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結婚しない人は恋をすればいい。水曜日の食事だけを男に与えられ、自分の恋に思いを馳せる女。冴えない男だったのに、いつの間にか心惹かれていることに気づく女。不倫と割り切る寂しさ、恋を恋する喜び。男と女の綾なす恋模様を、円熟味あふれる筆致で描く、大人のための12編の小説集。
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Posted by ブクログ
本当の意味での大人の恋愛小説だった。 ほとんどの作品が結末が暖味に描かれていて、大人の恋愛って結末を設定したくてもできないんだなって思った。 若い頃の経験や思い出がその人の恋愛観に大きく影響していて、どこかで道を間違えたらそれに気づけないまま歳をとって気づいたときには取り返しがつかないこともあるんだ...続きを読むね。 この小説を読んで私ってまだまだ若いし、経験も足りてないんだなって思わされた。 でも逆に若くて何でもできる今だからたくさんの経験をして自分の進む道を正しいものにしたい。後悔ないよう生きたい。今できる恋愛ってまだ私は別れるか結婚するかの結末のあるものだから。 不倫とか遊びとか私は絶対したくないって思った。 好きに真っ直ぐに生きて、経験していくことってできるかな。できてほしい。そうしたい。
数年ぶりに再会した彼は変わらず左手の薬指に指輪が⋯。それでも平日に面会を重ねずにはいられない2人。彼は週末までは、自分にくれるつもりはないから…。甘酸っぱくてほのかに寂しい、大人の恋愛を描いた短編集。
ひとつひとつはとても短いお話なので読みやすいけれど、「あ、これで終わりか」と肩透かしをくらう話もあった。でも結論の出ない、ハッピーエンドもバッドエンドもない、っていうのが現実の大人の恋愛であるような気がするので、12のお話のどれもがリアルに感じられて良かった。「結婚=幸せ」ではなくて、「結婚=見て見...続きを読むぬ振りをすればそれなりに幸せ」なのかなと「彼の日曜日がほしい」と思っている私は思った。
不倫でも様々な形があると知ることができた。この本はバブル時代の話で今は変わっているのかな。他にない林真理子さんならではのストーリーで面白かった。
・おとなが恋して 周りに媚びず、真っ直ぐに自分だけを見てくれる人は本当に理想。 "彼は私を不幸にしてはいけないと思っている" どんなに嬉しくて幸せでもそれは不幸の始まりなのだと。 危ない橋は渡ってはいけない。 ・萩の月 "もしかしたら、もしかしたら。今のような感情があ...続きを読むと五回生まれてくれたらきっとなる。" 最初は何とも思っていなかった人でもふとしたときに未来を想像するようになったら可能性は生まれる。 愛したいけど愛されたい。 男女の関係はいつだって複雑。 ・蟹の宿 不倫旅行と謎の男と。 謎の男怖すぎた。 後ろめたい気持ちがあるならやめればいいのにと思うけれど誘惑に負けて危ない橋を渡ってしまう。 人間に欲望がある限りなくならないのではと思ってしまう。 理性ではどうしようもできないことってあるのかな。 ・その灯り そもそも既婚者が不倫すること自体許せないことだけれど不倫相手が別れを告げた途端ストーカー気質になるのは本当に気持ち悪いと思った。 そういう人に自分の全てを曝け出してはダメ。 不倫相手になってる時点でいろいろ気付かないとって話だけど。 ・彼と彼女の過去 出会いの場所、デンマークのコペンハーゲン。 一度でいいから言ってみたい!と思った。 過去にどんな若気の至りがあったとしても、今ちゃんとしているならいいと思う。 若いうちの過ちは大きく見て勉強や経験になる。 厚みのある人になりたいと思った。 ・眠る妻 出産後に縦にも横にも肉をつけ、口を開けたまま眠り、髪にも気を遣わない。 いま幸せなのか? それは本人が決めること。 だけれど誰かにそんな風に思われるようにはなりたくないなあ。。 ・吸い殻の物語 結局男は肌も指も首すじも爪も美しい女が好きなんだろうな。 目の前に子どもを身籠った妻がいるのに平凡でつまらないと思うなんてひどいなと思った。 だから不倫はなくならないんだろうな。 私自身を、私だけを、私の全てを愛してほしいね。 ・さくら、さくら ふとしたはずみが思わぬ方向へいくことって、たまにある。それが良い方向ならいいけれど。 軽はずみの行動で自分が困るくらいならしなければいいとは思うけれど、そうも上手くはいかないのが人間だね。 よく考えて行動したいものです。 ・週末まで 不倫は週末が暇、確かに。 家族持ちのほうは週末は忙しいだろうけれども、不倫相手は土日が暇になる。逆に土日だけ暇な人もいる。 需要と供給が合えばもう何でもアリなのか? そこには立ち入りたくないなと思った。 ・恋物語 良い女と言われる人が必ずしも細くて綺麗とは限らない。 丸顔で二重顎、小太りでも、魅力はある。 それは微かな希望でもあるが、それと同時に見た目の重要さを思い知った。 ・トロピカル・フルーツ 時として香りというものは、記憶を鮮明に呼び起こす。 あの人がつけていた香水の香り、お風呂上がりのシャンプーの香り、その人自身の香り。 彼の香りの記憶その全てを私で埋め尽くしたいと望むけれど、触れられない過去や秘密もある。 ・別れてはみたけれど 12個の物語の中で1番よかった。 あなたとは違うとか私は特別とか思いたいけれど、そんなことただの傲慢でしかなくて。 自分を大切にしてくれる目の前の人を大切に、みじめは笑いに変えて、生きていけばきっと幸せになれる。きっとね。
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