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古くからの呪術や習慣が根づく大地で、黙々と畑を耕し、獰猛に戦い、一代で名声と財産を築いた男オコンクウォ。しかし彼の誇りと、村の人々の生活を蝕み始めたのは、凶作でも戦争でもなく、新しい宗教の形で忍び寄る欧州の植民地支配だった。全世界で1000万部のベストセラー、アフリカ文学の父アチェベの記念碑的傑作待望の新訳!(『THINGS FALL APART』改題)
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Posted by ブクログ
遠い大地の文化・慣習が近くに感じられるほどの瑞々しい文章だが、それを理解するための小説ではなく想像させることが目的。 注釈が丁寧でとても読みやすい。
19世紀のナイジェリアが舞台。 独自の神を信じ崇め、家族・ムラという単位で生活していた共同体に、キリスト教伝道師の入植により植民地化していく様を描く。中盤までは、文化や生活、信仰などについて淡々と描かれていますが、その後の畳み掛けるような展開がすごい。 時代も国も違いますが、どこか今の社会にも共通す...続きを読むるような点があるようにも感じました。何かが変わっていく時、多くの犠牲が伴うこともあります。自分たちが守って疑わなかったことであれば尚更。四部作のようですが日本語訳がないのが残念です。最後の一文が辛い。
アフリカ文学というくくりが正しいのか、自信が持てないが、疑いの余地なく、優れた文学である。 未知の世界。加えて、読みにくい、非直線的な書き口。私から見ると、非情で、矛盾を感じる文化。 しかし、最後まで読み通し、その言われようのない悲劇的結末に接し、全てに予期せぬ意図を感じたのだ。人間社会、人間と...続きを読むはいかに信頼に値しないか。 社会分裂、変化、崩壊の触媒としてのキリスト教。 『ルーツ』で書かれた世界は一面に過ぎなかった。 語り手が、登場人物の視点が、内と外を往還し、不条理をあぶり出す。その文学性に感嘆した。 くり返すが、深い次元で声を失った作品であった。
少し前に文庫化されぜひ読みたいと思っていた一冊。アフリカ文学の父といわれる、チヌア・アチェベの記念碑的一冊ということ。アフリカ文学には聡くないので、そういう意味での評価はできないが、歴史的背景も合わせて様々な学びを与え、人間と歴史の気づかない側面を教えてくれた。 未開のアフリカ、一部族を取り巻く...続きを読む現代の侵入とりわけ西洋、キリスト教の侵入を描いている。レヴィ=ストロースをはじめとする文化人類学の発展は、未開の兄弟たちに対する人権的な意味での理解を進めてくれた。キリスト教主義からの絶対史観がよろめいてしばらくたったところに新たに相対的な視点を与えてくれた。この作品はそういう視点に立っているといえば少し違うのかと思う。文化人類学はあくまでも西洋が見た未開の人間に対する学であるが、アチェベは現地イボ人の作家であるのだから。アチェベ自身はキリスト教化の後のアフリカに生まれ、熱心な信徒である両親の愛を受け育った文化人であるが、この作品から漂う土と血と鉄の臭いは、アフリカの血を受け、人と信仰と歴史の交差路に悩む生きた人間の生臭さがある。 一様にキリスト教を非難しているわけではない。土着の文化の非人道的な解釈も痛々しさは隠せない。こういう文化の中には明確に人間個人に先んじる価値が存在していて、それを守るためなら人間を殺すことにも躊躇はしない。しかしイケメフナを神託を持って殺したオコンクォには抑えることの出来ない葛藤と後悔があふれていた。 『崩れゆく絆』とはよく作品を表したタイトルである。部族の伝統と宗教が西洋の侵入によって崩れていく。しかしそこに描かれるのは、人間自体が持っている悲しさである。部族の価値にとどまるも、キリスト教に染まるも、悲しき人間の生き方、歴史である。 15/3/26
植民地支配される前のアフリカの伝統的な暮らしの素晴らしさを描き、欧州の文明到来により崩壊していく嘆かわしいお話かと思っていたら、もっと深くてたくさんの要素が詰まったお話でした。 アフリカの集落の日常は物珍しく、慣習や考え方の違いは読んでいておもしろいですが、予想外に残酷で不可解だし、英雄オコンクゥア...続きを読むはいけすかない暴力男で正直モヤモヤしました。 キリスト教については否定も肯定もありませんが、人々を無駄に苦しめない点で、少なくとも呪術よりよっぽどいいし、植民地化されて安心して暮らせるようになってよかったのでは?と思いました。 登場人物の名前が難しすぎて、もはやおもしろい。そして、大量の注釈に尻込みしてさくさくと読めませんでしたが、物語自体は割と短めです。 物語のあとの解説はもっと難しく長くて大変でしたが、気づかなかった作品の細かな点を知れるのでお勧めです。
重い話でした。 伝統を守るとは? その中で地位を築くためには? その一方で、その伝統に潜む非科学的・非人道的な掟を守り続けるのはなぜか。 それらを打破するのが、侵略に依ってしまうのが辛い。 初めてのアフリカ文学。 田舎者の私には、舞台となった前世紀初頭のナイジェリアの話が、なんだか知らない世界の話...続きを読むではなく、読んでいる間中、本当に息苦しかったです。 なんというか、父のようにはならないと決めた主人公が、その地で認められるよう努力してきたのに、一つの選択ミスが命取りになってしまう… 最後になぜ自死を選んだのか、初めはよくわからなかったのですが、戦おうとしたのは自分だけ、と気づき絶望したから…と思い至りました。 主人公の親友オビエリカは、聡明な参謀タイプ。伝統の矛盾に気づいているが、行動には起こさない。伝統に静かに従う… 100%支持はできないが、恐らく自分もそうしてしまう。 かと言って、主人公の生き方もちょっとやりすぎ感はある。集団を引っぱるためには必要な強さではあるけれど… 人名が難しく、何度も前のページに戻りながら読み進めました。 原題はエピグラフのイェイツの詩から。 物事がばらばらになる。本当に悲しい。 Things Fall Apart 最後の主人公の埋葬のくだりは、本当に悲しい。 アフリカ大陸が侵略された歴史、文明化することの暗い面、支配者側の非道をも見ました。 読めて良かった。辛かったけれども。
読んで良かったと思う。 アフリカについて世界史じゃない文学として初めて触れたと思うけど、なんともやるせない気持ちになった。 植民地前の文化が全て肯定出来るわけでもなく、まして支配者側の考えが受け入れられるわけもなく。 ただ後世の私はこれを読んだことがいつか何かの基準になると思った。
「読書会という幸福」(向井和美/岩波新書)で紹介されていた本。初めてのアフリカ文学ですが、読みどころの多い小説でした。著者のアチェべはナイジェリア出身のイボ人作家。 1958年にロンドンで発表された本書は「アフリカ文学の父」と呼ばれるアチェべの最高傑作とされています。 (以下、プロットに若干触れま...続きを読むす) 本書は3部で構成されます。第1部は架空の村ウムオフィアにおける慣習、神々、呪術の数々と主人公オコンクウォの人となりを描き、オコンクウォが犯してしまった過失で終わります。第2部はオコンクウォの流刑先での日常と拡大する白人の植民地支配を描き、第3部ではオコンクウォの悲劇が描かれます。 本書の読みどころは 1)ウムオフィアにおける慣習の詳細な記述 植民地支配以前でも、アフリカ社会は独自の発展を遂げていて、独自の司法制度、民主的統治システム、倫理観を持っていたことには驚きました。しかし、一方では呪術に支配され、常識よりも神々のお告げが優先される世界です。神託により殺されてしまう罪なき少年の描写は理解できませんでした。 2)オコンクウォの人物描写 極端な家長父制、男尊女卑の世界での誇り高く、ストイックな男が描かれます。最後の悲劇を招いてしまうまで、その性格はブレることがありません。冒頭、反面教師であったオコンクウォの父親の描写がありますが、その対比も興味深いものがありました。 3)植民地支配との葛藤 終盤、英国のキリスト教世界がウムオフィアに入ってくるあたりから物語は大きく展開します。単純にアフリカ文化=善、植民地支配=悪と描いていないところに物語を厚くしています。 本書は植民地支配以前のアフリカ、植民地支配との葛藤を垣間見るには絶好の本。物語としても面白く、読書の快感が得られました。お勧めと思います。
アフリカ文学初読み。 イボ人の伝統と生活習慣が色鮮やかに語られていく。異文化を体感できるのは読書の醍醐味だ。 主人公が最後に選択したものが消化しきれない。また時間を置いて読み返したい。
・アフリカ文学史上最高と呼び名の高い小説 ・アフリカの村で一代で名声を築いた男が主人公 ・父親を反面教師に努力をする ・隣の村と戦争を起こす代わりに人質を捉えて自分の家で育てる ・村のならわし、神のおつげにより、自ら大事にしていた人質の子を殺めてしまう。そこから暫くは食事もせず。 ・偶発的な事後で同...続きを読む族を殺してしまったことでオコンクウォは流刑されて、母親の親族の村で7年間過ごす ・そのかん、イギリスの植民地支配でキリスト教が蔓延。 ・オコンクウォが7年後に戻ってから、イギリス白人と村の一族との対立 ・オコンクウォは白人の首を跳ねて、後日に木に首を吊って自殺するという衝撃な最後。
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崩れゆく絆
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アチェベ
粟飯原文子
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