指揮官の決断 満州とアッツの将軍 樋口季一郎

指揮官の決断 満州とアッツの将軍 樋口季一郎

866円 (税込)

4pt

ユダヤ人「命のビザ」救出劇はもう一つ存在した!

リトアニアの外交官、杉原千畝(ちうね)が逃げてきた約六千人ものユダヤ人難民に対して特別ビザを発給し、その命を救った救出劇は多くの人に知られている。
しかし、その二年半前、満州のハルビン特務機関長だった樋口季一郎が、ナチスの迫害からソ満国境の地まで逃げてきたユダヤ人難民に対し特別ビザの発給を実現させた「オトポール事件」は歴史の中に埋没してしまった。

そのユダヤ人救出劇から5年、北方軍司令官となっていた樋口は札幌・月寒の軍司令部にいた。
彼の指揮下にあるアッツ島には無数の米軍上陸部隊が押し寄せていた。樋口は現地軍に対して一度は「増援部隊」を送ることを伝えた。しかし大本営の決定により、増援部隊の派遣は中止となる。樋口は涙を流しながら、その命令を現地に伝えたという。

アッツ島は玉砕。かつて満州の地において多くのユダヤ人を救った男は部下の命を助けることができなかった。オトポール事件の立役者は「日本初の玉砕戦の指揮官」という汚名をかぶることとなってしまう。

本書は運命に翻弄された元陸軍中将、樋口季一郎の生涯を追ったノンフィクションである。

...続きを読む

指揮官の決断 満州とアッツの将軍 樋口季一郎 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    アッツ島の玉砕・キスカ島の撤退時に北部軍司令官として指揮を執った樋口李一郎中将の人生を綴る本です。

    樋口中将の人生には3つの大きな出来事が起こりました。上記のキスカ・アッツでの戦いに加えて、杉浦千畝よりも先にユダヤ人の命を助けたこと、ポツダム宣言受諾後にソ連軍を交戦したことです。

    本著はこれら3

    2
    2014年08月24日

    Posted by ブクログ

    オトポール駅のユダヤ人救出劇。アッツ島玉砕命令とキスカ島奇跡の撤退。占守島攻防戦。指揮官たるものの悲哀。今も昔も、人物はいるもんだ。淡々とした筆致で迫ってくるゼネラルヒグチ奇跡の物語。

    2
    2014年09月22日

    Posted by ブクログ

    組織人としていかに生きるかという視点で読んだ。与えられた役割の中で何をなすか。満州やアッツでの決断。戦後の占守島での決断。人間性、教養を磨くのが一番。日々の実践で人間を磨いていく。

    2
    2012年08月26日

    Posted by ブクログ

    戦前の陸軍のキーマン達との交流、オトポール事件(ユダヤ人救出)、アッツ島玉砕、撤退戦を潜り抜けた陸軍将軍樋口季一郎の評伝。

    「栄光」も「苦しみ」も墓場まで持っていくタイプの人物であるが故に、評価されるべき人である事は絶対に間違いない。
    捕虜虐待・虐殺であったり、部下を見殺して自分の保身を中心に考え

    2
    2011年01月13日

    Posted by ブクログ

    樋口季一郎中将が関った幾多の事件について、また彼の生涯についてを綴ったものである。
    色々と伝わっている話しに関して、“話しの尾鰭”を検証する部分―可能な限りの史料を掘り起こしている著者に敬意を表したい―も混じっており、真摯に「“事実”を読者と分かち合おう」というような筆者の姿勢が非常に伝わる綴り方で

    2
    2010年08月27日

    Posted by ブクログ

    満州とアッツの将軍 樋口季一郎 指揮官の決断
    著:早坂 隆
    文春新書

    陸軍の特務将校 樋口季一郎の生涯の記録です

    ・杉原千畝に先立つ、ユダヤ人特別ビザ発給事件 オトポール事件
    樋口 「参謀長 ヒットラーのお先棒を担いで弱い者いじめすることを正しいと思われますか」
    東条英機は頑固者で、こうと思った

    0
    2023年12月08日

    Posted by ブクログ

    アッツ島の戦いで援軍が送れなくなることを部下にどんな想いで伝えたのかと思うと考えさせられた。高級軍人でありながら部下想いでそして家族想いであった樋口季一郎の人間性が伺えました。この本からの気付いたことは明治から昭和にかけて数多くの優秀な軍人たちがいるが共通することは上を見ずとも信念に従って独断できる

    1
    2021年05月28日

    Posted by ブクログ

    陸軍中将の樋口季一郎は、ソ連通の情報将校であった。ハルビン特務機関長時代にユダヤ人難民を救出。玉砕したアッツ島守備隊を所管する北部軍司令官でもあった。

    その経歴をみても、永田鉄山を刺殺した相沢三郎の上司だったなど興味深いものがあるが、本書を読むと陸軍の良識派であった事がある。

    著者は、樋口を

    1
    2012年01月29日

    Posted by ブクログ

    日本人が戦時、多数のユダヤ人を救出した話は、リトアニア領事館の外交官だった杉原千畝がナチスに追われた6000人のユダヤ人に、日本領の通過を許可するビザを発行して救出した話は良く知られている。(命のビザ)
    今回、早坂隆の「指揮官の決断」は太平洋戦争末期、アリューシャン列島のアッツ島玉砕、キスカ島救出、

    0
    2024年03月13日

    Posted by ブクログ

    2011/10/02 23:53 面白くはなかったが、この人を知ることが出来たのは良かった。でも題名は疑問。

    0
    2011年10月02日

指揮官の決断 満州とアッツの将軍 樋口季一郎 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

文春新書 の最新刊

無料で読める ノンフィクション

ノンフィクション ランキング

早坂隆 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す