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西暦2540年。人間の工場生産と条件付け教育、フリーセックスの奨励、快楽薬の配給によって、人類は不満と無縁の安定社会を築いていた。だが、時代の異端児たちと未開社会から来たジョンは、世界に疑問を抱き始め……驚くべき洞察力で描かれた、ディストピア小説の決定版!(『BRAVE NEW WORLD』改題)
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Posted by ブクログ
来るかもしれないディストピアを描いた作品。フィクションを通じて、自由主義・資本主義の問題点を伝えている。どんなイデオロギーが妥当か、正直議論が抽象的すぎて、自分にはわからない。けどとにかく、今の社会を生きる人間として、読んでおいてよかった!
登場人物の台詞に時折ぐさっとくることがあるはず。そのくらい現代にも示唆的な小説だった。 シェイクスピアの引用も面白い。そして切ない。 作者は1946年のあとがきで、われわれが権力を分散し、応用科学を人間を手段として使うためではなく、自由な諸個人からなる社会をつくるために利用する道を選ばないとすれば...続きを読む、取りうる選択肢は軍事優先主義もしくはそれがエスカレートした世界、もしくはここに書かれたようなユートピアの2つしかないだろうと言っている。偶然にも前者も未だ現実的であることを思い知らされている現状が世界で起きており、考え込んでしまった。
文庫版の裏表紙に書かれている本書のあらすじは、下記の通りだ。 【引用】 西暦2540年。人間の工場生産と条件付け教育、フリーセックスの奨励、快楽薬の配給によって、人類は不満と無縁の安定社会を築いていた。だが、時代の異端児たちと未開社会から来たジョンは、世界に疑問を抱き始め・・・・驚くべき洞察力で描...続きを読むかれた、ディストピア小説の決定版。 【引用終わり】 本書の初版の発行は、1932年であり、なんと約90年前のことだ。ディストピアはユートピアの反対語であり、反理想郷とか、暗黒社会とかと訳されるようだ。 ディストピア小説と表現されているが、この物語に描かれている社会は、ある意味ではユートピア社会だ。人類は、階級化され、その階級内で不満を持たないように、生まれる前から条件付けをされる。それはおおよそ成功しており、この社会で暮らす人々は、全く不満を持たない。 一方で、「不満を持たない」ということと「幸福である」ということは異なる。この世界で人々が不満を持たないのは、実際の生活条件に対して不満を持たないように条件付けられている、プログラミングされているからであり、そこには、主体性というものはない。与えられた条件の中でのみ不満がないのであって、そこから外れようとすることは想定されていない。すなわち、人間に自主性を期待しないし、実際にこの世界で暮らす人は自主性・主体性を持たない。ただ難しいのは、「自主性・主体性を持たない」ということに、この世界の人間は気がつかないということである。そもそも自主性とか主体性という概念を持たないように生まれ、育てられる訳であり、そのような考えを持ちようがないのだ。 そういう意味で、この世界は、「現在の我々の目から見れば」ディストピアなのであるが、では、我々自身の世界は全く違う目で見るとどうなのか、ということを考えさせる内容の小説になっている。
ようやく読めましたBrave New World/すばらしい新世界。著者による新版への前書きは良い補完だった。「幸福度ランキング」なるものが国家間、都道府県間で発表される世の中において、ハクスリーの「“幸福の問題”とは、言い換えれば、どうやって人々に隷属を愛させるかという問題だ」という一節は現実的な...続きを読む問題として立ち現れてくる。1932年より、よりこの“ユートピア”は私たちに近い。 この世界に描かれる世界は滑稽でグロテスクだ。だが自分がそのような世界に住みたいと思っていることを発見した時(なお、世の中の労働者はそれを発見するようにできていると思う)、その気持ち悪さは自身の思考、思考の枠組みに向けられるのだ。なんともおぞましい、すばらしい新世界!
「すばらしき新世界」 ジョン 野蛮人氏。 青年になるまで、非文明地区で暮らしていたが、レーニナとバーナードの訪れを機会にロンドンへ向かうこととなった。 文明人である母、リンダの影響で「すばらしき新世界」としての憧れを抱いていたが、実際には科学技術は発達しているものの、宗教も、文学も、科学も完全...続きを読むに統制され、停滞したディストピアたる世界に愕然とし、自殺する。 リンダ ジョンの母親。 不妊個体(フリーマーチン)だったが、手違いで妊娠し、捨てられ、非文明地区に置き去りにされる。 ジョンを産み育て、後年ロンドンに戻るが、「ソーマ」の飲み過ぎで早く死去する。 バーナード 「代替血液にアルコールが入った」と揶揄される、アナーキストな傾向を持った青年だった。その傾向を避難され、左遷(島流し)の危機に見舞われる。 が、レーニナとともに非文明地区からリンダ・ジョン親子を連れ帰ったことにより、一変、一躍、時の人となった。 だが、それも長く続かず、結局は島流しとなる。 ヘルツホルム バーナード、ジョンの友人。自身が創作した詩を生徒たちの前で発表し、嘲笑された。 彼も最終的にはバーナードとともに島流しとなった。 レーニナ 「弾みのいい」魅力的な若い不妊個体(フリーマーチン)。 バーナードとともに訪れた、非文明地区でジョンとであい惹かれるが、結局はその好意は拒絶される。 ムスタファ・モンド 世界統制官。 世界を統制するために、宗教も、文学も、科学も完全に統制している。 「禁書」を多く持っている。 世界観 アルファ、ベータ、イプシロン、デルタに分かれた階級社会。 既に発生段階から統制され、睡眠学習によって、それぞれの等級に満足し、社会が安定するように仕向けられている。 不都合や忘れたいことがあれば、副作用のない薬剤、ソーマがあり、労働の対価はソーマである。 発生も完全に統制され、特定の相手を持たない「フリーセックス」が奨励されている。 そこでは関係の私有(特定の相手を持ち、家庭を作り、父親、母親になること)は野蛮で恥ずべきこととされている。 一方、非文明地区では昔ながらの状態が保たれている。
ディストピア的なものに対して畏怖と憧れが同時に存在していたあの時を懐かしく感じる。 今はどうだろう。。
作中では時々、詳細な科学用語・物質名が引き合いに出され科学的にかなり発展していることが伝わり、その世界で宗教、文学、歴史が禁忌、禁書となっていることで「現在の我々読者の常識は非効率的な世界である」という雰囲気が出ている。 しかし、性については野蛮人そのもので、誰とでも性交をするのが良しとされ、1人...続きを読むの人を愛する感覚がない彼らは果たして文明人と言えるのだろうか。 また、異様なまでにシェイクスピアが引用されており、SFを描くにしては過剰な著者の文学的趣向が滲み出てしまっているように思えた。
明るいディストピアな未来を舞台とした小説。ファスト消費、経済性、快楽主義を第一とする全体主義世界。1930年代に書かれたにも関わらず、ある意味現代社会を描いている様にも思える。著者による新版前書、解説なども必読。
瓶詰めの科学的に調整を施す人間培養、その調整によって格付けされた人間社会、あらゆる快楽を叶えることで欲望や不満、絶望を排除したユートピア。人間の最大の欲求は信頼関係のある人付き合い、と定義する人がいるが、それさえ叶えることのできるユートピアは果たしてディストピアなのか。かなり極端な世界ではあるが、今...続きを読む自分が置かれている自由はとても幸福なことであると実感する。もし自分に苦難が降り掛かったとき、本当に「ソーマ」を拒絶出来るかは怪しいとは思います。16章、17章のジョンと世界統制官との論戦は興味深いが、個人的にはやや宗教的思想に偏るジョンにも賛同できないところがある。 そして衝撃のラスト。自分への鞭打ちさえなければ穏やかな生活を営むことができそうだが。
ディストピア小説の古典とも言われる本著。しかし、1932年に書かれたとは思えない位、新感覚にも読めるし、あるいは既に社会に浸透した一種のSF的仮説の基礎とも読める。最近の作品では、貴志祐介の『新世界より』が影響を受けてるのかなと感じたがどうなのだろうか。 階級を容認し、寧ろ階級がある事を前提に構築...続きを読むされる社会。そして、その階級意識を遺伝子操作というよりも、主には、オペラント条件付けにより、無意識下に学習させて統制させていく。一見、共産主義の思考実験による皮肉にも見えるが、恐らく、この仮定に主義は選ばない。資本主義であれ、その報酬は金銭の多寡をKPIとして、条件付け、刷り込まれたものであり、階級は偏差値や年収を指向する事で成立されている。右も左も、人間社会の本質を究極的にデフォルメ化して皮肉っているのではないか。 社会とは、洗脳により与えられた報酬から役割を規定され、条件付けにより繰り返す事が労働である。成果物の搾取や交換、分配の手法が、主義の相違を生んでいるだけである。 変な読み方をしてしまったかも知れないが、面白いな、素直に読んでもそう感じた。
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