父のビスコ

父のビスコ

1,683円 (税込)

8pt

4.2

三世代の記憶を紡ぐ初の自伝的エッセイ集。

『本の窓』人気連載を元に、昭和、平成、令和にまたがる三世代の記憶を紡いだ、著者初めての自伝的エッセイ集。

-目次より-
「父のどんぐり」「母の金平糖」「風呂とみかん」「ばらばらのすし」「やっぱり牡蠣めし」「悲しくてやりきれない」「饅頭の夢」
「おじいさんのコッペパン」「眠狂四郎とコロッケ」「インスタント時代」「ショーケン一九七一」「『旅館くらしき』のこと」「流れない川」「民芸ととんかつ」「祖父の水筒」「場所」「父のビスコ」ほか。

「金平糖が海を渡り、四人きょうだいが赤い金平糖の取り合いっこをする日が来ていなければ、いまの自分は存在していない。もし、祖父が帰還できなかったら。もし、岡山大空襲の朝、祖母ときょうだいたちがはぐれたままだったら。もし、父の目前に落ちた射撃弾の位置がずれていたら。『もし』の連打が、私という一個の人間の存在を激しく揺さぶってくる」(「母の金平糖」より)。

『旅館くらしき』創業者による名随筆を同時収録。

...続きを読む

父のビスコ のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    食をきっかけに折々に蘇る幼き日々の記憶。生まれ育った倉敷と祖父母、両親との懐かしき思い出。

    食に関するエッセイで知られる筆者。今回の作品は自伝的要素が強い。岡山県の郷土料理であったり幼少期の食をあるきっかけで舌から思い出す内容。祖父母、両親の晩年に至るまでの絆が情緒溢れる文体で表現されている。私的

    0
    2022年02月10日

    Posted by ブクログ

    2月の平松洋子さんの講演会で、日本各地の美味しいものをレポートしてきた平松さんに「岡山の美味しい食べ物を教えて下さい」という質問が出た。
    「なかなかその質問に答えるのは難しいんです。というのは、私は岡山では滅多に店で食べなかった。私の味の記憶は全部家庭料理なんです。あの酢の物の味。柔らかくて、記憶と

    0
    2023年05月28日

    Posted by ブクログ

    著者だけでなく、祖父母、両親、それぞれの来し方に触れた著者の思いがギュッと詰まっています。とても豊かで、濃密で、渋い色彩のエッセイでした。

    「書くべきことは、発酵物の表面に浮き上がってはぷっくり膨らむ大小のあぶくに似て際限がなく、今後も向き合いながら少しずつ言葉にしていきたい。」
    と書かれているの

    0
    2023年03月02日

    Posted by ブクログ

    平松さんの家族の歴史、食の思い出、故郷の倉敷への想いなど。変わったタイトルだな。と思い読み進めて、最後にビスコが登場し「あー、ここにも歴史が」と生きていく中での縦や横のつながりを感じた。  
    「知りたいことがまだたくさんある。だから死ぬわけにはいかん」(p316)のお父さんの言葉は重みがある。 

    0
    2022年03月08日

    Posted by ブクログ

    脈々と受け継がれてきたもの。
    その豊かさが伝わってくるエッセイ集。
    『倉敷川 流れるままに』畠山繁子さんの随筆も収録されている。
    一読者として読むことができ幸せ。
    表題作『父のビスコ』ではほろりときてしまう。
    平松洋子さんの体温を感じ取ることができた。

    0
    2022年02月02日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     1958年倉敷生まれ、平松洋子さん「父のビスコ」、2021.10発行。家族のこと、郷里岡山のこと、食べ物や季節の花々などを綴った良質なエッセイです。92歳で亡くなった父を語る「父のビスコ」、じーんときました。

    0
    2022年03月26日

父のビスコ の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

無料で読める エッセイ・紀行

エッセイ・紀行 ランキング

平松洋子 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す