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Posted by ブクログ 2021年09月22日
マドレーヌを浸した紅茶の一口から、忘れていた少年時代の日々が色鮮やかによみがえる。あまりに有名なこの作品の醍醐味は、書き手の脳裏に次々浮かび上がる記憶の断片、全体として「コンブレーで過ごした私の少年時代」とでも題して時系列に出来事を並べることも可能かもしれないある時期の記憶を、あえて断片のままよみが...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年06月08日
「ときどき、せっかちな時鐘が前の鐘より二つ多く鳴ることがある。間の鐘をひとつ聞き逃したのか。現実にあった何かが私のなかで起こらなかった。深い眠りにも似た、魔術的な読書に対する関心が、幻覚にとらわれたかのような私の耳をはぐらかし、静寂に満ちた紺碧の空に刻まれた黄金の鐘の印を消し去ったのだ。」(213...続きを読む
Posted by ブクログ 2010年11月17日
光文社古典文庫の翻訳はどれも意欲的。すごいと思う。この本もそうだ。プルーストは何度も挑戦して1ページも読めなかったが、これなら読める。パリに居たときおじいさんやおばあさんが日向の公園のベンチでプルーストを読んでいる光景によく出くわした。長い話だけれど面白いからみんな読んでいるんだよね。日本のプルース...続きを読む
Posted by ブクログ 2010年10月06日
何度目かのプルースト。冒頭、夢と現実の境を彷徨いつつ子ども時代の記憶を思い出すシーンを読むといつも忘れていた大切な思い出が浮かび上がってくる気がします。
この第1巻、一度最後まで読んでから再読するとよく分かるのですが、一見散漫でとりとめのないエピソードの羅列に思えるものが物語全体では重要な伏線にな...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年07月17日
恋人というのは、信じているさなかでも疑ってしまうものであり、その心を我がものにすることなど決してできない。
心理学の教科書には必ず、マドレーヌの香りで記憶がよみがえる箇所について言及される本書。一度は読んでみたく気軽に手に取ってしまったのだが、14巻まであるということで長い旅路になりそうだ。それに...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年09月02日
初のプルースト体験。色々な出版社から、色々な訳で出てるので、さてどの訳で読もうかなー、って思ったのですが、この光文社古典新訳文庫の訳が評判良さげやったので、この訳に決めて読んでみました。
かなり読むのに苦労するって話しでしたが、意外とスラスラ読めました。物語らしい物語はないんだけど、情景の浮かぶ文章...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年08月10日
教科書とか問題集みたいな実用本ならともかく、一般小説で「挑戦」もないとは、思いますが…
いわゆる「読みやすい」作品ばかりがもてはやされて、小説は、効率よくあらすじを把握して消化するものという感が強い昨今、こういう作品に「挑戦」してみるのもいいかと。
訳者が、あらすじを追おうとするな、と繰り返し説...続きを読む
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