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世界初のエヴェレスト登頂目前で姿を消した登山家・ジョージ・マロリー。謎の鍵を握る古いカメラを手に入れた深町誠は、孤高の登山家・羽生丈二に出会う。山に賭ける男を描いた山岳小説の金字塔が、合本版で登場。 ※本書は一九九七年八月、集英社から刊行されたのち、二〇〇〇年八月に集英社文庫として刊行されました。その後、二〇一四年六月に角川文庫として刊行された上下巻を合わせて合本版としました。
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Posted by ブクログ
とにかく登山家たちの登頂への思いは想像するより遥かに強い。 エベレストに三度挑んだジョージ・マロリーが登頂できたのかは、マロリーが亡くなって何十年も経った今でも謎のままである。 ネパールの地で、マロリーのカメラの謎と羽生という登山家を追う深町。 ある意味山岳ミステリーとも受け取れる作品。 主人公の深...続きを読む町自身は、ちょっと情けないというかふがいないというかそんな印象を受けるが、その経験を通して強く成長していく。 そこら辺も見所のひとつだと思う。 マロリーが残した名言「そこに山があるから」は、正確には「そこにエベレストがあるから」である。 なぜか日本語ではエベレストを山と訳されるのだが。 実在の登山家マロリーを題材にしたこの作品を読んだら、マロリー登頂の謎が余計気になってきてしまった。 映画化もされてるようなので、そのうち観てみようと思う。
エヴェレスト南西壁の冬期無酸素単独登頂を狙う男の物語。10年も前に読んだ本だが、読んだ時の気分の昂揚は忘れられない。ヒリヒリするような描写で、共に挑んでいるかのような気持ちにさせられる。
山好きには圧巻の面白さがある。山登りがしたくなった。ネパールに飛んで、死ぬまでにこの目でエベレストを是非見てみたい。
読み終えたぜ!!迫力満点の描写、興奮の残滓が身体にくすぶっている。サスペンスや恋愛もてんこ盛りの贅沢な一品?圧巻はやはり8,000メートルからの登山描写。まるで自分が氷点下低酸素の過酷な状況下に置かれているが如く、感情移入してしまった。
夢枕獏の描く山岳小説。 1924年、マロリーとアーヴィンがエヴェレスト頂上付近で行方不明になり、登頂を果たしたかどうかがずっと謎となっています。 その謎に、正面から挑んだ作品です。 2016年には映画化もされましたね。 映画館まで見に行きました。 なかなか面白い映画でしたが、やはり原作にはかなわ...続きを読むないですね。 山岳小説というと、とっつきにくい印象がありますが、この本は読みやすく、専門用語を知らなくても楽しめます。
作者、夢枕獏さんはあとがきで、こう書いた。 「書き残したことはありません」 全てをだしつくした1000ページにおよぶ大作は、ガツンと直球の山岳小説だった。エヴェレストに立ち向かう主人公には実在のモデルがあり、ノンフィクションでありながらも実話だと錯覚してしまうほどのリアルさ。 エヴェレスト頂上付近で...続きを読む姿を消し、「果たして彼は登頂したのか」と謎を残した実在登山家ジョージ・マロリー。ある登山家カメラマンが、彼のものとおぼしきカメラをチベットでみつけたことから始まる。そのカメラを巡って出会う登山家は、森田勝がモデル。ライバルの登山家は長谷川恒雄がモデル。もうこれだけですごい物語が始まる予感満載である。 勿論高度8,000mは体感したことはないが、終始想像力を掻き立てられる文章と展開で息苦しくなるぐらいの恐怖をおぼえた。 人はなぜ山に登るのか。根底にあるテーマはこの言葉のみであろう。1ミリの足場にアイゼンを食い込ませ、岩に張り付く彼らの姿に釘付けになり、昔から何度も繰り返し問われてきた質問をしたくなる。「震えるほどの恐怖に立ち向かい、指を失ってもまた登り、愛する人を捨ててもまた挑み、なぜそこまでして山に登るのか」と。ストイックな世界にまったく目が離せない、あっという間の1000ページだった。
なぜ山に登るのか? という問いをテーマに書いている。 なぜ山に登るのか? は なぜ人は生きるのか? という問いと同じこと。 頂きに立ったからと言って、答えは出ない。 人生もやっぱり死ぬ間際になっても答えは出ないんだろうと思う。 人が亡くなるときは何をしていたか、ではなく、何の道半ばだったのか、...続きを読むそれが大事なのだよ と、作者から言われているような気がした。 羽生の生き様が、今思い出すだけでも鳥肌が立つ。分厚い本だったけど、その分気持ちも熱くなりました。
ジョージ・マロリーのカメラを見つけた深町誠は、天才登山家の羽生丈二と出会い、彼の謎を追いかけることになる。 1000頁を越える大作でしたが、山好きには堪らない一冊でした。山で仲間をなくし、恋人に振られ人生に苦悩する深町や、ひたすら前人未到に燃える羽生を見て、山に登ることの意味を考えてしまう。マロリ...続きを読むーは、そこに山があるから登ったと言う。山に登ることは楽しいと言うひともいるけど、本当は苦しいものだと思う。平坦な道を歩いた方が当然楽だし、ケガや死のリスクもある。苦しい時間があるからこそ、楽しいと言えるのではないか。登山とは一種の麻薬のようなものだと思う。何かを征服すると言うのは、ひとの本能だと思う。楽しくないから楽しい。それが登山だと思う。と言っても、山から見る星空や景色には圧倒されますよね。 最後に深町が羽生と出合う場面。ギラギラした羽生の眼力が、ひしひしと伝わってきたし、お互い山屋だから分かる気持ち、やりとりが良いなと思いました。 いつかは谷川岳やエベレストも行ってみたい! もちろん暖かい時期に。
エベレストを登る。 壮絶なエベレストの描写と、真摯に山に向きあう姿勢。 少しは日本の山に登るが、そこから想像もすることができない世界。 山を通して、生きることを考えさせてくれる。 気分が高揚した。
文庫本で1000ページを超える長さだが、さほど長さを感じせさせない面白さだった。文章が短くて行変が多いというのもあるのかもしれないが。 不器用な主人公たちの生きざまに感動を覚える。是非映像を観てみたいと思う。
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2022年7月8日公開 出演:堀内賢雄、大塚明夫、逢坂良太
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