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宅配所に流れる箱を仕分ける安(あん)。ある箱の中身を見た瞬間から次々に箱が消えていって――顔なき作業員たちの倦怠と衝動を描くベルトコンベア・サスペンス。第62回文藝賞受賞。
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Posted by ブクログ
面白くてサクッと読み終わった。一時、物流業界を志望していた身としては、正直この領域で心身の健康をうまく保てる気がしなかった。単調な作業とオーバーワークは、人から意志を奪い取る。この環境で引き起こされる過ちは「魔が刺した」なんてものではなく、「そうすべきだから、そうした」というニュアンスの方がきっと近...続きを読むい。 終わり方も良かった。とある宅配場で異常が起きようと、変わらずどこかで荷物は集積され、どこかへと出荷されるべくベルトコンベアに真顔で流れてくる。労働、という行為に付随する地獄の1形態が、ひどく乾いた、それでいて妙に身体性を伴って提示される。 作者は日芸の劇作コース出身らしい。読んでいる最中立ち上がるイメージが、映画のようなパッと見現実っぽくみえるものではなく、明らかな作り物の舞台であったのはそれ故にか。
これは誰かの、あなたの、わたしの頭の中で働いているということ。人生とは単純作業である。何かあるかもしれないし何かあった風になっているかもしれないし、若くは夢の中の出来事かもしれない。
読み終わって、仕事してる時を思い出しました。単調な作業の中、現実か幻か分からなくなるような感覚。本当にあったことか夢の中のことなのか。ちょっと難しく、短いながらも読み応えがありました。
第174回芥川賞候補作。地上波初放送が先日発表された映画『ラストマイル』よろしく大量の荷物を仕分ける宅配所の作業員たちを描いた物語。もし作業員に魔が差して荷物を盗んでしまったら?という一応のサスペンス設定はあるものの、建物内を濃霧が立ち込めた辺りから現実と虚構の境界がどんどん曖昧になり不気味な世界に...続きを読む誘われる。資本主義の下で心を殺して働く現代人を痛烈に批評する怪作。
私と何歳も違わない方がこんなにも解像度高く、でも謎に溢れた小説を書けるのか!と尊敬。 ベルトコンベアで荷物の仕分けをする人たちの働く中での心の動き、もがき、葛藤... 色んなものが煮詰まって装丁のようになっていく話。 働き方を考え直すきっかけになったし、周りの人の人柄を考えて仕事選びをする大切さ...続きを読むを教えてくれた1冊だなと感じた..!
語り手の視点が唐突に入れ替わり、現実と妄想の境界がなくて混沌とした世界。ループして抜け出せない感覚に陥って困惑した。陰鬱で殺伐として湿度高めの空気感、息苦しかったけれどこの雰囲気は好きだ。安がモノに妄執する様に「銃」を思い出した。次作が楽しみ。
気味悪い職場はデストピアかと思ったが、読んでいるうちに、これって現代の職場で感じるものそのものではないかと感じた。職場で何かあるとルールで縛られる閉塞感、正規と非正規の違い、仕事のやりがい、コミュニケーションがなくなっている現場。それによる孤立感、などなど。作品での描写は極端だけど、根底に流れている...続きを読むものを感じ取ると、自分が今置かれている状況とリンクする。ルールが作成されれば、現場では業務影響なければ許容する管理者も現実的で、これは閉塞感の中の救いみたいなものだろうか。
物流を担う現場を舞台にしたプロレタリア文学。設定が面白い。登場人物の鬱屈とした感情、無機質で居心地の悪い空間、現代ではなさそうと思わされる警報や怒号。いいバランスだ。霧がかかった室内も不気味さを助長していた。現実と妄想が混濁する展開にもう少し捻りが欲しかったが、真面目な安さんが盗みをはたらくまでに至...続きを読むる描写が良かった。 単館系で上映している不気味な北欧ホラーのテイストで好み。
霧に包まれた宅配所で働く主人公。ベルトコンベアーで運ばれてくる箱の中身を想像することで単純労働に耐えていたが、ある日箱の中身を見る機会が到来する。 芥川賞候補作。テーマの扱い方が上手くて題材も時流に即してるし面白い、巧みな現代の病理の詰め合わせ。六面体の内部に思いを馳せる人間の、ドロドロとした劣情を...続きを読む描くいびつな作品。混在する視点が1つの空間を暴こうとする試みと、コンベアに乗せられたような人間の労働を描く(110頁★3.8)
薄霧たちこめる宅配所で仕分け作業する安は箱の中身を妄想することで単純作業の憂鬱を紛らせていた。 それがいつしか… 夢か現か、4人の視点が交錯し不条理な会話劇を観てるような、霧の中で迷い続けてるような、困惑するけどクセになる読み心地。 作品紹介を読んで面白そうだな、と思い読みはじめたら想像の斜め上を行...続きを読むく展開だった。 終盤の三行に「え?」と声が出た。 そういう、こと?と一瞬意味を掴みきった気になったけど、やっぱり霧の中、、まだ理解が追いついてないかも…? デビュー作にして芥川賞候補作、、 今後の活躍が楽しみです。
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