ケアと編集

ケアと編集

ビジネス・実用
1,056円 (税込)

5pt

もはやこれまでと諦めてうなだれたとき,足元にまったく違うモノサシが落ちている.与えられた問いの外に出てみれば,あらふしぎ,あなたの弱さは克服すべきものじゃなく,存在の「傾き」として不意に輝きだす──.〈ケアをひらく〉の名編集者がみんなの弱さをグッと後押し.自分を変えずに生きやすくなる逆説の自他啓発書.

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  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    学術・語学 / 医学
  • 出版社
    :
    岩波書店
  • 掲載誌・レーベル
    :
    岩波新書
  • タイトル
    :
    ケアと編集
  • タイトルID
    :
    1859782
  • ページ数
    :
    254ページ
  • 電子版発売日
    :
    2025年04月25日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    4MB

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ケアと編集 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    面白かった。
    著者がこれまで編集してきた作品を引用しつつ、そこで得た気づきから、ケアとは何かを探り同定していく、そんな本だった。
    ケアとは現在嗜好など、なるほどと思わされる内容が多い。
    この本で紹介される作品からの引用に名文が多く、まんまと興味を持たされてしまう。
    特に『逝かない身体』は読みたいと思った。
    この章がとても心を動かされた。

    0
    2026年09月05日

    Posted by ブクログ

     どうしてわたし、白石正明さん及び「ケアをひらく」シリーズを知ってるんだったっけと思い起こしてみると、横道誠さんの『みんな水の中』を読んだからだった。その本もこのシリーズの一冊で、巻末にシリーズの紹介があり、それが記憶に残っていた。
     だから本書についても、だいたいの方向性の見当はついているつもりで読み始めたが、期待以上に好きだった。「ケアをひらく」シリーズ、積極的に読んでいきたい。
     ケアって何?と聞かれて、まだぴしっと説明できないけれど、この本を読むとなんとなくわかってくる。白石さんは長年の経験から「編集はケアだな」と気づいたわけだが、もし別の仕事を、ある程度の適性をもってされていたら、それについても「○○はケアだな」と思ったんじゃないだろうか。どんな仕事に対してもケア的姿勢で取り組む人、取り組みがちな人、あるいはそうならざるを得ない人、や状況、っていうのがある気がする。向いてる向いてないはあるにしても。わたしももしかしたら、「これもケア、あれもケア」って気づくことができるかも。

     以下、備忘メモ。
    ・反ではなく非
    ・ありのままでいいよを通り越して、どうなってもいいやというなげやりなかんじ。理想や可能性と現在とのギャップを見ている感じがしない。
    →結婚式のとき恩師が言ってくれた言葉おもいだす
    ・「障害を肯定する」はちょっとちがう。否定しないことと肯定することはちがう。肯定という評価をしなくてももう存在しているのだから、存在が評価より勝る。
    ・物自体には手を加えず、置く場所を変えるだけで価値を生み出すという商人的なセンスが、ケアに関わる人には必要。
    ・与えられた問題設定の中で生きられない人。ケアする人は医療が前提とする問題設定ではどうにもならないことに気づいている。
    ・自立とは、依存先をたくさん持てていること。
    ・浪費はもの自体を目的とするが消費はそれを手段とする。会話を、手段ではなく目的として楽しむ。現在を、未来のための手段としない。
    →復職準備への不信感!!!(このメモどうつながるのか思い出せないけどめっちゃエクスクラメーションつけてるから残しておく⋯)
    ・グランディン『動物感覚』。言語によって世界は簡略化される。自閉症でない人は自閉症の人の一万倍鈍感。

    0
    2026年07月25日

    Posted by ブクログ

    ケアも編集も言い表すことが難しいことなのだと思う。それでもこの2つは似ていると作者は言う。人のお世話をして走り回るところは私も似ていると思った。
    編集というものはしたことがないので遠い感覚だし、ケアもあまり受けられなかったので私にとっては遠いものだ。
    なんとなくでも作者の言うところが想像できて、うるうる涙ぐめたのがよかった。

    0
    2026年06月07日

    Posted by ブクログ

    のっけからいいことばかり書いてある。
    ケアと医療の大きな差異、ケアと編集の大きな共通点に気づかされる。

    P4 「未来の目標のために現在を手段にする」という姿勢そのものから、ケアはかけ離れているからだ。むしろケアは「現在志向」だと思う。今を少しでも楽にする。痛いことはしない。この場にある不快をとにかく除去する。そこにいられる「現在」を作る。【中略】ケアに対して「刹那的」という表現を中てるのは正確だと思う。

    P8 生きているということはそんな過酷さと恍惚の間をさまようことにほかならない

    P12 福祉の世界では医療が捨て去ったノイズこそが正面から取り上げるべき対象になる【中略】医療は本人の願望を押しのけて必要な処置をする客観性ベースの世界であるのに対して、福祉の世界は関係性ベースである。

    P32 しかし向谷地さんは(「悪いところばかりでいいところもみましょう」ではなく)当の問題になっていることそのものが「いい」という論法をとる。

    P75 そうした感動に向けて物事の組み換えを行い、モノサシ、つまり分母を変えることを目指すのが、編集という行為ではないのか?!

    P91 困難は一つだと苦しいが2つ以上あると何とかなる(春日武彦さん)【中略】編集の仕事も小さな困難の集合体だ【中略】ヘルパーさんの仕事と編集者の仕事は似ていると思う。特に「あちらを立てればこちらが立たず」的な人間関係のあり方が。

    P110 ケアとは未来の安寧を考えるより現在の不快を減らし、現在の怪を享受するシステムである。ケアとは、現在を未来の手段にしない、つまり社交や対話と同じようにケアは、現在を「目的」とする思想であり行為なのである

    P118 「病気は回復の一過程である」(ナイチンゲール) 生体というものは基本的に良き方向に進むように作られているというこのナイチンゲールの言葉を真に受ける道もあるのではないか。

    P123 生きているとは、インプットとアウトプットが絶えずなされて止まらない、それ試合極めて動的なプロセスだ【中略】「治さなきゃ治らない」といったことを言いたがる人たちは、実は人を改変したいという欲望に負けているだけではないか。

    P164 言葉にするときは一つの時間軸に各要素を並べなければならないので、逆に私たち自身があたかも一直線に行動しているように思ってしまうけれど、それは一列に並べなければ成立しない言語という不器用な表現道具に引きずられた誤認に過ぎないのではないだろうか。

    P180 相手が何かの意思を持って、意図的にこちらに向けて発したメッセージを受け止めるところにコミュニケーションが始まるのではない。身体的なサインをこちらで勝手に解釈し、好きなように意味づける人がいる限り、コミュニケーションは終わらない。

    P190 私たちが何かをなす前に既にして世界は豊穣で完全であり、ただそれを部分的に受け取ることによって人は快を得ている。【中略】成長という言葉も教育という言葉も”善きもの”とされているが「現在のままでは不足である」「今のままではよくない」という前提が共有されている。【中略】ALSを生きるということは徹底的に受動的な体験だが、それは忙しかったりするのかもしれない。

    P200 援助職の人がおそらくいつもの仕事のように、額に傾聴&共感マークを貼り付けて首がちぎれんばかりにうなずく「援助者しぐさ」

    P240 今ケアとは何かと聞かれたらこう答えるだろう。「それ以外には改変を加えず、その人の持って生まれた<傾き>のままで生きられるように背景(言葉、人間関係、環境)を変えること」と。編集もおそらく似たような行為なのだろう。文章に改変を加えるより先に、その人や文章の<傾き>が輝きに代わるような背景(文脈、構成)を作っていく作業が編集の本態ではないか。

    0
    2026年04月18日

    Posted by ブクログ

    素晴らしい本だったなぁ。

    自分のなかでもわっとは感じていたけど、うまく言葉になっていないものを、たくさんの印象的な事例をもとに、言語化してくれている。

    「あぁ、本当にそうだよなぁ」と何度も感じた。

    特に「受けの豊かさに向けて」。

    世の中では「主体的・能動的であること」が褒められて「受動的であること」はおしりが叩かれそうなイメージがあるけど、ずっとそうじゃない感覚があった。

    むしろ「受動的であること」たとえば、物事を観察したり、発見したり、受け取ったり、自分のなかで咀嚼したり。そういったことの先に、応答する何かが生まれるのであって。

    「能動的であること」ばかりが叫ばれると、中身のスカスカで、心がこもっていないものが、ただ乱造されるだけ、なような気がしていたのだ。

    そのような「能動的・主体的」へのモヤモヤをずっと抱えていたので、この本に書かれる「受けの豊かさ」からは、なにか勇気をいただいたような気がしたな。

    ケアと編集。
    自分の仕事や、子育てや、表現活動など、ありとあらゆる局面で、この本を援用するなら、どうなるだろう?といったことを考えていきたいなと思った。

    0
    2026年03月22日

    Posted by ブクログ

    ・「今、ここ」で困っている人を助けられる人は、太陽や空気や地面と同じように、この世界をどうにか存続させている基底的な条件である。
    こうした人達が世界のバグを終始補修して、手入れをしている。ケアはこうして「今、ここ」を成立させている。

    ・そうやって整えられた舞台の上で、自己啓発とかリスク管理とかコスパとか一攫千金とか革命の夢とかが、スポットライトを浴びながら歌ったり踊ったりしている。

    ・可能性といった時点で、今よりよい将来像のほうに軸足がある。
    よい将来像から現在の姿を見返して、その不足分を可能性と言い換えているにすぎない。

    ・依存症の人は依存先が少ない。

    ・会話を手段ではなく目的として楽しむ。

    ・質的に近いと量の問題は無視されがち。

    ・言語によって世界は簡略化され、枠付けられ、その結果、自閉症でない人間は自閉症の人から見て一万倍も鈍感になっているという。
    ということは、このようにして単純化され薄まった世界において優位に立てるということだ。

    ・ケアとは何か「それ自身には改変を加えず、その人の持って生まれた傾きのままで生きられるように、背景を変えること」

    0
    2026年02月28日

    Posted by ブクログ

    かなり良かったな。臨床哲学はかくあってほしい。多くの当事者研究は他者経由の自己理解になり得てない気がするし。中動態と一言でまとめれば俗的だけど、結局そういうことなのだろう。環境にアプローチしつつ、感受する能動的受動を心がけていくぞーー。

    0
    2026年02月25日

    Posted by ブクログ

    ずっと読んでみようとおもいつつよめなかった本。彼が編集担当した本などから引用しながら論が進んでいく。面白い!!強い編集、弱い編集、噛み合わせを変える、ちょっと信じる、手を動かすより口を動かせ、中動態

    0
    2026年01月29日

    Posted by ブクログ

    とにかく、そうだ私はこんなことがしたかったんだ、私が目指すのはここなんだ、と思えることのオンパレードで、自分でもなんでこんなところで泣けてくるのかわからないような(そしてそれは実際、後で読み返してみても、その部分の何が私に涙をもたらしたのかが全くわからないような)箇所で、心震わせられる体験が続く。
    支援の場でよく言われる「ありのままでいい」という言葉が、その「ありのまま」すらさらに超越して、ありとあらゆるその人に関する全てを許すというケア。それを実践しているべてるの家。
    そうだった、そうなんだ、これなんだという思いが止まらない。

    「治療」という名目で改変するのが医療、それ自体には手をつけずに周囲を、環境を改変するのがソーシャルワーク、そしてケアであると。医療も福祉も通ってきた私にとって、納得すぎるこの言葉。さらに著者は、理解されることは最大のケアだと言い切る。
    この言葉を聞けてよかった。私が知りたかったのはそこだ。それでいいのかどうか、確かめたかったのがそこだ。

    著者が編集している〈ケアをひらく〉のシリーズは、好きで結構な数を読んでいる。
    巻末で参考文献として挙がっている本も、既読ものが多い。そして、とても感銘を受けたものばかり。
    著者が編集に向き合うとき、それはまさに「それ自体」には手を加えず、「周囲」を変えて「それ自体」がもっとも活きる形に整えていくというケアの手法に他ならない。
    変えるのは環境。本人はそこに存在しているだけでもう十二分に価値がある。どうやってそこにいるか(評価)ではなくそこにいる(存在)そのものが価値。
    このことを肝に銘じて、また明日から人に向き合っていこう。

    この本は今年のベスト3にいれないとなあ。困ったなー、3冊に絞れない。

    0
    2025年12月16日

    Posted by ブクログ

    ノンフィクションであり、エッセイであり「ケアをひらく」シリーズのブックガイドのようにも感じた。
    自らの、そしてその事物そのものの位相や環境を変えることで世界が変わる。

    0
    2025年12月03日

ケアと編集 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    学術・語学 / 医学
  • 出版社
    :
    岩波書店
  • 掲載誌・レーベル
    :
    岩波新書
  • タイトル
    :
    ケアと編集
  • タイトルID
    :
    1859782
  • ページ数
    :
    254ページ
  • 電子版発売日
    :
    2025年04月25日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
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