに恐怖にとらえられたのを知ったとき、ぼくは血管の血が凍るのを感じた。 「みなは、この声をなんといっているのですか」と彼はきいた。 「まるで無知ですからね。連中がいうことなんて問題にはなりませんよ」 「教えてください、ワトスン。連中はどういっているんです」 ぼくはためらったが、問いをかわすことはできなかった。 「バスカヴィル家の犬のさけびだといっています」 彼はうめいたが、それからしばらく沈黙した。(p.144) ぼくはカートライトを連れてきた。おぼえているだろう、あのメッセンジャー会社の小僧さ。それであの子がパンとかきれいなカラーとかと、ぼくの質素な要求はみたしてくれた。人間はこれだけで充分なのさ。(p.187) 彼は絵の前をはなれながら、めったにみられないふき出し笑いにむせびかえるのだった。私は彼が声高く笑うのを、そうたびたびはきいたことがないが、それはかならず、だれかにとって不吉な意味をもっているものだった。(p.210) 私が丘の頂きに達したとき、太陽はすでに沈みかかって、足もとにひろがるうねりは、片がわが金緑色にかがやき、反対のがわは灰色にかげっていた。はるかかなたの地平線に、もやが低くたれこめて、そのうえに、幻めくベリヴァとヴィクスンとの岩山がうき出していた。涯しない荒地に、もの音ひとつきこえず、動くものひとつなかった。鴎か帝釈しぎかであろう、一羽の大きな灰色の鳥が蒼天にたかく舞い上がっていた。この巨大な円天井とその下の荒地とのあいだに、生きているものは、その鳥と私とだけのように思われた。(p.179) シャーロック・ホームズの欠点の一つは、もっともそれを欠点と呼ぶとしての話だが、彼の全計画がいよいよ完成するというそのまぎわまでは、それを他人に明かすことを極端にきらうことであった。それはたしかに、ある程度は、まわりのものたちを圧倒し驚嘆させることを好むという、彼の英雄的性格からきていたことだ。それにまた、一部は職業的な用心深さからでもあって、けっして一か八かの冒険はしないということでもあった。(p.220)
内容は面白いのですが…
誤字や分かりにくい翻訳が、多い。
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バスカヴィル家の犬【阿部知二訳】
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阿部知二
コナン・ドイル
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