かけがえのない心

かけがえのない心

1,760円 (税込)

8pt

4.4

お母さん、聞こえますか?
私はこうして生きています。


幼少期、海外養子縁組に出されたナナは、フランスで役者兼劇作家として暮らす。
そんな彼女に突然、人生を変える2つの知らせが届く。

別れた恋人との間に子どもを妊娠したことと、韓国から来た、自分の人生を追ったドキュメンタリー映画への出演依頼と。

生みの親を知らないナナは、生まれてくる子どものためにも自分が“誰なのか”を見つけようとソウルへ向かう。そして、思いもしなかった人たちとの出会いから、35年前、駅に捨てられた暗い記憶の糸が少しずつほぐれていき……。


海外へ養子に出された子どもたち、米軍の基地村で生きた女性たち……。
現代韓国の歴史の中でなきものとされてきた人たちに、ひと筋の光を差し込む秀作長編小説。
第27回大山文学賞受賞作



韓国系国際養子のルーツ探しというこの小説の「特殊な」主題が、日本の読者の方々に「普遍的な」ものとして届くようにと、そして誰かがこの作品を読んでいるとき、生命への尊重や人と人との絆への信頼という明かりが灯ってくれたらと願っています。(「日本の読者のみなさまへ」より)

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かけがえのない心 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    この本を読むまで、韓国の国際養子縁組という社会問題のことを全く知らなかった。
    国籍、そして生みの親を失うという二重のアイデンティティの喪失と、どこへ行っても避けられない差別と偏見。「私は何者なのか」と問い続ける人生の悲哀。

    不可逆性を多分にはらみながらも、少しずつ重なり合う登場人物たちの人生、その

    0
    2024年03月03日

    Posted by ブクログ

    原題『단순한 진심』


    “でも、何より恐れていることは別にありました。ウジュが私に似ること、私の一番さびしくてかよわい姿に似ることでした。”(p.233)

    0
    2021年10月20日

    Posted by ブクログ

    ナナは、別れた恋人の子供を妊娠していた。そしてその子供に「宇宙」(우주)という名前を付けようと決めた。そしてその日、ソヨンという韓国人の女性から二通目のメールが届いた。その女性は、ナナのインタビューを読んで、フランスに養子に出されるまで過ごした場所や、そので会った人たちを探しながら、最終的にはナナの

    0
    2022年07月09日

    Posted by ブクログ

    小説ではなく、ノンフィクション作品を読んでいるようだった。
    訳者・オ・ヨンアさんのあとがきより
    〈2012年までに約16万人を超す子どもたちが海外に養子に出された〉

    朝鮮戦争で、米国軍人との間に生まれた混血児や
    戦争孤児をアメリカに送ったのが始まりだそうだ。
    「基地村(キジチョン)」(性産業)の歴

    0
    2022年06月06日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    正しい答えを示すのではなく、
    迷いながら主人公たちが自分なりの答えを選んでいくところがいい。
    だから読んでいる私自身も、私だったらーと考えられる。
    テーマは重いのに、決して派手な展開にせず、どこかドキュメンタリーのように物事が淡々と進んでいくのも、読み手に考えさせる余白が生まれてよい。

    自分の過去

    0
    2023年10月02日

かけがえのない心 の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 海外文学
  • 出版社
    亜紀書房
  • ページ数
    256ページ
  • 電子版発売日
    2021年10月15日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    1MB

閲覧環境

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