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愛すべきお馬鹿キャラって、やっぱり憎めない可愛さがありますよね。
本作に登場する中学2年生・ちーちゃんも、人よりちょっとお馬鹿で、親友のナツと旭ちゃんにいつも助けられています。
本作はそんな3人のほのぼのした日常を描いた学園コメディ作品…ではありません。
本作のキーパーソンは、お馬鹿で明るいちーちゃんではなく、ちーちゃんの親友「ナツ」です。
落ち着いていて面倒見の良いナツですが、漠然としたもやもやを抱えていました。
頭は良くない。見た目もパッとしない。言いたいことを言える性格でもない。恋人もいない。家も貧乏で欲しいものが手に入らない…
友達もちーちゃんみたいな、「こっち側」の子しかいない。
徐々に雲行きが怪しくなってきます。
いつも3人でいる旭ちゃんは、今は「こっち側」にいるけど年上の彼氏もいるし、頭もいいし。家もお金持ちだし、どうせ妥協して私たちとつるんでいるのだろう。
段々とナツと周囲の人たちとの歯車がズレてきます。
そんなある日、ちーちゃんが学校で周りを巻き込む大事件を起こしてしまうのです。
この事件が、ナツの運命を大きく変えることになるのでした…
可愛い絵柄とタイトルにつられて読んだ本作ですが、本当に何かが足りなかったのはちーちゃんではなかったようです。
決して爽やかな読後感ではありませんが、ひとたび読めばこの不思議で息苦しい世界観から抜け出せなくなること間違いなしです。
Posted by ブクログ 2017年08月24日
主人公はクズだ。
語弊を恐れず断言するが、思春期の自意識と不公平感ばかりが肥大した実にリアルで、自分の黒歴史を蒸し返されてあちこち痒くなるようなタイプのどこにでもいるクズ。何故なら主人公のナツは自嘲と自虐はしても自省と自戒は絶対しない。自分の言動を反省し周囲に申し訳ないと装うモノローグも、結局の所ケ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年03月06日
ほのぼのした日常、と思って油断して読み進めていくと、どんどん心がざわついて重たく鬱。
まさに阿部共実ワールド、独特の空気感で展開していく、何気わない日常の秀逸な描きっぷりが見事。
どこにでもあるような出来事が描かれているけれど、このモヤモヤする感じ、鬱屈した重たい感情とかうまくいかない感じはじわじわ...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年11月24日
武富健治の『鈴木先生』にも別の形で描かれていたけど、問題児でも優等生でもなく「普通の子」の抱えるーただし描かれることがなかったー悩みや問題がここにはある。
『鈴木先生』では、とかく問題児というのは良かれ悪かれ目立ってそして特段面倒をみなければならない存在なのだけど、それで悩みを持っているのに先生に...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年08月21日
この作者なので覚悟はしていましたが、やられました…
『私は何もしないただの静かなクズだ』まさに自分を表すのにピッタリの言葉を突きつけられました。
ここまで共感できる物語に出会ったのは初めてで、衝撃的でした。
そこには自分がいた。
「静かなクズ」まさにそれ。
自分から動こうとしないから、現状に甘えて...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年01月25日
amazarashiの「月曜日」という歌がきっかけで阿部共実さんの「月曜日の友達」を知り、本作を読んだ。物語前半は日常描写で平穏な展開だが、物語の中盤にちーちゃんが起こしたある出来事から状況が一変。読み進めていくのが辛く感じる場面も。読み終えたとき、「ちょっと足らない」のはちーちゃんなのかと考えてし...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年12月10日
ちょっと天然なちーちゃん、クールな旭、優しいナツが過ごす楽しい学園生活の中で引き起こす騒動、そしてストーリーの中盤で起こる盗難事件をきっかけに明かされる、ナツの中にある貧乏な家庭やコギャル藤岡に対するコンプレックスと生きづらさ。ちょっとだけ何かが足りないと不安や嫉妬に揺れ動く十代の、物語。
ピントが...続きを読む
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