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十七年前の殺人事件で犯人と目された男・末松は、自らの無実を証明しようともせず、沈黙を守り続けていた。ある日、末松が何者かに襲われ、警護を命じられた刑事の氷室は、彼が何かを隠していると確信し、独自に調べ始める。そして、末松の共犯だという男が殺された――。「容疑者」に甘んじる男の心の謎をめぐる物語。
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Posted by ブクログ
今作のテーマは何だろう。「沈黙」だからそれにまつわる「償い」の重さというところだろうかね。毎回、微に入り細にわたる状況描写は時にもどかしさを感じる事もあるが、今回はかろうじてそこまではいかなかった感じだ。まあしかし、毎回よくこうも細かい描写が出来るもんだとひたすら感心する。いったいどんな事実が待ち受...続きを読むけているのか、というのが毎回楽しみだが、今作はちぃと重かったなあ。おかげで読後の余韻も重いわ。
事件を追う警察小説には不適切な表現かもしれないけれど、堂場さんの物語はいつも安心して読める。 ひとつずつ丁寧に積み重ねられていく事実。 どの人物の描写もしっかりと描かれていて、物語の中に入り込んでいきやすかった。 真実を暴くことがいつも正しいとは限らない。 もちろん基本的には法律によって裁かれるべ...続きを読むきだろうし、そうでなくては社会の秩序は守られないだろう。 けれど、もしかしたら別の罪の償い方があってもいいのかもしれない・・・そんなふうにも思える物語だった。 「沈黙の檻」、これ以上にこの物語にあう題名があるだろうか。 自由のようでいて自由ではない。 目には見えないけれども、確かに自分を囲んでいる檻がある。 強靭な精神力がなければ、長い年月を乗り切ることは出来なかっただろう。 そんなふうにしか生きられなかったことが哀しくもあり、それでも幸せを感じていたときもあったのだと複雑な思いもする。 結末はこれで良かったのだろうか。 でも、これ以外の結末はなかったような気もする。 長い「沈黙の檻」は、囚われ人を替えこれからも続くのだろう。 檻の中でも、ほんの少しの幸せや安らぎがあればいいと思う結末だった。
十七年前の殺人事件で犯人と目された男・末松は、自らの無実を証明しようともせず、沈黙を守り続けていた。ある日、末松が何者かに襲われ、警護を命じられた刑事の氷室は、彼が何かを隠していると確信し、独自に調べ始める。そして、末松の共犯だという男が殺された―。「容疑者」に甘んじる男の心の謎をめぐる物語 という...続きを読むのがあらすじ。 一人称の文章に時折三人称の文章が混じるので、そこがやや気になった。
一気に読まずに、空いた時間にちょこちょこ読み進めたせいか? 何か事件がなかなか進まず、ひっぱり過ぎな印象。 ひっぱった割にあっけない結末な気がしてしまった。
沈黙を貫く、殺人犯かもしれない男。彼を護り、信じる刑事。時効事案を挟み対峙する二人の傍で、新たな殺人が発生し――。哀切なる警察小説。
重たい沈黙でした。そこまで自分を律して沈黙を守れる人はいない気がします。それほどまでに守りたい何かがある人は幸せなのかもしれません。私には無いものですね。
いつもながらに、まだるっこい 人間性がありすぎる主人公刑事はいつものパターンかな? それに不健康だし……(-.-) でも、こういう解決はあり?なの 皆が引き摺ると思うけど
警察官の苦悩。一つの事件を追う執念さと努力の反面やるせない気持ちが出てくることもある。 ゼロか百かの世界だけど、その中に現れない容疑者と警察官の心の交流かよかった。
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沈黙の檻
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堂場瞬一
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