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江戸後期、相模国の貧しい農家に生まれた二宮金次郎。相次ぐ両親の死、莫大な借金、洪水……苦難に直面するたび、黒松の苗に十年後の自分を誓う。武家・農村復興に尽力し、学びの姿勢と倹約精神で後世に偉人と称えられた、金次郎(尊徳)の若き日々。新田次郎賞・中山義秀賞受賞作家による傑作歴史長篇。
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Posted by ブクログ
二宮金次郎(二宮尊徳)の幼少期からの一生を描いた小説。 貧乏時代から勤勉と努力が、苦労苦労の背景から、実を結ぶ物語が、読みやすい小説として紹介されている。 冒頭より、まるで映画を見るような感覚で、読み進めることができた。 「節約」について、二宮金次郎のそれは、個人の為にあるのではなく万民のために...続きを読むあるものだという点において、現代の個人主義的な「節約」とは大きく違うものだ。 また、「節約」の方法論は、単なるケチなのではなくて、喜びや快感を伴うものとなっていて、読んでいて非常に爽快だった。 物語は、タイトルの通り、幼年期〜青年期・壮年期に重点が置かれていて、晩年についてはやや端折っ手いるように感じたが、そこから学べるもの・教訓は膨大だと感じた。 ここにある話は、単なる精神論や美談としてではなくて、実践論としても現代に通用するものだと思える。 いまの不安に満ちた世に希望をあたえることの出来る小説だ。 是非皆さんにおすすめしたい。
少年時代から最初の奉公先に出るまでの栢山村でのエピソード中心。酒匂川の松,油屋,名主がキーとなっている。
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