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Posted by ブクログ
大学卒業後も司法書士試験を受け続けて5年経ち、断念することに決めて図書司書として母校の小学校に勤務することになった中島まふみ。
実家に帰る気はなく、シェアハウスに住むことになるが、そこの大家が製本家の綺堂瀧子で「ルリユール工房」で孫の由良子と製本をしていた。
小学校で関わったディスレクシアの児童に窓あき文庫のボール紙で由良子が作った世界の覗き窓で本を読めるようにするのには感動した。
由良子がずっと引きこもっていた理由も彼女が相貌失認を患っているからで、だからこそディスレクシアという疾患にも直ぐに対応できたのだろう。
二冊の本を結婚させてほしいという古本カフェの店長の依頼にも戸惑うことなく受けて完璧な製本に仕上げるのも凄い。
そして美しくて素晴らしい出来栄えなのが文章だけで感じられる。
最後には、白紙の原稿の製本を依頼した青年が持ち込んだ最後の原稿を仕上げて送ったものが、古本カフェに置いた中島が窓あき文庫で装幀した『密やかな結晶』の白い本の代わりに、葉室宙『とある物語の終わりと始まり』と美しい灰色のシークレット・ベルギー装になって置かれていた。
もちろん白紙ではなく、万年筆で文章が綴られて。
装丁、製本のことも興味をひかれたが、関わる人の苦労が消え去るほど人情や温かさを感じられる物語だった。
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