易学 成立と展開

易学 成立と展開

1,265円 (税込)

6pt

5.0

〈なぜ「占い」が儒教の核心的原理なのか?〉
〈大いなる矛盾に満ちた「中国的二元論」の思想史〉

哲学的であって通俗的、神秘的であって合理的―
陰と陽による二元論で世界を把握しようとする思考様式が、先秦から清朝に至るまでの哲学、世界観、歴史観を貫いていることを示す、碩学による無二の思想史。
易を知ることは、「中国的思考」の本質を理解することである!

【本書より】
―最も中国独自のもの、それは易―
易には逆説めいたものがある。法則の中の破格を容認する。論理より象徴、数をよしとする。これは中国の学問芸術について見られる。易は人の運命を天道と一つに見る。中国の歴史の見方とつながるところがある。(第四章より)

【解題・三浦國雄】
「本書は『易経』というテクストに焦点を絞り、それがどのようにして成立し、漢代から清朝に至るまで、どのような解釈が施されたか(つまりどのように読まれたか)を解明しようとしたものである。その際、『易経』や注解および注解者の内部に降り立って分析する一方(「心理」や「意識」「無意識」の語がよく使われる)、そのような読解が生み出された根拠を注解者の内面とともに外面│すなわち彼らが生きていた時代相にも求めるところに本書の独自性がある。その結果として、本書のボリュームの大半を占める第一章(易経の成立)と第二章(易学の展開)がおのずから先秦から清代に至る思想史になっているのであるが、これは余人には真似のできない著者の独壇場と云ってよい」

【本書の内容】
第一章 易経の成立
第一節 通説とその批判
第二節 易の発生基盤
第三節 経
第四節 左伝に見える易
第五節 彖と象
第六節 陰陽
第七節 繋辞
第八節 十翼の完成
第二章 易学の展開
第一節 前漢の易
第二節 後漢の易学
第三節 王弼、それ以後
第四節 宋・明の易説
第五節 清朝の易学
第三章 筮法
第四章 易と中国人のものの考え方
解題 三浦國雄

※1960年にサーラ叢書(平楽寺書店)より刊行された同名書の文庫化です。

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易学 成立と展開 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    易そのものについて述べているのではなく易経の成立と受けとめられ方を述べた本
    易経が伏犠、文王(周公)、孔子の手によるものであるという伝説を否定している。中国人が古を尊ぶのは、知恵と経験を尊び老人を敬う農耕民族だったからと提言する。
    易は占筮者集団の用いるトカゲのトーテムが由来であるとする。
    卦爻辞は

    0
    2022年08月05日

    Posted by ブクログ

    『易経』が占いの書から儒教の経典になっていった様を、他の中国古典に引かれた卜筮と現行の卦辞爻辞の比較から十翼の成立の順番を推定。易経が中国の歴史に果たした役割について、時代ごとに老荘思想や讖緯と影響し合いながら注釈が書かれてきた様子からその思想史上の影響の大きさは計り知れないことが良く分かった。

    0
    2021年10月31日

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