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大震災直後に殺人を犯し、死刑を覚悟しながらもある人物を探すため姿を消した青年。自らの家族も被災した一人の刑事が、執念の捜査で容疑者に迫る。壊れた道、選べなかった人生――混沌とした被災地で繰り広げられる逃亡劇! 『孤狼の血』『盤上の向日葵』の著者が地元・東北を舞台に描く震災クライムサスペンス。
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Posted by ブクログ
育つ環境が違えばもっと幸せな人生があったろうに。なぜか宗教二世の狙撃犯のことを思った。もちろん環境のせいだけではないのだろうが。フィクションなのにどうかその最期は安らかな心持ちであってほしいと切に思った。
震災直後という極限状態の中で、逃げる青年と追う刑事、それぞれの苦しみや葛藤が丁寧に描かれていて胸が苦しくなった。 過酷な運命に翻弄されながらも、生きるために前へ進もうとする姿が心に残る、重厚で切ない物語だった。
真柴の生まれが不幸だったのだろうか。その境遇に追い込まれたのは真柴の責任なのだろうか。生まれてから死ぬまで幸せいっぱいの人生を送る人はいるだろうし、どう頑張っても一般的に不幸な人生を送る者もいる。真柴は後者の方だ。真柴の力が及ばないところで転げ落ちていく。あちこちの不幸を不幸で転がしていくような、そ...続きを読むんな救いのない物語だった。そんな無慈悲な世界を読んで、自分はそこそこ幸せなのかと感じるか、一寸先は不幸の波に飲み込まれるのか、読者ごとの読後感がありそうだ。
真柴も日沼も最初にしくじった。 人の命より家族のことを優先してしまった。 悪くはないのに転がり落ちていく人生。 直人だけが本質を見抜いていた。その直人が幸せな夢を見させてくれてそれだけが救いだった。
最後なんとも言えない気持ちになりました。虚しさ、哀しさ、私の語彙力では表現することが難しく…始めから読みやすいなと思い進めていましたが、最後にこんな感情が湧くとは思いませんでした。
震災の混乱の中で起こる殺人事件。刑事たちも、犯人も、被害者も、誰もが被災者で、それぞれ誰かの死に直面している。人生は選択の連続というけれど、好きなものを自由に選べる人間と、かろうじて得られるものを消去法で選ぶしかない人間の差は歴然とあるわけで、立場によってストーリーの受け止め方は変わってくるのだろう...続きを読む。自分はどうすれば幸せになれるのか、わからない人は意外と多いんじゃないかな。
悲しすぎる… この本を読み始めた日の夕方、熊本大震災が起こり、何だか怖くなってしまった。 東日本大震災が起こった背景のお話し。 人を殺めてしまった亮、正当防衛とは言えないんだろうかと思ってしまった。 父親からの手紙を読めて良かったが、もう少し早く届いていたなら、亮の運命も変わっていたんだろうなと...続きを読むやるせなくなった。 子どもが幸せになってほしい気持ち、とてもわかる。そう思っているよと態度にできなかったけど、それでは伝わらないと思った。今からでも遅くないなら、伝えていきたい。
震災から数年経った今でも、あの頃メディアで流れていた映像が甦ってきて、居たたまれなくなり、読むのがしんどくなります。 主人公の境遇が不憫で、もう少しコミュニケーション能力があれば…きちんと説明することができれば、いずれも正当防衛なのに…。 世の中で実際に起こっている犯罪も、こういう不幸の連鎖で犯罪...続きを読む者となってしまう方もいるのかもしれないと思いました。
感想 筆者らしいなかなか打ちひしがれる序盤!そして報われない展開・現実。 負の連鎖はあるんだな。亮のじいちゃんがひねくれ者だったことも悪い一因。 あらすじ 真柴亮は福島県の養護施設で育った。工場で4年働き、ようやく正社員になれたが、先輩の甲野に無理矢理誘われて、キャバクラへいく。甲野がそこで半...続きを読むグレと問題を起こし、喧嘩して亮も逮捕される。会社も解雇される。警官の陣内は亮の取り調べをする。亮を送致した頃、大地震が起きる。圭祐は父親と漁師をしている。地震発生時、自分は船を守るため沖に出た。父親に母を託した。 地震の対応で警官が帰れない中、陣内の娘の麻利も行方不明になっていた。そんな頃、亮に傷つけられた半グレの一人が海辺の病院にいたところを津波にさらわれて亡くなる。それが亮のせいだとして友達の半グレが亮を殺しにくるが揉み合いの末に亮がそいつを殺してしまう。亮は故郷に帰るがそこで警官に職質され、揉み合ううちに警官を射殺してしまう。圭祐は安置所で両親の遺体を発見する。その後、妻の遺体も発見するが、5歳の息子が見つからなかった。 亮は、父親からもらった手紙を持っていた。死ぬ前に会いたいと書かれており、場所は岩手県となっていた。亮は検問をすり抜けて北へ向かう。空き家でなおきというしゃべらない少年直人と出会う。彼らは一緒に大渡市を目指す。陣内の子供の麻利が遺体で発見される。陣内の妻は仕事優先で麻利を探さない陣内に不信感を募らせる。 亮は直人を連れながら逃げつつ、父親がいると信じた病院にいく。陣内は亮の過去と父親の日沼について調べる。圭祐は直人を探し歩き、ようやく直人の痕跡を見つける。陣内は日沼から看護師に託された手紙を亮に渡す。亮は直人を解放しようとしたところを撃たれる。
東日本大震災直後、ほんのはずみで半グレと警官の2人を殺してしまった真柴亮を追う、さつき東署の刑事陣内康介警部補。 自分の出生時に父親が起こした交通事故から人生の歯車が狂ってしまった亮は、音信不通の父親から届いた手紙を頼りに福島から岩手へと向かう。 一方、発災時に船で沖へ退避した漁師の村木圭介は、...続きを読む両親と妻を亡くし、行方不明の幼い息子直人を捜し回る。 逃亡中に立ち寄った小屋で直人と遭遇した亮は、人見知りで口の重い直人になぜか懐かれ、やむなく直人を連れ歩く。 追手の気配に絶望的になりながら、直人との未来を夢見始める亮。 人生のどこで道を誤ったのか、これからどこに行こうとしているのか思い悩む亮の境遇に、震災で愛娘を失った陣内は自らを重ね合わせる。 発災後の混乱の中で進む逃亡劇。 警官を含む連続殺人事件に近隣県の警察は総力をあげて亮を追う。 官房長官の早期解決の命を受けた警察庁は、警視庁SATの狙撃隊を送り込む。 緊迫度を増す終盤に、そうはならないことを願いながらも、読者は最悪の結末を予感する。 書かれてみればその結末は最も説得力があり、作品の完成度を高めるものだった。
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逃亡者は北へ向かう
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柚月裕子
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