〈出雲〉という思想 近代日本の抹殺された神々

〈出雲〉という思想 近代日本の抹殺された神々

1,210円 (税込)

6pt

3.8

明治国家における「国体」「近代天皇制」の確立は、〈伊勢〉=国家神道の勝利であった。その陰で闇に葬られたもう1つの神道・〈出雲〉。スサノヲやオホクニヌシを主宰神とするこの神学は、復古神道の流れに属しながら、なぜ抹殺されたのか。気鋭の学者が〈出雲〉という場所(トポス)をとおし、近代日本のもう1つの思想史を大胆に描く意欲作。(講談社学術文庫)

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〈出雲〉という思想 近代日本の抹殺された神々 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    明治初期の神学をめぐる出雲(オホクニヌシ)と伊勢(アマテラス)の論争を、本居宣長が初めて言及した「顕」と「幽」の考え方を手がかりに、彼の思想の系譜をたどりながら解き明かす。
    第二部では、第一部で明らかにしたオホクニヌシが次第に言及されなくなった時代の流れと、埼玉県に多いオホクニヌシが祭神の氷川神社が

    0
    2020年08月05日

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    『神社ツーリズム』と同様、2016年秋の、約13年半振りの出雲紀行を契機に購入。
    古代神話や出雲関連の書籍は、とかく"古代史の謎解きもの"が多いが、あえて出雲というものを宗教的・神話的視点や、大衆受けするオカルティシズムではなく、思想面からの学術的アプローチで述べられていたところ

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    2020年01月29日

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    世界の造物主である「オオクニヌシ」を祀る〈出雲〉と世界を統治する「アマテラス」を祀る〈伊勢〉。オオクニヌシはアマテラスの要請に応じて権力を移譲した。出雲が時の権力に対抗し弾圧されたのは、なにも「古事記」や「日本書紀」に描かれた古代においてばかりではなかった。日本近代における「国家神道」「国体」の確立

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    2011年08月19日

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    明治維新後の国家神道形成期における伊勢派と出雲派の主導権争いと後者の敗北の過程を負った意欲的な論考。文庫版で追補された、埼玉と出雲系の氷川神社との関わりについて考察する第2部も興味深い。

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    2009年10月04日

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    神道の思想史的系譜について、江戸時代の国学から維新政府による国家神道に至るまでの流れを俯瞰し、アマテラスから続く血統「天皇家」の中央集権近代国家の権威として伊勢の系譜を紹介しつつ、(維新政府にとって)傍系たるオオクニヌシノミコトから続く出雲の血統「出雲国造」に焦点を当てた著作。別途出雲の系譜としての

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    2020年08月05日

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    (01)
    私たちが親しんだり、親しんでいなかったりする神道の問題が、本書にあるように近世後期以降に著された解釈が主体となっていることがまず確認できる。記紀や風土記とその外伝(一書)を古典とし、その「近代」的な読みを通じて復古神道が立ち上がっていく様子はスリリングである。現代において神道は国家を左右し

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    2017年04月02日

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    ネタバレ

    明治政府は、アマテラス<伊勢>の系統をひく天皇だけが正統的な日本の支配者であることの意義づけに奔走した。
    スサノヲやオオクニヌシをはじめとする<出雲>の神々との整合性が必要になってくる。
    様々な議論と、権力闘争が宗教界で行われた。
    出口ナオの大本教は、<出雲>に接近し、出雲の千家尊福は、独自に活動を

    0
    2021年07月02日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    これの前に読んでいた『サイモン・アークの事件簿I』と同時期に購入。第一部は十八世紀末から十九世紀末に至るまでの政治思想史〈総論〉で、国学や復古神道などさほど古くない時代が記述の起点となっている。確かにそれ以前の政治思想に〈出雲〉は関わってないわけだから当然といえばそれまでなのだが、〈思ってたのと違う

    0
    2014年12月01日

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