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自らは病気の自覚のない、精神を病んだ人を説得して医療につなげてきた著者の許には、万策尽きて疲れ果てた親がやってくる。過度の教育圧力に潰れたエリートの息子、酒に溺れて親に刃物を向ける男、母親を奴隷扱いし、ゴミに埋もれて生活する娘……。究極の育児・教育の失敗ともいえる事例から見えてくることを分析し、その対策を検討する。現代人必読、衝撃のノンフィクション。
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Posted by ブクログ
これは表紙がずるい。ミスリードさせようとしている。こんな幼い子供の丸まった小さな背中を見たら、「子どもを殺したいとはなんて非情だ!鬼!悪魔!」という怒りが瞬時に湧いてくるに決まっている。想像するのはネグレクトとか児童虐待とか、暴力に抑圧されている非力な存在の子どもの姿だ。 でも読み始めると内容が...続きを読む全く違う。成長した子どもの暴力と殺意に怯える親や兄弟の姿がそこにはあった。 不謹慎にも、殺してあげられるなら殺して差し上げたい、という気持ちすら芽生えてくる。もちろんそんな犯罪行為は許されるわけはないのだが、我が子や肉親に命を狙われるという救いがたい状況下におかれたことがない者には、彼らの切迫感は想像もできないことだろう。 命を狙われているから助けて欲しいと訴えているのに、肉親なんだから家族内で解決してよ、という論理。子どもがそんな状況になったのは親の育て方が悪かったんじゃないの、という突き放した態度。あぁ、なんとも冷たい。非行少年少女の家庭内暴力と勘違いしているんじゃないのか? 読めばわかるが全く違う。親子の絆、兄弟の絆なんてもうない。あるのは近親憎悪からくる殺意だけだ。殺意をもったストーカーが肉親だったと考えればイメージとしては近い。 精神を病んだ理由は様々だろう。確かに親の育て方に問題がある面も多少はうかがえる。失恋やいじめ、進学、就職の失敗など。しかし、そんな状況になっても、ほとんどの人は親兄弟に殺意を抱くようにはならない。たぶんほんの一部なのだ。 自分には壮絶な甘えのように見えるが、専門的にはどうなんだろう? 著者は精神科医ではないので、その辺には突っこんでいない。 逮捕や入院とという事態になっても、粗暴なのは家族の前だけで、警官や医者の前だと大人しくなる患者もいるため、その先の切迫した事態が理解できない警察や病院もある。 それにも関わらず、病院は長くて3か月の入院で追い出す。それ以上入院させていても医療点数が稼げないので儲からないからだ。設備の整った、新しくきれいな病院ほどそうすると言う。患者や家族のことなんて考えない。優先されるのは利益のみ。そんな制度になってしまっているのは行政にも責任がある。 そして家族を殺したいと思っている患者が、家族のもとに帰される。 具体的な事件名は伏せられているが、実際に何件かこのような状況になって殺人事件となった事例も紹介されている。 どうしたらいいのだろう。なんのアイデアも浮かばない。途方に暮れるばかりだ。 続編も刊行されているので読もうと思う。
借りたもの。 病識のない精神疾患患者を、医療機関に繋げる支援をしている著者が見た、当事者家族の姿と現在の精神医療の問題点を垣間見る本。 子が精神疾患を患う患者の原因は親にあると明言する。何故なら親子関係――それは人間関係の根本である――が原因だからだ。 しかし、親にその自覚などあるわけが(そして認め...続きを読むるわけも)無いし、親が原因であっても、それを自覚した上で改善しようとする本人の努力が大事でもある。 とはいえ、この本に挙げられる家庭は往々にしてそれを妨げる傾向がある気がする。 大抵は世間体を気にしたり、肉体的・精神的暴力などで辟易して関わりたくない(←この気持ちはわかるけど…)という理由から。 また、現在の精神疾患への医療機関が、本来治療を必要とする重度の患者を受け入れる体制が整っていないこと、「儲からない」「手がかかる」という理由、更には法律・制度から早期の退院を促していること等、問題を指摘している。 p.267から記載されている行政機関、医療機関などの専門機関へ相談に行く際にまとめておくべき要項はきちんと解説されていて、とても大切なことだと思う。 児童の後ろ姿の表紙から児童虐待問題の本かと思っていたら、違った…… しかし、これは一種の虐待が潜んでいる。それを暗示しているのかもしれない。
親子との関係は望む望まないに関わらず、人の人格形成に大きな影響を与えるものだと思う。 この本に出てくる親子は経済的には恵まれているのだが、どこか関係性が一方的で歪な感じが否めない。 必要以上に自分の思い通りの子育てを強いる親、長年抑圧された鬱積が爆発して暴君と化してしまう子供。 どのモデルケー...続きを読むスの親子関係の結末も、改善の兆しも希望的観測も見えることなく終わるため、どんよりとした思いだけが残り、修復不可能な現実を思い知ることになる。 崩壊した家庭を放置し続けた結果、殺人などの大きな事件につながるケースもあると著者は述べており、わずかでも解決の糸口があればと思うが、方法を誤ると更に状況は悪くなる可能性もあり、むしろそうなる可能性の方が高い。
30~40代になって"異常"行動があるのは、やはり子どもの頃からの生育環境が原因なんでしょうね。ただ、行政や医療に繋げるのは重要ですが、こころの病をどうやってカンカイさせていくか、家族の関係をどうしていくかですね。精神医療のサポートと警察等の行政の連携が重要になってくるのでしょう...続きを読むね。
閉じ込めることしか対策を思いつかない。攻撃性のある知恵のある人間。家族任せにできない放置できない問題であることは明確。
精神科病院で働く前には「なんだこの本!!」と憤りに近い感想を抱いたものでしたが、勤務後は「わからなくもない」に変わりました。 ただ病院はいつも満床満杯。午前中1人退院しても午後には新たな患者が入院してきます。受け入れたくても受け入れられない現実もまた事実。保護室が空かないってのもざらだし。
個人の尊重や平等を謳う時代で世間から取り残されている人たちの話。ノンフィクションだからこそ、本に書かれている人達の完全なる社会復帰も今の現象では難しいのもよく分かる。手を差し出し命を救っている押川さんだからこそ帰る一冊だと感じた。
題名に衝撃を受けて、ずっと気になっていた本。現実にあるんだろうけど、実感が湧かないくらいの家族間の問題。 でも、他人事ではなく 親の育て方、子供への関わり方によって誰にでも起こりうる事なんだと知り、本当に怖くなった。 家族のサポートで回復した人の話は、薬や病院だけでは治らない心の支えは信頼できる人な...続きを読むんだと改めて実感。 愛情を伝える育児を心がけていこうと、違う角度から子育てを見直させてくれる本でした。
こんなに大変な思いをしてる家族を助けることも出来ず、家族が子に殺されてしまう、というのを見るとどうやって助けることが出来るのか、を考えないとなと思った。
世の中、こんな崩壊した家族もたくさんいるのかと。当事者だったら迷いなく死んでくれって思うだろうな。若い人は治療?もできそうだけど、年取ってもうまわりの迷惑や驚異にしかならず家族も近隣も怯えながら暮らすとかそうなると、もう閉じ込めるかするしかない。著者はそういった人もそうなった原因があり被害者でもある...続きを読むと言ってて正論なんだが、でもそこを人権人権って言うとまわりに不幸になる人量産されるしなーって。問題起こすだろうってわかってて、普通のバイトに就職させて世間に馴染ませるって話があるけど、結局同僚ともめたり喧嘩したり急に休んだり、お店に迷惑かけるんだけど、もう1度チャンスをあげよう!って続けさせたり。で、警察沙汰。雇う側からしたら迷惑しかないしな。。。あまり共感はできなかった が、こういった人は本当に必要で救われている人も事実多いわけで尊敬する。
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「子供を殺してください」という親たち
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押川剛
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