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中学二年「ガンズ・アンド・ローゼズ」に心酔した少年ガクは、仲間を集めてバンドをはじめる。 親友のマロと幼なじみのリリイ。 それに「ギブソンのフライングV」を持っていてギターがうまいと噂――の問題児かける。 ケンカや練習を経て、四人は次第に仲間になっていく。 ガクとリリイの淡い恋、文化祭ライブ、十四歳のできごとのひとつひとつが多彩な音を響かせあう青春ストーリー。 第21回坪田譲治文学賞受賞作。
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Posted by ブクログ
ようやく読めた。 いいねいいね、キャラもセリフもめっちゃ跳ねてる。 ガンズ、久しぶりに聴くしかあるまい。
中学生の青春。バンドに恋愛。セリフも、主人公たちから見た情景描写も若々しいたどたどしさがとてもうまく表現されていてとてもよかった。舞台は昭和63年~64年、当然携帯やスマホが登場しないのに、時代の古さを感じさせるものが少ないのもすごい。中学生の心理の普遍的な部分を捉えているからなんだろうな。
ガンズ・アンド・ローゼスに心酔した中学生ガクは、親友マロと幼なじみリリイとバンドを始める。そしてギブソンのフライングVを持っていてギターがうまいと噂の問題児かけるを、バンドに誘うのだった。 昭和の終わりの頃の中学生の青春。めちゃくちゃでアホでどうしようもないけど精一杯がんばる日々。けんかして、意気...続きを読む投合して、思いやって、仲間になっていく。 いつも一緒にいて、自分のことを自分以上に知っていて、当たり前だと思っていたふたりの関係が変わる時。 ガクの視点とリリイの視点が交互に現われ、同じものを見て同じものを聴いて同じ場所にいるけど、二人の視点が交差することでしか見えないものがある。 音のない小説で音楽を書くこと。音のない小説だから書ける音楽。 それぞれの音はいい感じなのに、合わさった時にギクシャクしてしまう。自分の音だけを聴いていたらいけない、相手の音を聴くことにより、相手と合わせることができる。一度合わせられれば、もう聴こえなくても聴こえている。仲間の音と自分の音が重なり音楽になる。 好きな気持ちで心が一杯になる。そんな青春小説でした。
映画化された『指輪をはめたい』(2011)や『ドライブイン蒲生』(2014)は観たのに、読んだことがなかった著者。『3時のおやつ』の収載作品がとても気に入ったので本作を購入。そうしたら、これまで読まなかったことを激しく後悔。なんて愛らしいんだ! タイトルは、片仮名に弱い爺ちゃんが孫のギター「ギブソ...続きを読むンのフライングV」と「バンド仲間」の区別を付けられず、孫の友だちを「ぎぶそん仲間」と呼ぶことから。平仮名なところがいかにも爺ちゃんの言葉。 中学2年生のガク、リリイ、マロはバンドを組んでいる。ある日聴いたガンズ・アンド・ローゼズに魅せられて、どうしてもガンズの曲を演奏したいと、ちょっぴり不良だけどギターはスゲェ上手いと噂のかけるをスカウト。語り手はガクとリリイが交替で。 著者は関西出身で、本作の舞台は大阪・狭山市ではあるけれど、少年少女が主人公のうえに、著者が大阪を離れて長いということもあるのか、ベタベタというよりは可愛らしい大阪弁。思いっきり平成風なのに、たいそう具合の悪い昭和天皇が出てきます。もしも天皇が亡くなったら文化祭は中止になってしまう、そら困ると、天皇のために献血しに行こうという辺り、単細胞で浅はかで、でもそのアホさがたまらなくカワイイ。爺ちゃんの悪口を言われると、なんでか無性に悔しいねんというかけるの言葉にはしんみり。ニヤけたり、ふきだしたり、知らず知らずのうちに温かい気持ちにさせられます。 「なんやねん」という言葉がそんなにも便利な大阪弁だったとは。少年よ、ギターと大志を抱け。 ちなみに、一度もタイトルは出てこない、ガクがどうしても演奏したかったガンズの曲は、“Welcome to the Jungle”ですね。
育った環境も個性もバラバラの4人でバンドを結成して、文化祭で演奏することになり、そのことを通して一つになっていきます。そして音楽にも友達をつくることにも前向きになれる本です。
まさに青春って感じでした。 昭和末期の中学生たちの話です。 初々しい子どもたちの心情がちゃんと描かれていると思います。 こういう気持ちは忘れちゃいけないと思う。 私は好きです。
やっぱりこういう話は好き。真っ直ぐで、無垢で、眩しい。若いうちにこうやって何かに一生懸命になって馬鹿やるのっていいな。きらきらしてる思い出に絶対後悔なんてしないからとか考えてしまう自分を見てると年取ったかもしれないなあと思います。
なかなか文庫にならなかったので先にコミックスで先に読んでいた。ゴツボ×リュジの漫画も好きなので面白かったが、原作の方が当然ながら話が詳細なのでもっと面白かった。 中学生ぐらいの年だとちょっとしたことでも大きな変化になる。クラス替えの当り外れや何かの弾みで部活辞めたりとか、大人からしたら大したことじゃ...続きを読むなくても大したことになってしまう。でも、その分、大したことじゃなくても物凄く嬉しかったりする。 最初はガクだけ張り切ってて、他の3人はガクとは繋がってるけどそれぞれはバラッバラば感じだった。でも何がどうって言う大きなきっかけじゃないけど最後はちゃんと4人組になっていた。4人でバンドだから!同じ曲を演奏する4人だから? 漫画で読んでも文庫で読んでも清々しかった。
青春だぁ〜! のめり込むように読んで、文化祭のライブは目頭が熱くなった。最後のリリィとガクの初々しい一生懸命な感じも良い。 かけるとマロもかわいいし、みんながみんなにとって必要な関係になっていて最高だった。 橋本紡さんの解説にも書いてある通り、さやま団地のこと、バンドエイドで半泣きになったリリイの...続きを読むこと…質感まで伝わってきて、いいよなぁ〜。
昭和63年、「ガンズ・アンド・ローゼス」に心酔した中学生ガクは、文化祭に向けてバンドをはじめる。 親友のマロと幼なじみのリリイ、それに、「ギブソンのフライングV」を持っていてギターがうまいと噂の問題児――かける。ケンカや練習を経て、4人は次第に仲間になっていく。 かけるの家庭環境(酒乱のおじいちゃ...続きを読むん)や彼が暮らす団地は、見ようによっては劣悪。けれどかけるは、(じいちゃんが言うところの)ぎぶそん仲間によって、団地住まいの自分を飛び越える。わだかまりも、もどかしさも、そして一つの時代をも飛び越えていく彼らに、エールを贈りたくなる1冊。
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