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あまりにつらすぎる現実と向き合ったとき、人間たちから忌み嫌われる異形の存在と心を通じ合わせ、かけがえのない友だちとなった少年・少女たちがいた……。本当の”心”を持つものは人間だけなのか? 珠玉の感動作
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Posted by ブクログ
地球に現れるようになった怪獣たちと出会ったヒト。彼らの間に紡がれる物語。ホントはそうだったんだと哀しく、最後はそうなるのねと嬉しく、あぁ神様 神様!と涙を流し、生き残ることは出来たけど静かに泣ける。四つの心に残るお話でした。ゴジラやモスラ、バルタン星人からカネゴンまで日本の怪獣たちにも出会いがきっ...続きを読むとあったと思えるから不思議。
短編4つ収録されていますが、どれもそれぞれの味があって面白いです。 共通点は怪獣と女の子が出てくることぐらいで、同じヒロイックな話しでも、こうも違うものが書けるのかと関心しました。 超越的な存在と、それに抗う者、従う者。怪獣を含めたそれぞそれの人間模様が絶品です。 どれもこれも映画化して欲しい。描写...続きを読むが秀逸で、そのまんま脚本に使えそう。 きっと素晴らしい怪獣映画になると思います。
色々なパターンの怪獣ストーリーが納められていて、MM9の世界観がよりいっそう広がった気がします。ストーリーもいいけど、やっぱり設定のうまさが光ります。MM9というバックボーンがあるとはいえ、怪獣がいる世界をごく自然に描いていて違和感がない。これはすごいと思う。
怪獣が跋扈するという、少なからず荒唐無稽に思えるストーリーをだな、山本弘という稀代の語り部と、SFが、つまりはSFという手法が、科学的に肉付けされ、理論という鎧を纏い、お伽話のようなレベルから我々の生活のすぐ側の現実に近いところまでにじり寄ってくるというその迫力! これぞまさに空想科学小説の醍醐味...続きを読むそのものではないか! 山本氏の怪獣に対する深い愛情。そして怪獣小説に名を借りながら、実は書きたい、描きたいのはのは人間なのだなあ、などと思うわけで。
『MM9』シリーズの外伝に位置する作品。 私は怪獣とか巨大ロボットとかの類が苦手なので未読だが、本作はボーイミーツガールなどもあって比較的読みやすいのではないかと思い、まずはこちらから読むことにした。 「生と死のはざまで」 ひどい作品なのでネタバレまで書いてしまおう。 オタクの男の子が怪獣バトルで...続きを読む大活躍なんてありえない展開だと思っていたら、夢オチで少しも楽しめなかった。 「夏と少女と怪獣と」 ボーイミーツガールで一番楽しみにしていた作品。 ロバート・F・ヤングみたいなのを期待したのだが、それと比べると薄味だった。 「怪獣神様」 作られた世界観、という感じがして感動はなかった。 「怪獣無法地帯」 タイトル通り、怪獣を前面に押し出した中編なのであまり期待はしておらず、ページの進みも遅かった。 しかし、他の映画や小説で聞いたことのある要素がいくつかあったものの、怪獣小説としての出来はおそらく一番で、後半は勢いが止まらなかった。 ただ、もともと怪獣小説は趣味ではないということもあってこれ1作で満足してしまったので、『MM9』はおそらく読まない。
怪獣小説MM9シリーズのスピンオフというか外伝的なものというか。怪獣が日常的に存在する地球での、世界各地での怪獣とヒトの物語を綴った中編集。 これまでは基本日本が舞台だったが、タイ、アメリカ、コンゴが舞台で登場する。それぞれの国の「怪獣事情」の違いが面白く、やはり我々の世界との地続きを感じる。 ...続きを読む 筆者の本をよく読む読者としては、筆者の願望や妄想がダダ漏れているキャラや設定が楽しく、もちろん知らなくてもこの「怪獣人間ドラマ」を楽しめるのではないだろうか。
「MM9」の番外編の短編集。 4つのお話の内最初の3つは、アニメ化のために書かれたプロット案がベースになっているという。 なるほど、オチのつけ方(第1話)やミステリーっぽい構成(第2話)や戦争反対の語り口(第3話)は、初期のウルトラQやウルトラマンを思い出させる。 そう思って読んでいたら、第4話の舞...続きを読む台設定はまんまキングコングかターザンといった趣。 そこに東西冷戦をまぶして、文明社会に警鐘を響かせ、宇宙生物の侵略を描くとなれば、これはまたウルトラQ長編版みたいな世界。そんで最後はジャミラじゃないか! 2011年の作品ながら全く昭和のテイストで、私の年代には入り込み易く読み易かった。
『トワイライト・テールズ 夏と少女と怪獣と』山本 弘 著 角川文庫刊 山本 弘による怪獣小説『MM9』3部作の世界で起こるスピンオフストーリー4編を集めた短編集。正統派な怪獣SF小説として描かれた一作目の『MM9』でみられたハードなドラマ展開から一転、『MM9―invasion―』『MM9―de...続きを読むstruction―』に観られるボーイ・ミーツー・ガール、少女と怪獣といったライトノベル寄りのコンセプトを継承するストーリーではあるものの、少年の自立、ミステリー仕立ての冒険譚、疎まれた者の心と神の存在、自然と文明といったシリアスなテーマを「怪獣のいる世界」の中で短編で描き切った秀作ぞろい。 中でも「怪獣神様」は市川森一、「怪獣無法地帯」は上原正三といった60~70年に放送されたウルトラシリーズの重鎮的シナリヲライターによる作品群を彷彿とさせるストーリーは「怪獣特撮作品群」を正当な“ドラマ”として観てきたファンの心に響く出来。
MM9シリーズの番外編。場所(世界各地)も時代設定もバラバラ。怪獣は完全に脇役で、登場する人間たちの意思が熱い。表題作にもなっている第2話は結末がSweet。
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