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新聞記者だった著者はいかにしてひとり本屋を始めることができたのか。定年目前の58歳、子どもは3歳、書店員経験は0。第二の人生、妻の反対を押し切って本屋に転身する。取り立てての読書家ではなく、書店開業が定年後の夢だったわけでもないという著者は、自分が本屋を始めた理由より、本屋を始めた方法を伝えることのほうが意味があるのではないかと書く。すべての書店開業希望者に贈る、夢ありほろ苦さありの実践的本屋開業記。
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Posted by ブクログ
いわゆるデザイナーズ系本屋とでも言うので しょうか、店主の指向が販売している本の選 定に反映されている個人経営の本屋が増えて います。 この本でも58歳にして新聞記者を退社した後 に始めた本屋開業までの道のりと、その後の 本屋店主としての日常が綴られています。 古本屋ですと何となく暗いイメージが...続きを読む付きま といますが、新刊本屋しかもカフェも併設と なると今時っぽくて、ちょっと行ってみよう かな、という気になります。 開業記としてのビジネス本でもあるし、本と の出会いを大切にする店主のエッセイとして も楽しめる一冊です。
私の密かな夢、本屋を開くこと。 本屋さんが開店するまでや 人との交流やイベントなど、 勉強になることが多かった。 何歳からでも始めるのに遅いことは、ないんだ。
本屋を始めるのは難しくない。でも続けるのは難しい。 という言葉が印象に残る。 書店経験や商売経験なく本屋を始めているのは勇気が出る。 読書好きでなくても本屋は始められる。というのも勇気が出る。 たまに本屋になりたいと思ったときに読み返したい本
私は都心の大型書店に14年勤めていた。業務量は膨大だったが、販売・接客と在庫管理に集中していればいい。財務のことや仕入れ計算は担当の部署がやってくれる。個人経営の書店ではそうはいかないだろう。 現在所属する就労移行支援事業所でブックカフェを開業する話が持ち上がっており、事前になるべく最近書店を開...続きを読むいた人の話が知りたくて本書を読んだ。「自分一人でできる範囲のことをする」というポリシーに徹し、シンプルで居心地のいい店を作って日々営業しているのがゆったりとした文面から伝わってくる。それでも本の売上だけではやっていけないという事情もあり、多くのイベントの開催や、飲み物や雑貨などの併売を一人で切り盛りしていて本当にすごいと思う。 著者が言っている通り、本屋を始めることは簡単だが、続けていくことはとても難しいだろう。買い切りで仕入れれば返品作業は発生しないが、棚の回転率や新陳代謝は下がる。売れ筋の本は小さい書店が注文してもなかなか入荷しない。書店業界の利益率の低さも昔から言われていることだが何も変わらない。不安材料ばかりだ。 それでも本書を読んで、自らの選書眼をたのみに小さな本屋を営んでいる著者を羨ましいと思う。文化的な仕事がしたい。街の人々の生活に溶け込み、日常を豊かにする本屋を地元に作りたい。一週間くらいで読み終えられる手頃な新書だが、新聞記者時代の仕事内容の話も面白いし、書店の実務が詳しく綴られていてとても参考になった。唯一残念なのは著者が本屋を始めようと思った理由をあえて語っていないこと。いろいろな縁があって開業に至ったとのことだが、なんだか核心に触れることができないモヤモヤ感が残った。
新聞記者を退職して特に夢というわけでもないけど本屋を始めたという人のエッセイ。 本屋を始めた理由より方法を伝えたい、とある。 商いのなんたるかを教われるほど実用ではないが参考にはなる。 でもそれより、やってみたい気持ちになるのが良い。 すごくひさしぶりにちゃんと本を読んだ。 文が読みやすい。 本...続きを読む屋の話というより本屋をしているこの人の語りだから著者に興味を持たないうちは面白くなかったけどそれでも読みやすい。 どういう場を作りたいか、が一番大事かな。 ちょいちょいでてくる妻の描写が失礼で愛なんだろうけどイラっとくる。 いやー尻にしかれてますよワッハッハという昭和感をマイルドにした感じ。
帯の「本屋開業記」のとおり、物件探しから開業後のお金のことまで書いてあり興味深く読みました。本屋以外でも将来起業を考えているような方にとって参考になる点はあるかと。 また、フェミニズムに関するくだりなど、ところどころに著者の人生観のようなものが表れており読み物としても楽しめました。
本屋経験無しの状態で新聞記者から本屋へ。 開店前からその後までが綴られる。 どこか淡白ながら、楽しんで暮らしと商いをされている様子がうかがえる。
◉極私的話 還暦まであと2年。正確には22ヶ月。個人事業主ゆえ別に定年(退職)があるわけでない。まだまだ働きたい。それも、クライアントからお座敷に声がかかってこその話。そのためには面倒臭いおっさんにならないようにしないと。とは言え、還暦前のザワザワ感、なんだろ? 〈還暦60歳=赤のちゃんちゃんこ着...続きを読む用〉のあの映像がチラつく。最近はTシャツとか天狗パンツとか…数多ある還暦グッズ、あの類いのプレゼントは勘弁して欲しい。もう、すでに決めてる。麻布テーラーで上質な生地で赤のギンガムチェックのボタンダウンシャツをオーダーしようと決めてる。自腹で。 とにかく、いよいよ齢60か…という感慨に、否が応でも浸らなければならない流れには閉口するなぁ。 その一方で、まだ還暦にもなっていないのに、意識は明らかに選書に顕れている。〈シニア〉〈定年〉〈定年後〉〈第二の人生〉…そんなキーワードが勝手に立ち上がり、随筆・評論・ノンフィクション・小説を串刺しにしている。 読書遍歴を振り返れば、常に同時代&同世代モノを読んでる。本を貪り読み出した高校生の頃は近現代の青春小説一辺倒。実篤の『愛と死』に涙し、漱石の『三四郎』に黙考し、宮本輝の「春の夢』には胸をえぐられた。ゆえに『おっさんが綴るおっさんが主役の小説、おっさんの心象風景を綴る随筆』に行き着くのは自然の流れではあるんだけど。 ◉さわり まずは著者の紹介。東京外大イタリア語学科卒業後、読売新聞社に入社。1社を経て毎日新聞社に移籍。主にスポーツ畑を歩み、論説委員を務め社説を執筆。定年目前の58歳で退職、書店開業。 本書の前半は、脱サラに至るまでの『私の履歴書-僕は新聞記者だった-』。終始飾ることのない素直な坦懐が綴られる自叙伝となっている。 第2章からは書店開業編となる。なんと言っても気になるのは、『なぜ本屋なのか?』。その問いに対しては『自分でもよくわからない』と語る。 えっ、そんな緩くていいの?!と思わずツッコミを入れてしまった。著者は晩婚で、3歳のお子さんがおり、開業資金は退職金を含めて自己資金でまかなうという計画。当然のこと妻は猛反対。そらそうでしょ〜な、これからお金がいる時期に突入するというのに、トラの子の退職金を投入。何と言っても書店は薄利の商売。 それに加えて、無類の活字好きでもなく、ご本人も学生時代によく読んだ作家に片岡義男や森村誠一、社会人になってからは池波正太郎に司馬遼太郎を挙げている程度。そんな御仁が書店開業。 ただ、この方やると決めてからは書店経営に関する資料を渉猟し、書店巡りをし、着々と計画を立て、実現に向け奔走。退職するや金髪に染め、所謂ブンヤからブックストアの店主のキャラクターに宗旨替えをし、浅草からも近い田原町に、新刊書をメインに扱うもベストセラーはあまり扱わない、直接仕入れ(買取)による返本なしを旨にした〈Readin’Writin’BOOKSTORE〉を開店。 以降、ここをまさしくベースキャンプに、前職の経験を活かしたライティング講座やトークショー等のイベントを年100回以上開催し、ハンドドリップのコーヒーやアルコールの提供をするために食品衛生の許可も取り、本をテーマにした企画と寛ぎ感溢れる店づくりを精力的に行なっている。 ◉私見 人生の折々で答えを出す、決断を下すということは決して沈思黙考の末に、あるいは座して答えを捻り出すばかりではない。曖昧・茫洋・不明瞭なことは人に教えを乞い、意見をぶつける…ってことが発見や自信につながったり、道が拓けたりするかもしれない。要は大事なのは問題意識と行動。 街場から書店が姿を消していくことで気づかされたのは、『書店は街のインフラ』だということ。そんな寂しい現況下に、小さくても個性溢れる書店がポツポツと出現しているのは嬉しい。 そんな意気込みに溢れたのが本書。著者は語る。自分が本屋を始めた理由より、本屋を始めた方法を伝えることの方が意味があるのでないか…。書店開業の怒涛の奮闘と商いは飽きないであることを記したほろ苦開業記。こんなステキな書店がある街に暮らす方はホント幸せ。うらやましいの一言。
元毎日新聞の記者であった著者が定年を目前に脱サラして新刊書店を始めるまでの経緯やその後の経過を綴った書店開業記。書店業と並行してライティングの個人レッスンを開くなど、書くことへの拘りは文面からひしひしと伝わってくるものの、書物や書店に対する情熱のようなものは今ひとつ感じ取れず、何がここまで著者を突き...続きを読む動かすのか只々不思議に思うばかり。文中から偏屈な性格が随所に見て取れるものの、様々な独立系書店経営者の意見を柔軟に取り入れたり、積極的に店内イベントを開催するなど、そのフットワークの軽さには見習うべき点が多い。
定年目前の58歳で、書店員経験ゼロから本屋になった著者の、新聞記者時代から本屋開業期、そして本屋になった現在に至る奮闘記である。 どんな商売をしていても、どんな職業に就いていても、一番大切なのは人と人のつながりなんだなぁと感じた。 今朝のテレビ番組で養老先生がおっしゃっていた言葉が心に響いた。 ...続きを読む他人とうまく付き合うには… 自分が心地良いと思う関係でいること! 他人のせいにしたり、他人を変えようとしたりせずに、自分が気持ち良くなれるように心掛けていると、自然と良い関係が築ける。 正確には思い出せないけれど、確かこんな感じだったと思う。 このことを愛猫から学んだという点も素敵だ。 『新聞記者、本屋になる』は、読んでいてワクワクするような面白味はなかった。記者さん風の、事実をきちんと伝える文章だ。たぶん誇張せずに書かれているのだろう。本屋を経営するのは大変なんだ、という彼の真っ直ぐな思いが伝わってきた。 著者の周りには彼と縁を結んぼうと思ってくれる方がたくさんいて、著者はすごく良い人なんだろうなぁと感じた。そして、その人とのつながりが一番大切だとわかった。 彼を好きな人がいる、信頼している人がいる。そして喜んで手をつないでくれる。彼の周りに"楽しい"が集まる。皆が"楽"になる。 大変だけれど…"楽しい"本屋さん。 行ってみたい。 やってみたい。 次は、巻末の「本屋を始めるにあたって参考にした本と雑誌」の中から選んで読んでみよう。
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落合博
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