理論的な背景はいいから結論を三行でまとめてくれ。そんな本。
主眼であるオプティマルfについていえばこんなカンジ。
①期待値が負のゲームではいかなるマネーマネジメントを用いたところで勝てない
②期待値が正のときにリターンを最大化できるのは総資金の一定比率賭けである
③総資金に対する最適比率はオプティ
...続きを読むマルfである
勇敢なパイロットというか、両手ぶらりノーガード戦法というか、とにかくリターンの最大化を最重視するもんだから、理屈ではそうでしょうがね、なんてトレーダーにいわれる始末。
独立試行という前提においてはドローダウンという危惧は無意味である。確率的には限界がないため、1/2のコインでさえ20連敗30連敗が余裕でありえるのだから、そんなことを前提に考えたところで何の意味があるの?それよりも、とにかく貴様ら、どうすればリターンを最大化できるかというこのアイデアの素晴らしさをもっと知るべきだと思います。
てなカンジだから、ま、しょーがないっちゃしょーがないんだろうけど、実践ではむずかしいもんがある。リターン最大化しようとしたら全資金ぶっ飛ばしちゃった、なんて抜かしたらファンドマネージャーなんかぶっ転がされてしまう。
後半では破産確率やらプロのインタビューなんかがでてくるけど、そもそもからして目的がちがうのだから、いくらすりあわせてみようとしたところでやはり別物でしかない。トレーダーの目的は、資金をぶっ飛ばすことなく、いかに安定的に増やすことができるか、なんだから。
じゃ、無価値なのかっつったら、そんなことはなく、まえがきにもあるように、トレード手法の優劣の観点が99%を占めていた業界において、トレード手法を一切語らず、どんなトレード手法にも数学的に最適なマネーマネジメントが存在しうると主張したこの本は、新たなものの見方・考え方を獲得することができるという意味だけで、充分に価値がある。