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黒船来る! 嘉永六年六月、奉行の代役として、ペリーと最初に交渉にあたった日本人・中島三郎助。西洋の新しい技術に触れ、新しい日本の未来を夢見たラスト・サムライの生涯を描いた維新歴史小説!
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Posted by ブクログ
著者・佐々木譲をして、「激動の時代の幕開けのまさにその瞬間に立会い、その後に続く動乱の時代を、有能な官僚として、すぐれた技術者として、才ある文人として、それになにより、見事なまでに武士らしい武士として生きた男」と言わしめた中島三郎助の半生をていねいに描いた一冊。 「くろふね」の中にも江川太郎左右衛...続きを読む門英龍は登場する。 中島三郎助に、彼が興味をもっている測量や砲術、海防などについて、新しい風を送り込んでくれる重要な人物だったのだ。 江川太郎左衛門による海岸防備の目的の江戸湾の測量のシーンや、高島秋帆による徳丸ヶ原での演習シーンなどは、具体的でとても興味深いシーンとなっている。 江川太郎左右衛門英龍と言う人は、中島三郎助に最初に影響をあたえた人物だったのだ。 本を読むごとに、韮山の世襲の代官にこんなに優れた人がいたということを、改めて知らされることになる。すでに彼の功績を知っていても、新しい情報は、それを上回る興味深い業績がでてくるのだ。こうなると、幕末のわが国の海防論のようなものを通して読みたくなってしまう。 その人物に影響され、さらに独自の興味である大型艦船の建造について学び、日本で最初の西洋式軍艦を建造してしまう中島三郎助。彼のすばらしさは、座学や知識では満足しないところにある。あくまでも実践の人である。そのような意味では、幕府側でも最優秀なテクノクラートの一人であったわけだ。その証拠に、吉田松陰も桂小五郎も中島三郎助に造船術の教えを請う手いる。桂などは、中島家に長逗留して学んでいる。 中島三郎助は、その後、長崎海軍伝習所伝習生となって長崎へ。言葉巧みで目先の効いた勝海舟とはそりが合わなかったため咸臨丸のアメリカ渡航メンバーからは外れてしまうが、機関士としても航海士としても中島三郎助は勝海舟などよりはるかに優れた人物だったと分かる。 「日本の近代は、この男、中島三郎助の屍をこえるところから始まったのである。」この言葉が言わんとすることが分かる。中島三郎助とはそのような男だったのだ。
「黒船に最初に乗り込んだふたりの日本人のうちのひとり」「浦賀奉行所の与力のひとりとして、ペリー艦隊と最初に接触、即刻退去を求めた」激動の時代の幕開けのまさにその瞬間に立ち合い、その後に続く時代を有能な官僚として、すぐれた技術者として、才ある文人として、それになにより見事なまでに武士らしい武士として生...続きを読むきた男そんな“ラストサムライ”中島三郎助の生涯を描いたのが「くろふね」繩田さんの解説が熱い!こんな熱い繩田さんは珍しいんじゃなかろうか。
中島三郎助という武士が、浦賀で海防の仕事をしているときに黒船に出会い、その後どのような人生を送ったかが書かれる。黒船の圧倒的な武力に対抗するため奔走する前半はドラマチックだが、晩年は駆け足で歴史の教科書なぞりましたみたいな展開が残念。それでも、過去の成功体験や武士のメンツなどにこだわらず、新しいもの...続きを読むを取り入れる三郎助の生き方は、変なビジネス書よりは仕事に対する取り組み方として参考したい。 気になったのは小物感半端ない鳥居耀蔵と、口だけ達者で使い物にならない意識高い系と言うイメージの勝海舟・・・描かれ方はあれで良かったのか・・・小説だから良いのか。
数年前に読んでいますが、最近は詳細に幕末を なぞっているので「もっと面白い」部分に気が付く ディテールに神が宿るのだよ(使い方間違ってる)
彼の「武揚伝」が傑作であることは力強く断言できます。中島武三郎という人物への着眼はなかなか鋭いけど、「武揚伝」を書いた上で、あらためてこれを書く意義が見当たらない。スピンオフみたいなものだろうか。
後半がやたら駆け足に進んでいっただけなのが気にかかるけど、前半部分の三郎助の活躍は見てて面白かったです。後半も前半のように人物の心情を書いてくれてれば、もっと面白かったのになぁとは思います。なんだかあらすじが書かれてるだけにも感じられたので。
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