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舞台は19世紀ヴィクトリア朝のイギリス。貸本屋で働く青年ニーダムと姪のメープルは、文豪ディケンズとアンデルセンのお供でスコットランドへ赴く。氷山に包まれた謎の帆船、月蝕島と呼ばれる不気味な島、冒険の旅の結末は? ヴィクトリア朝怪奇冒険譚三部作開幕! イラストつき!
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Posted by ブクログ
氷河に閉じ込められた帆船を想像するだけで胸が躍る。ビクトリア朝時代。メープル・コンウェイは明るく聡明な少女で、読んでいて心地良いヒロインだった。語り手であるメープルの叔父エドモンド・ニーダムも、普段は穏やかな紳士に見えるが、いざ戦いの場になると、クリミア戦争の帰還兵らしくとても格好良かったよ。そこに...続きを読むディケンズとアンデルセン、その他の史実が登場人物として加わり、娯楽と怪奇と歴史を一緒に楽しめた。
高校時代、田中芳樹さんの作品にのめり込み、読みあさりました。『創竜伝』、『銀河英雄伝説』、『アルスラーン戦記』、『アップフェルラント物語』、『風よ、万里を翔けよ』、『夏の魔術』シリーズ、『タイタニア』、『マヴァール年代記』、などなど。すべての作品が、魅力あふれる登場人物たち、手に汗にぎる冒険とミス...続きを読むテリーに満ちていて、とにかく実におもしろいのです。 そして、本書もやっぱりおもしろかった! 舞台は19世紀ヴィクトリア朝のイギリス、クリミア戦争から帰還したエドモンド・ニーダムは、本の仕事をしたいという姪のメープルとともに、ミューザー良書倶楽部(セレクト・ライブラリー)で働くことになった。仕事に慣れてきたころ、ミューザー社長から〈世界の二大文豪〉チャールズ・ディケンズとハンス・クリスチァン・アンデルセンの世話をしに行ってほしいと依頼される。ディケンズは、このところ世を騒がせている、月蝕島(ルナ・イクリプス・アイランド)に漂着した、一隻の帆船が封じ込められている氷山を見に行くと言い出した。 本が大好きなメープルが、「本を読むということは、机の前にすわったまま、あるいはソファーに寝ころんだままで、時間と空間をこえて旅をすることなんです」と語るのですが、私はまさに本書でこれを体験しました。ほんっとに楽しいひとときでした。 「ヴィクトリア朝怪奇冒険譚(ヴィクトリアン・ホラー・アドベンチャー)」三部作の第一部であるこの作品には、実話がたくさん織り込まれており、イギリス史上の有名人がわんさか出てきます。フローレンス・ナイチンゲール、アルフレッド・テニスン、ウィルキー・コリンズ、ウィリアム・メイクピース・サッカレー、アンソニー・トロロープ、そしてディズレーリやグラッドストーンといった政治家も。こんな方々と会えちゃうなんて、読書ってすばらしい! この作品は、主に児童書を扱う理論社から刊行されていた、ヤングアダルト向けのミステリー小説の叢書「ミステリーYA!」のうちの一冊として、2007年7月に刊行されたものです。その後、2011年7月に東京創元社から刊行され、それが今回(2020年11月)文庫化されたのでした。理論社版を持っていたはずなのですが、引っ越しのタイミングで手放してしまったのか見当たらなかったので、今、これが文庫で読めるのは本当にうれしい。東京創元社さま、心から、ありがとうございます。第二部、第三部の発売を、心待ちにしております!
ヴィクトリア期の英国、クリミア戦争帰りのエドモンドと姪のメープルが働いているのは会員制の貸本屋。 そこで関わるディケンズとアンデルセン。 彼らとと共に赴いたある島に漂着したのは、氷山に閉ざされたのはスペイン無敵艦隊のうちのひとつ。 史実にフィクションを混ぜた、田中芳樹らしい冒険活劇。 エドモンドは穏...続きを読むやかに見えて強いし、メープルは可愛い。 そして参考文献の数がすごい。 どの作家もそうなのだろうが、この作品のために集めたというよりも、これらを読んでいるからこそ生まれた物語なのだろう。
19世紀イギリスを舞台にした冒険譚。 実在の人物も登場するあたり『ラインの虜囚』と同じ系統で、子供がこの作品を取っ掛かりに当時の歴史や登場する文豪に興味をもってさらに読書というものを楽しんでくれるといいな、という作品。 もちろん大人もワクワクしながら読めます。 昨今の田中芳樹の作品は色々アレなんで...続きを読むすが、これは純粋に面白い。 三部作とのことなので続きも読まねば。
いい意味で田中芳樹らしいお話し。19世紀中ごろのイギリスで、貸本屋に勤める主人公とその姪が、地方貴族のとのトラブルに巻き込まれる話。昔あった「夏の魔術シリーズ」にちょっと似ている。
クリミア戦争から生きて帰ったエドモンドは、姪のメープルとともに会員制の貸本屋で働くことになる。二人の文豪のお供をするととんでもない状況に巻き込まれてしまう。 メープルの聡明さが頼もしい。エドモンドの強さにびっくり。 巻末の地図、無敵艦隊のルビが「アマルダ」?? 本文のルビはアルマダ、私の記憶の中...続きを読むではアルマダ……
ヴィクトリア朝怪奇冒険三部作の一。悪は滅び、善は栄える。勧善懲悪の明朗娯楽大活劇がここに開幕。キャラクターは魅力的で、筋は飽きさせない。文章は読みやすく、読後感は最高、にもかかわらず押さえるべきは押さえてある。まあ完璧な職人芸ですな。
いや、推理文庫とはいえ推理ものとは違うだろ、ということでカテゴリは少し改変。 久しぶりの田中芳樹。 いつものおじさんと姪っ子のペアでの話。 とはいえ、実在する有名人が出ることでいろいろと。 まあ、某ソシャゲの影響があるのは確か。
なんだか古き良き少年少女物の冒険活劇の匂いのするお話。岩波少年文庫みたいな感じで。 史実と虚構が織り交ざってるのも懐かしい感じがするなぁ。 その当時のイギリスではご婦人の就業率は低かっただろうなぁという感想。姪っ子ちゃんは仕事が合って良かったねぇ。シリーズ物だそうですが、今後は他にも有名な文豪とか...続きを読むが出てくるんだろうか。楽しみです。
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