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Posted by ブクログ
ついに読んだぞ、『嵐が丘』。毎回、勢いよく読み始めるのだが、途中でだれがだれかわからなくなり、挫折の繰り返し。
もともと、ミステリやホラー(ゴシックロマン?)の要素もあって、すぐはわからないように作ってある。なんたって、キャサリンが2人出てくるし、アーンショー家とリントン家が対称形でこんがらがるようにしてある。現在と過去の間の往来もある。謎解きと展開を楽しむ作品なのだ。
しかし、人間関係が理解できると、そこはエミリーのストーリーテリングの巧さ、一気に読める。完成品を姉と兄と妹(シャーロット、ブランウェル&アン)に読ませた時には、きっとドヤ顔だったに違いない。
思っていたほどには自然描写は出てこない。荒涼とした自然のイメージは、「嵐が丘」や「ヒースクリフ」という名前から来るのかもしれない。しかし、語り手のロックウッド、冒頭で「人間嫌い」を自称していながら、ゴシップ大好き、結構人間好きなんじゃん。
(p.s. 完読に至るまでは試行錯誤。小野寺、阿部、大和、田中、鴻巣、氷川、中岡、三宅訳を試し読みした。「あたくし」や「あたし」は生理的にだめ。「わし」も、37歳のヒースクリフが言うのはヘン。結局、河島弘美訳に落ち着いた。)
Posted by ブクログ
『ブロンテきょうだいのちいさな手づくり絵本』の、親しみやすく共感できる内容に、思わず読みたくなった彼女たちの作品、まずはエミリーの『嵐が丘』(1847年発表)。
『嵐が丘』と呼ばれる屋敷に住んでいたアーンショー家と、『スラッシュクロス』屋敷に住んでいたリントン家、それぞれの三世代に渡る家族の物語と書くと、イギリスの海外文学ということもあって難しく感じられるかもしれないけれど、これが何とシンプル且つ面白いのが意外で、そこには訳者の河島弘美さんの力もあるのだろうと思いつつ、エミリー自身の書きたいものを書きたいんだという気持ちが、文章のそこかしこに溢れているような、そんな活き活きとした物語が最も大きいのだろうと思う。
物語は1801年、スラッシュクロスを借りた青年(?)「ロックウッド」が、その賃貸人であり、現在の嵐が丘の主人「ヒースクリフ」を訪ねる場面から始まり、一目あった瞬間にロックウッドは彼が自分と同じ『人間嫌い』であることを実感し共感を覚えた一方で、彼とは二度と関わりたくないとも感じた程に、ヒースクリフ独特の人間性は、ロックウッドの脳裏に深く焼き付けられたのであった。
ヒースクリフに限らず、嵐が丘の住人たちは皆気難しく、しかめっ面で暮らしていた、そんな様にはエミリーの故郷である、イギリス北部ヨークシャー州の荒涼とした雰囲気とよく合っているように感じながら、ここまで家族団欒が全く無いというのも奇妙に感じられ、その真相に迫るべくロックウッドが無事帰宅した後は、以前嵐が丘で長年仕えており、現在は彼の家政婦のディーンさんから、ヒースクリフを初めとした彼らの過去のお話を聞かせてもらう形式で展開されていく、そんな構成の上手さも、物語をグイグイと読ませてくれる牽引力に大きく影響している。
二つの家族の物語とは書いたものの、ヒースクリフに関しては、かつて彼が路上に独りぼっちでいたところを「ミスター・アーンショー」が連れてきた過去があることによって、他の住人からは『よその巣に入り込むカッコウみたいな男』と蔑まれながらも、それに全く動じない頑固さや無神経さを兼ね備えつつ、人の善意を利用する強かさや冷酷無比さがあると思ったら、ロックウッドが見た夢に現れた「キャサリン」の幽霊に涙する一面もあったりと、決して単純ではない複雑な人間心理模様をエミリーは見事に描いている。
果たしてアーンショー家に連れてこられたヒースクリフは神様の贈り物だったのか、それとも悪魔だったのか? 下巻に続く。
Posted by ブクログ
18世紀イギリス片田舎のドロドロ愛憎劇。愛は独善的で人間関係は閉鎖的で、カップルとなりうる男女の組み合わせが循環しており純粋に恐いなと思う。そこが面白い。親世代のそれぞれの復讐心混じりの愛が目指していた、または目指せれば生前から安らぎを得られていた価値観が、下巻18章ラストでネリーが指した、19世紀に生きる若者二人の姿だったのかなという印象。主人公ヒースクリフが清々しいほどのヒール振りを発揮してくれていて、あくまで小説だからという前提の下、小気味よく感じられた。彼が心の恋人キャシーへの熱情を語るいくつかの場面は、作中屈指の暗い輝きを放っていて読み応えがある。
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