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湖畔の介護施設で暮らす寝たきりの男性が殺された。捜査にあたった刑事は施設で働く女性と出会うが、二人はいつしかインモラルな関係に溺れていく。一方、事件を取材する記者は死亡男性がかつて満州で人体実験にかかわっていたことを突きとめるが、なぜか取材の中止を命じられる。吸い寄せられるように湖に集まる男たち、女たち、そして――。読後、圧倒的な結末に言葉を失う極限の黙示録。(解説・諏訪敦)
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Posted by ブクログ
『もし揺れていなければ、存在しない』 『小鳥の声や波音が、わたしやあなたの心に沁みてくる。ただ、沁みてくる。これが世界の始まりだ』 最終章、夜から朝になる琵琶湖を描写した表現が美しすぎた!!!!!! かと思えば、徹頭徹尾、性欲というより「情欲」という言葉の方が相応しいような妖しさが漂う。こういう沼に...続きを読むハマる感じは、なんか、わかる気がする。 沼に嵌めてるつもりの男が、実は女の沼に嵌められてるという。 地元滋賀が舞台。映画は見たことあるが、吉田修一作品を読むのは初めてで、濃密さに感動した。正常な人は、週刊誌記者の池田しかいなかった。
介護施設での殺人事件を追う内に、過去の薬害事件、満州での人体実験まで、遡ることになる。裏の力が働いて、事件の捜査、取材は打ち切りになる。真犯人は少女と少年たちなのか? 刑事と施設で働く介護士の歪んだ性欲も描かれていく。 人の性を描く、吉田修一は俊逸で面白い。
最後までドロドロした空気で覆われて、さすが吉田修一!と感じさせられた一冊。どう考えても一般的な日常からはかけ離れた世界なのに、何故か引き込まれて一気に読み終えてしまった。 ホワイダニットの観点から見ると、そんなアホなと思う一方で、もしかしたら有り得てしまうなぁと恐ろしく感じるところも。 インモラルな...続きを読む関係はなくても成り立つ話だけど、それがあるからこそ独特の世界観が成立するんだろなと。さすが。何はともあれ、楽しかった。
評価が低めだったので、恐る恐る読みましたが、私としては満足。吉田修一さんのこの人間の描き方が好き。絶望を感じる人間の醜い部分に反して美しい湖の描写が印象に残る。本来人間もこの湖の様に美しさと、底知れぬ怖さを持っているのだと、雨が降り、風が吹き、環境が荒れると波が立つように、人も環境に左右され荒れるの...続きを読むだと、そんなことを感じとりました。 何気に伊佐美さんの描き方良かったな。どうしようもない権力や金や悪に負けた時、人は捻くれてしまうものだと思う。正しさとか、純粋さとか、諦めを装って生きていかなければやってられないこともある。 映画化されるとのことだが、なんとも不安な配役。松本さんは好きだけど、あの声じゃエロスすぎます。笑 パッとしない地味な女の内に秘めた願望を想像していたので、松本さんじゃ秘められてないよ。ダダ漏れです。お色気シーンメインになってしまいそう。この作品のどうしようもない人間の業の深さをジメジメと描いた良さが消えてしまいそうだなーなんて思いながらも怖いものみたさで観るけどね。
感想を思いめぐらしていたら、もう一度始めからしっかり読んでしまった一冊。 感想書きプロではないのに間を置かずに再読するなどと、長い読書人生初めてのこと。 社会派ミステリーに属する内容と思われるのだが、登場する刑事たちがなにしろ悪徳者そのもの。 でも、なぜか排除できないものもあるのだ。 罪ありきの...続きを読む過酷な取り調べ、冤罪になりそうな筋書きを作る刑事たち。おまけに聴取している参考人との不徳な関係は何なんだと思う。 その警察官圭介と事件関係者佳代との不倫関係は、強烈なサディズムとマゾヒズムの関係。不道徳極まりないと嫌悪するも、なんと生き生きと描かれていることか。 そしてその陰に隠れるように、もみ消される近年の薬害禍、戦前の細菌戦人体実験が揺曳する内容。 読後自分に問いかける、そんな現実もある、そういう現世を過ごしてもいるのじゃないかと。 「清張刑事もの」とは真逆だ。 思いついて松本清張作品の刑事ものを読みたくなり、『砂の器』を再読してみて(これも超特急で再読!!)登場する刑事さんたちの汗水たらし、体を張って苦労して一歩一歩地道に捜査する姿に、なにか心静まる気がしてくるのだった。けれどもいい人ばかりいて、社会の悪を成敗するなんて、おとぎ話なのかもしれない。 もう一度、琵琶湖に行ってみたくもなった、琵琶湖の景色描写が印象的。
先が気になってすらすら読めてしまったけど、わからないところがたくさん残る作品だった。 中学生たちはなんであんなことをするのか? 圭介と佳代はなぜそんな関係になるのか? 解説が欲しい、、
一体何を読まされていたのか。その手の性癖を持つ人が読めば共感できるのだろうか。佳代の心情を読んでいると、自ら望んで圭介の元へ行っているが、強要と合意の境界線は非常に曖昧で他者からは判断できないように思う。マジョリティの感覚で言うと、圭介のような警官は到底容認できない。731部隊などは確かに端折って...続きを読むも良かったような気はするが、琵琶湖やハルビンの湖など「湖」に囚われた人たちの澱んだ物語だったと解釈すればいいのか。吉田さんの作品らしく、重苦しくじめっとした湿気と水分を始終感じられる文章だった。
三分の一までの丁寧さで上下二巻くらいのボリュームで頑張って書いて欲しかった。 満州の下りあたりから、作者によくある面倒くさい病が現れた様子。
犯人?の動機が少しわかりづらかったけど こんな人もいてるんやなぁ ~みたいな感じで読み進めた。 モヤモヤした終わり方だったなぁ。
幹となる話の結末が恐ろしく思えた。 介護施設で働く人や警察官は過度のストレスを抱えるからこそ、作中描かれた様な暴挙を行ったのではないかと思う。
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「湖の女たち」
2024年5月17日公開 出演:福士蒼汰、松本まりか、浅野忠信
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湖の女たち(新潮文庫)
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吉田修一
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