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晩年の塚原卜伝の心境を描く新感覚剣豪小説 戦国時代に生きた伝説の剣豪、塚原卜伝。 十三代将軍・足利義輝など、名だたる剣豪を弟子に持ち、諸国を放浪したとされる卜伝だが、老境へと差し掛かり、男の煩悩と生への執着に囚われた人間が、いかにして人生を過ごしていくのか、その術を得る過程を、彼と関わった人物を通して描くペーソスとユーモアにあふれた時代小説。 剣豪は、やがて剣を使わぬ境地へとたどり着いた…。無敗の男・卜伝の伝説はいかに作られたのか。「耳袋秘帖」の著者が描く剣豪小説。
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Posted by ブクログ
私の大好きな作家、風野真知雄。 この時代小説は、面白いだけじゃない。 室町幕府末期、唯一剣を極めることにだけ、人生を捧げた人物である。 物語はすでに60代半ばを過ぎ70歳に手が届きそうな剣豪の日常を淡々と物語る。 一度は領地を持つ殿様として過ごすも、全てを手放し剣の修行の旅を続ける。日本各地には彼...続きを読むを師匠と仰ぐ人物が何人も存在し、旅をしては弟子の住まいを尋ね、稽古をする。 まだ日本の国は統一なされず、軍割拠の状態。 まだまだ剣の腕は売り物にもなった時代だ。 この物語は、実は大きな主題は他にあり、 強いということは?生きること、死ぬこと。 常に自分の今を把握し、剣も戦い方も変えていた卜伝。 それは自分の今を知るという、実は難しいことを目を背けずに考え続けた人物だからこそ。 足捌きは、動きは胆力は?と自分を見つめ工夫を常の重ねる。何が必要で何が不必要か? 戦いは本当に必要なのか? できれば、戦わない、できれば殺さない。 逃げることも厭わない。 決して見えとか体裁とか功名とかに惑わされない。 老いて死す。人も生き物も全て同じ。 自然でさえ、彼は学ぶ。 中高年齢に差し掛かった人にこそ、読んで欲しい。 なんとも平和で心穏やかにさせてくれる良書。
剣豪とうたわれる塚原卜伝を主人公とした短編集。壮年以降の卜伝を描く。まあ軽い読み物という感じで、読みやすいが深くはない。
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