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人生にあるいくつかの大事な分岐点。そして私は今ここにいる。
――8作からなる短篇小説集、待望の文庫化!
ビートルズのLPを抱えて高校の廊下を歩いていた少女。
同じバイト先だった女性から送られてきた歌集の、今も記憶にあるいくつかの短歌。
鄙びた温泉宿で背中を流してくれた、年老いた猿の告白。
スーツを身に纏いネクタイを結んだ姿を鏡で映したときの違和感――。
そこで何が起こり、何が起こらなかったのか? 驚きと謎を秘めた8篇。
「一人称単数」の世界にようこそ。
※この電子書籍は2020年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
最後の表題作「一人称単数」のパンチがすごかった。やはり村上春樹は「他者」の描き方がすぐれている。まったくの部外者でなく、逆に全くの身内でない他者。心当たりはないのに、邪顕に出来ない。それでいて自分に意味を持つ他者。
同じことは「クリーム」にもいえる。ピアノの演奏会に招いた女の子。公園でまっすぐに告げるおじいさん。他者。
「石のまくらに」。なぜ、まくらが漢字ではなく、ひらがななの?短歌の中の言葉だから?五感と語感?
「品川猿の告白」。この本全体に回想、記憶がテーマ。猿に背中を流してもらい、猿とサシでビールを飲む。昔話のような雰囲気。なにがおきても受け入れられる。我慢できない猿。名前を盗む。7人+1名?また、品川に戻っている?暴力的な手段(力尽くで放逐)で群馬に?犯罪矯正への寓意?
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小説・文芸
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